9月19日(日) 2010 J2リーグ戦 第26節
札幌 0 - 1 鳥栖 (13:03/札幌厚別/6,888人)
得点者:86' 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch183 9/21(火)前07:00〜
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どちらのチームも戦い方はハッキリしていて、共通していた。「ロングボールを多くするというのは試合前から話していた」と横野純貴が明かしたように、芳しくないグラウンド状態を考慮。「(グラウンドの)環境が環境なので、割り切ってプレーした」と鳥栖の早坂良太も口にしており、どちらもシンプルに前線へボールを当てる戦い方を選択した。
札幌について言えば、メンバー構成からもゲームプランが見て取れた。横野純貴、上原慎也という高さ、速さのある2選手をどちらもプロ初となるスタメンに抜擢。近藤祐介も含め、高い位置に配置された彼らに相手の裏のスペースを狙わせた。普段は中盤からグラウンダーのパスをつないで突破を図るチームだが、この日はダイレクトプレーからチャンスをうかがい、「そこである程度ゲームが落ち着いてきたら、技術のある選手を入れて、点を取りにいこうという形で入った」と石崎信弘監督は振り返る。
一方の鳥栖も前出の早坂の言葉通り、前線の豊田陽平にボールを集める。そしてそのセカンドボールを豊田の周辺で動き回る藤田直之が拾うという戦略だ。時折、中盤の底でプレーする衛藤裕がグラウンダーでパスを動かそうとしたが、うまくボールが走らずカットされてしまったり、それを警戒してキックが強くなりすぎてしまったりして、結局は前線に蹴り込んだり、サイドへ簡単に開いたりするようになる。
ただし、厚別競技場特有の風が、双方のゲームプランにとって若干のハードルとなってしまった印象だ。この日はメインスタンドから見て左から右へと風が吹いていたのだが、風上に立ったチームはフィードが流れてしまったり、風下側は思うようなコースにロングボールを打てなかったりとミスが目立った。こうした場合、通常であればグラウンダーのパスを動かしてリズムを整えたいところだが、そもそもそのグラウンダーのパスを動かせないからこそ長いボールを蹴っているわけで、なかなか難しい状況となっていた。前半に風上になった鳥栖はその45分間で7本のシュートを。後半に風上にたった札幌はここで7本と、どちらもなんとか風を良い形で利用したかったのだが、大半のシュートが枠を外れており、総合的に考えれば風に苦しめられた試合だったと言っていい。
守備に目を向ければ、どちらのDF陣も風に上手く対応していた。札幌の最終ラインは左から西嶋弘之、石川直樹、吉弘充志、藤山竜仁で組んでいたのだが、どの選手もセンターバックとしてプレーができ、空中戦での競り合いにも強さを持っている。特にセンターの石川は体の線こそ太くはないが、対人に強く、6Kgの体重差がある豊田を相手にしても充分に勝っていた。
一方で鳥栖の最終ラインは金民友、呂成海、木谷公亮、日高拓磨が組んだ。丹羽竜平、田中輝和という左右サイドバックを出場停止で欠いており、本来は攻撃的なポジションの選手である金を左サイドバックで起用するという難しさもあった。しかし、こちらも呂と木谷のセンターバックが巧みなプレーで対応してみせた。空中戦で対峙する札幌の近藤、横野、上原の3人はダイナミックに体を預けてくるタイプだが、それを把握すると、ロングボールが蹴られる直前にポジションを上げ、オフサイドを気にした相手にポジションを下げさせることで、ボールに対してフリーでプレーをするという見事な駆け引きを見せた。木谷に至っては、相手と競るはずのロングボールをフリーで胸でトラップする場面さえ作ってしまうほどだった。この辺りは呂、木谷のクレバーさがあったと同時に、横野と上原にはまだまだ試合経験が足りなかったとも言える。
いずれにせよ、グラウンド状態や風の影響を守備側がうまく利用した形となり、試合は0−0のスコアのままタイムアップへと向かっていった。最終的なシュート数は札幌が9本で鳥栖が10本。ゴールキックの数も札幌が12回で鳥栖が11回と、相手ゴールに迫った回数は近似しており、タイスコアでの進行というのは妥当なものと言えた。
しかし、86分。札幌の吉弘がボールに対してちょっと早めに飛び込んでしまった隙をついて、豊田が突破。それを吉弘がペナルティエリア内で倒してしまい、鳥栖がPKを獲得する。そしてそれを豊田が自らが決めて、敵地で鳥栖が貴重な勝点3を獲得した。
双方の最終ラインが好守備を見せていたことを考えると、スコアレスでのドローというのが最も内容を反映した結果なのかもしれない。しかし、必ずしも内容を反映しないのがサッカー。つまりは、鳥栖のほうがより勝利への執着心があったということになるのだろう。
次節までは中3日。札幌はアウェイで柏と、鳥栖はホームで福岡と対戦する。
以上
2010.09.20 Reported by 斉藤宏則
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