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北九州と岡山が対戦するのは今年に入ってこれが３回目。最初は２月14日の北九州市長杯争奪北九州招待サッカー大会（北九州市長杯）３位決定戦で対戦。西野晃平のゴールで岡山が辛勝した。
２回目の対戦はJ2リーグ戦の５月２日。カンスタで対戦し、このときは両チームともチャンスをいかせず０−０で引き分けている。
この２試合で両チーム通算１得点という状況からも分かるように、両チームが下位に甘んじている要因の一つが得点力。岡山の今季12得点はリーグで最も少なく、北九州の15得点がそれに続く。
得点力不足を克服し浮上のきっかけを掴むにはどうすればよいのか。両チームからは「気持ち」という言葉が出てきた。
岡山は前節の反省を踏まえ、チームの立て直しを急ぐ。愛媛と対戦した前節はメンバーを入れ替えて臨んだものの攻守にフィットせず前半に喫した２失点を取り返すことはできなかった。影山雅永監督は今後の展望について、前節の試合後、「戦う姿勢がなければ我々は終わってしまう。そういう気持ちを強く持った選手たちを中心に戦っていきたいと思います」と話した。フレッシュな顔ぶれも入れて臨んだ試合で思うような結果が出なかっただけに、今節では、積極的な攻撃参加と正確なクロスでチャンスメークするDF野田紘史や、無得点が続いているFW李 東明ら、出場機会の多い選手の奮起に期待がかかる。
影山監督が言う「気持ちを強く持った選手」たちが中心になってメンタル面でも北九州を上回れるか。負けが込む中ではハートの部分も勝敗を分ける。
北九州は中断明け以降、複数失点する試合が目立っており、失点を少なくすることがまず重要だ。「後ろが０に抑えれば負けることはない」とDF川鍋良祐。「喜山（康平）と三木（良太）はユース時代から知っているし、警戒している」とも話し、同年代の選手に対抗心を燃やしつつ無失点を誓っていた。
ただ、失点を恐れるあまり引きすぎてしまっては勝点３を得るまでには至らない。北九州は前節・岐阜戦で得点こそ奪えなかったがチャンスはたびたび作っており、強烈なシュートが武器の宮川大輔は「ビッグチャンスは作れている。あとは精度」、レオナルドも「点を取りきれるサッカーをしないと」と話し、攻撃陣は岐阜戦の反省をバネにゴールを貪欲に狙う姿勢を示した。
２勝目へ向けて与那城ジョージ監督は「うちも得点力があるわけではない。相手のことよりも自分たちがどう動くか。いかにフィニッシュまで持っていくかが大事」と述べ、ひたむきに自分たちのサッカーを続け、辛抱強く結果を求めていく構えだ。河端和哉も「（出場停止などで選手が入れ替わっても）それでサッカーが変わるほうが問題。こういう状況なので気持ちで上回らないと勝てない」と話していた。
得点力に課題を抱える両チーム。前回対戦と同じようにボールを持ちながらも最後の決定力を欠くロースコアの攻防になることも予想される。ともすればため息の出る展開になるかもしれない。それでも90分間、ピッチの選手には温かい声援が送られることを願う。勝つための１点を得るのは、よりタフに走ったチームであり、より気持ちが勝ったチームであり、そしてより熱い「背番号12」の後押しがあったチームであることに違いないのだから。
以上
2010.09.17 Reported by 上田真之介
