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草津は前節が休みとなったが、その１週間で暑さは和らぎ、秋の気配が一気に漂い始めた。草津は７〜８月にかけてのJリーグ中断後４勝１分と快進撃を見せたものの23節大分戦で敗れると続く24節徳島戦でも敗戦、痛恨の２連敗となった。追い討ちをかけるように、天皇杯２回戦で北九州に１対３で完敗、公式戦３連敗という深い傷を負ってしまった。だが、草津はこの２週間を利用して傷を癒し岐阜戦に備えた。今節は、草津にとって正念場のゲームとなる。
草津は天皇杯を含めた最近４試合で４点を奪っているがすべてセットプレーからの得点だ。流れの中で点が取れないことが停滞を招いた要因だ。副島博志監督は「相手がうちのサッカーを研究してきているが、それを超える攻撃ができていない」と眉間にしわを寄せる。草津の生命線は、松下裕樹、熊林親吾ら中盤からの展開だ。だが相手に守備ブロックを組まれパスコースを消されることで手詰まりが生じ、ミスパスをカットされてカウンターを浴びる。24節徳島戦、天皇杯北九州戦はその典型的な試合だった。
チームは「休養期間」を利用して攻撃をテコ入れ、ブラッシュアップを図った。「攻撃の形自体は決して悪くない。ポゼッションサッカーというベースは変えずに緩急をつけた攻撃をしたい」（後藤涼）。天皇杯２回戦ではゴール前までボールを運びながらシュート意識が乏しく、相手DFに囲まれるシーンも目立った。今節では、ダイナミックにゴールへと向かう姿勢を見せられるかがカギとなる。
休養十分の草津は最高の状態で岐阜戦へ臨む。と言いたいところだが、チームは先週末からいくつかのアクシデントが重なった。不動のボランチ櫻田和樹が結膜炎、佐田聡太郎が肉離れとなり欠場が濃厚、それに伴って先発メンバーに変化がありそうだ。「この雰囲気を変えるラッキーボーイが生まれることを願う。新しい力が出てくることでチームはさらに進化していく」（副島監督）。先発出場が予想される山田晃平は「ドリブルで仕掛けてゴールに絡む仕事がしたい」と気合を入れる。司令塔・熊林は「みんなの個性が発揮できれば結果は絶対についてくる」と話し、「チーム×個」で勝点３を狙う。
一方の岐阜は前節ホームで北九州を撃破した。倉田安治監督が「単純なミスが多く、ゲームが難しくなった」とコメントしたように課題も残る試合となったが、草津が天皇杯で敗れた北九州から勝点３を奪った。今季、草津と同じように新指揮官のもとでリスタートを切ったチームだがシーズンが進むごとに力をつけて白星を２ケタに乗せた。現在（17日）11位だが８位横浜FCとの勝点差はわずかに１。今節の結果しだいでは大きくランクアップする可能性を秘める。
草津と岐阜の通算成績は３勝１分３敗とまったくの五分だが、去年は１勝２敗と負け越し、今季も５月の対戦で敗れた。草津にとって最近の相性は良いとは言えない。嶋田正吾、染矢一樹、押谷祐樹らスピードと技術を備えるプレーヤーたちに苦しめられているのだ。副島監督は「岐阜の選手たちはバラエティーに富んでいてマークしづらい」と話す。草津はミスからカウンターを受ける形だけは避けたいところ。草津が総得点21総失点35で16位に対して、岐阜は総得点21総失点31で11位につける。この数字からも岐阜が粘り強いサッカーをすることが分かる。今ゲームも１点を争う展開が予想される。さらに２００８年途中から半年間草津に在籍しＪＦＬを経て岐阜に加入した池上礼一がどんなプレーを見せるか楽しみでもある。
Ｊリーグ再開後の約１カ月間、派手に勝点を稼いだ草津だが、それだけで失速してしまっては格好がつかない。植木繁晴ＧＭは「チームの方向性は固まってきたのであとは選手が結果を残すだけだ。先を見ないで一つひとつ戦うことでしか状況を変えることはできない。最終的には10位以内を死守しなければいけない」と喝を入れる。主将・松下裕樹は「この２週間は良い準備ができた。中断明けのときのようにもう一度、チームに勢いを呼び込みたい」と復活を誓う。草津は、岐阜を仕留めてギアを再びトップへと入れ直す。
以上
2010.09.17 Reported by 伊藤寿学
