9月18日(土)J1 第23節 磐田 vs F東京(14:00KICK OFF/ヤマハ)
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ヤマザキナビスコカップ準々決勝と前節・湘南戦で、またひとつタフになったところを見せた磐田。そこから1週間空いて迎えるF東京戦も、難しい状況での戦いにはなるが、だからこそ今度もまたホームのサポーターに頼もしい姿を見せてほしいゲームと言える。
今回、磐田にとって困難な問題となるのは、日程でもコンディションでもないが、ある意味それ以上に大きな影響があるかもしれない。それはキャプテン・那須大亮の出場停止だ。
8/29から2週間で5試合というハードな日程をこなした磐田は、ヤマザキナビスコカップ準々決勝で、アウェイの第2戦を辛抱強く戦い抜き、スコアレスドローでベスト4進出を決めた。そこから中2日で迎えた湘南戦でも、後半非常に疲れた中で76分に同点に追いつかれたが、その6分後に勝ち越し点を奪って勝ちきる強さを発揮した。
そうしたしぶとい戦いができるようになってきたのも、ボランチとしてバイタルエリアの楯となり、同時にチームをコントロールし、精神面でも力強くチームを引っ張る那須の存在が非常に大きい。柳下正明監督も、湘南戦後に「こういうゲームになると、やっぱり那須の良いところが出てくる。それに周りがつられて集中力が高まり、(疲れていても最後まで)守備ができるんじゃないかと思う」と語っている。
また、自分たちが主導権を握る時間帯でも、相手のカウンターへの対応という意味で、那須の果たしている役割は非常に大きい。攻撃でも、中長距離の正確なフィードで効果的にサイドチェンジしていくプレーは、チームにとって欠かせないものになっている。
さまざまな意味で非常に大きな存在であるキャプテンは、今季リーグ戦でもヤマザキナビスコカップでも全試合フル出場を続けてきた。天皇杯を除いて今季初めて彼を欠く中で、他の選手たちがサッカーの質を落とすことなくしっかりと戦えるのかどうか。不安ではあるが、逆に楽しみなところでもある。
那須に代わって上田康太のパートナーを務めるのは、進境著しい山本康裕か、豊富な運動量としぶとい守備が持ち味の岡田隆が有力だろう。山本康がボランチに入れば、これまで以上に攻撃的な形、岡田がボランチで山本康が左MFに入れば、バランス重視の形となる。柳下監督がどんなチョイスを見せるのか、まず大きな注目点となる。
対するF東京のほうは、リーグ戦でここ8試合勝利なし。天皇杯2回戦では駒澤大学に2-0で勝ったが、清水と戦ったヤマザキナビスコカップ準々決勝も含めれば、J1のチームに10試合勝てていないという状況にある。現在4勝9分9敗の14位(勝点21)で、勝点では16位の神戸と並んでいるため、この試合に敗れれば一気に降格圏内に落ちる可能性もある。
そうした苦境に陥っている最大の原因は、深刻な得点力不足。前述の10試合未勝利の中で、総得点がわずか5点(1試合あたり0.5得点)で、2点取ったゲームがない。その問題を何とかしなければ、勝点を積み上げていくことは難しいだろう。
その意味で、前節は4-3-3の新システムにトライしたが、準備不足で機能せず、前半のうちに4-4-2に戻している。ただ、中盤にケガ人が非常に多いこともあって、1週間空いてもう少しコンビネーションが整った状況で再度トライしてくる可能性もある。アウェイでも何とか点を取って勝ちたいF東京だけに、どんな試合への入り方をするかという部分は、大きな見どころとなりそうだ。
もちろん、F東京もボールを保持する力は高いので、どちらかが一方的に主導権を握るという展開にはなりにくいだろう。また、その中で両チームともカウンターにはかなり注意を払いながら戦うはずだ。
そう考えると、磐田としてはまず守るべき時間帯はしっかりと守り抜くことが重要になる。F東京のほうは、相手が引いてブロックを固めてきたところをなかなか攻めきれないという課題を抱えているが、逆に磐田のほうは、その形で守りきれるという自信を深めている。選手たちとしても、那須がいなくても同じことができることを証明したいという意識は強いだろう。
逆に磐田が押しこんだ時間帯では、F東京が守備のブロックを固めてくる形になる。そこを持ち味のサイド攻撃で崩し、ゴールを決めきれるかどうか。そこは、前節で流れの中から2ゴールを決めたエース・前田遼一の働きに期待したい。
そして、膠着した戦いになればなるほど、勝敗を左右する可能性が高くなるのがセットプレーだ。ここも那須不在の影響が出やすいところだが、磐田としては何とか踏ん張りたいところだ。
厳しい戦いの続くF東京にとっては、本当に背水の陣となり、磐田にとっても非常に難しいゲームとなるだろう。だが、このホーム2連戦で連勝することができれば、上位追撃に向けて大きな手応えと自信をつかめるはず。サポーターと一体になり、ホームアドバンテージを存分に生かした戦いをしなければいけないゲームでもある。
以上
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