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【J2:第26節 水戸 vs 富山】プレビュー:4−4−2に戻す水戸。富山に対し、がっぷり四つで勝負を挑む!失われたアイデンティティーを取り戻せるか。(10.09.17)

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9月18日(土)J2 第26節 水戸 vs 富山(13:00KICK OFF/Ksスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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今週行われた紅白戦。水戸のシステムは4−4−2であった。第23節福岡戦で0対5の大敗をしたことによって失われた自信を取り戻すために、翌節から水戸は「攻撃と守備の役割分担をはっきりするために」(木山隆之監督)4−3−3に変更。前の5人が攻め、後ろの5人で守るという分かりやすい形に変えたのであった。ただ、それは中断期間以降、水戸が目指してきたサッカーとは180度異なるものであった。「中盤で展開するサッカーをする」と木山監督は豪語していたものの、水戸は中盤を省略して前線にシンプルにボールを入れ、島田祐輝と小池純輝のスピードを生かしたカウンター攻撃を繰り出すサッカーへと切り替えることとなった。「もう一度チームに自信をつけるためにもやり方を変えないといけなかった」と木山監督は振り返る。チームを立て直すための荒治療を施したのであった。その後、水戸は1勝2分と息を吹き返すことに成功。選手たちは自信を取り戻しつつあるのだ。

そして、今節に向け、「がっぷり四つで戦うスタンスに戻す」と木山監督は言うように、4−4−2に戻し、再びパスサッカーで勝負を挑むこととなった。「元々ウチは4−4−2。今までがイレギュラー」(木山監督)。ただ、大切なのはシステムではなく、チームのスタンスだ。これまでの水戸のオーソドックスな戦いは、前節までの守備に人数を割き、カウンターで活路を見出す戦いであった。逆にイレギュラーだったのはリーグ再開後から第23節福岡戦までの4試合でトライしたパスサッカーである。シーズン前にチームは「中盤での展開力を生かしたパスサッカーをする」と掲げたものの、体現した試合はごくわずか。今季の水戸はどんなサッカーをしたのか。そう問われれば、前述のカウンター主体のサッカーを挙げざるを得ない。果たして今季の水戸が目指したサッカーとはそのサッカーだったのか。残り13試合、自らのアイデンティティーを発揮するための戦いが今節からはじまるのだ。

だが、パスサッカーでは富山の方が一枚上手だろう。昨季からパスサッカーを貫く富山。さらに今季は甲府にパスサッカーの礎を築いた安間貴義氏がコーチで加わったことにより、精度が高まることとなっている。昨季以上に「パスを回しながら3人目の動きで崩してくる」(木山監督)チームとなっており、まさにボールも人も動くエンターテインメント性あふれるサッカーを繰り広げているのだ。攻撃に人数を割くあまり守備が手薄となった隙を突かれて失点を重ねる場面が目につくが、中断期間明け以降は攻守の切り替えが速くなり、攻守のバランスがよくなっている。前節は柏相手に終了間際の失点で敗戦を喫したが、それまでは互角の戦いを演じてみせた。「富山は昨季からいいチーム。今年はいい補強をしているし、力があるのは当然」と木山監督が分析するように、下位だからといって侮ると痛い目に遭うだろう。注意したいのはMF朝日大輔とFW木本敬介。2人の鋭い飛び出しが今の富山を支えていると言っても過言ではない。水戸の守備陣は飛び出してくる動きへの対応に課題があるため、彼らに手を焼くことだろう。チーム全体でしっかりマークの受け渡しをしながら対応しないといけない。

「お互いに点を取れるかが勝負の分かれ目となる」と木山監督は見る。ともにパスサッカーを標榜するだけに中盤での激しいしのぎ合いが見られることだろう。その中でめぐってきたチャンスを決め切れるかどうかが両者の明暗を分けることとなりそうだ。

水戸は現在15位。今まで連勝は1度だけで、不完全燃焼の日々が続いている。上位進出も厳しくなり、チーム全体としてモチベーションを見失ってしまっているような感じも見受けられる。吉原宏太は言う。「9月までノラリクラリ来てしまい、順位も上がらない。でも、シーズン前にこのチームならいいサッカーができると思っていた。それを証明しないといけない」。我々はまだ水戸の100%を見ていない。今季の水戸はこんなもんじゃないはずだ。勝ち負けではなく、選手たちがすべてを出し切るゲームを我々は待っている。吉原はこう付け加えた。「どこかでビッグウェーブを起こしたい」。大きな波を巻き起こすための残り13試合へ。水戸の可能性を信じたい。

以上

2010.09.17 Reported by 佐藤拓也
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