9月12日（日） 2010 J2リーグ戦 第25節
岐阜 1 - 0 北九州　（16:04／長良川球／2,168人）
得点者：80' 野垣内俊（岐阜）
スカパー！再放送 Ch181 9/13（月）後00:00〜
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橋本卓の負傷離脱、佐藤洸一の累積警告と、2人を欠く岐阜に対し、エース佐野裕哉 、DF長野聡、重光貴葵の3人を欠く北九州。共に痛手を負いながらの一戦となったが、試合を支配したのは岐阜の方だった。ボランチに永芳卓磨を、左サイドハーフに菅和範を、前線には押谷祐樹と嶋田正吾のスピード系を並べた岐阜は、徹底したリトリートディフェンスを敷く北九州に対し、いきなり先制パンチを食らわせる。キックオフから押谷がそのまま持ち込んでGKと1対1に。シュートは左ポストを直撃し、開始10秒で先制という絶好のチャンスを逃した。その後も試合は岐阜ペースで進んでいく。永芳が積極的に前線に絡み、2トップ、西川優大や菅とうまく連動して、バイタルエリアを攻略。8分にはDF新井涼平のクサビを受けた押谷が反転し、右の嶋田へ展開。嶋田の折り返しに菅が飛び込むが、これはDFの体を張ったブロックにあう。24分にはバイタルエリアでのテンポのよいパス回しから、永芳がミドルシュートを放つが、これはGK水原大樹のファインセーブに阻まれた。30分には左CKから今度は新井が決定的シュートを放つが、これは枠の外。岐阜はことごとくチャンスをフイにし、徐々にミスが多くなっていく。

集中が切れてきた岐阜に対し、北九州も付け込みたかったが、中盤が完全に間延びし、蹴るだけのサッカーになり、リズムを作り出せなかった。それでも大島康明が孤軍奮闘をみせ、時折チャンスを作った。大島が前線から果敢なチェイシングをし、ボールを持ったら積極的にDFラインのギャップを突いて、カウンターの急先鋒となった。だがフォローがなかった。

0-0で迎えた後半、攻め込みながらもミスが多い岐阜に対し、60分を過ぎると一転して北九州に流れが移る。61分、パスミスからMFウェリントンに抜け出され、GKと完全な1対1になったが、シュートは枠の外。64分には中央の大島のパスから、DF佐藤真也がゴール前で完全にフリーになるが、シュートはバーの上。すべてシュートミスに助けられたが、完全な決定機を作られた。逆に北九州にとっては、この時間帯で決められなかったのが致命傷となった。
相手のミスに助けられ、流れがぴたっと止まると、これだけ攻めても入らなかったゴールがあっさりと決まる。80分、カウンターで得た右CKを、投入されたばかりのDF野垣内俊がヘッドで押し込んだ。この試合ではこの1点で十分だった。その後は岐阜が前半同様に主導権を握り続け、そのままタイムアップ。岐阜が1-0で勝利を収めた。

この試合の率直な感想は、ミスのオンパレードだった。得たものは勝点3のみ。終盤に決勝ゴールという展開は劇的で、エンターテイメント性という面では、残り15分に関して言うと、確かにスタジアムは沸かせた。だが、『終わりよければすべてよし』ではない。これはリーグ戦であり、ましてや将来的にJ1を目指しているクラブ。4時キックオフでピッチ上は非常に湿度も気温も高く、選手たちの体力の消耗を早めたのも事実。しかし、暑さだけでは片付けられないほどのミスが多かったのは、正直いただけない。『勝てば官軍』ではない、もっと厳しく言えば、『勝って兜の緒を締めよ』でもない。

そこにあるのは『勝っても自責の念と危機感を持て』―。今の岐阜にこれを伝えたい。

以上

2010.09.13 Reported by 安藤隆人