9月11日（土） 2010 J1リーグ戦 第22節
大宮 3 - 0 清水　（15:05／ＮＡＣＫ／12,888人）
得点者：45' ラファエル（大宮）、62' マト（大宮）、73' 李天秀（大宮）
スカパー！再放送 Ch181 9/14（火）後09:00〜
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大宮が清水に快勝した。年に数度は上位陣を倒すこともあるし、お隣の強豪チーム浦和に対してはここ数年苦手意識がなくなりつつある。だが、一か八かではなく９０分をとおして試合を支配し、自分たちのペースで勝利をつかむことはこれまで何度あっただろうか。たしかにこの日の清水の選手たちには疲労がにじんでいた。代表組も特に動けずにいた。公式記録上３３．６度の気温、１５時開始の晴天は彼らの体力を急速に奪った。長谷川健太監督は「しゃーないと思ってますよ」と試合を振り返ったほどでもある。それでも、大宮がここまでしっかりしたゲーム運びを見せられたことに成長ぶりを感じる。「相手のコンディションがどうであれ、支配したのは我々」と言う李天秀は誇らしげな表情を見せた。

天皇杯で攻撃的布陣を試した鈴木淳監督だったが、この日は通常どおりの４−４−２に戻してスタート。２トップは李天秀とラファエルが組み、左サイドには実に第１２節広島戦以来３ヶ月半ぶりの先発となる金久保順を起用した。ボランチは李浩ではなく金澤慎と青木拓矢というコンビネーションも熟成しだした二人を選択した。一方の清水も布陣は通常通りの４−３−３。ヨンセンではなく今季初先発の長澤駿をトップに起用し、スタートした。

清水のゲームプランは、前半は０−０でしのぎ後半勝負をかけようというもの。ゴール前でムリすることもなく、大宮が攻撃に入るとゴール前には人数をそろえた。体力の消耗を避けたいところだったが、それでも足は動かなくなる。一方大宮は得点にこそならないが、チャンスの回数は少なくない。１６分にはラファエルの浮き球パスに藤本が走りこみダイレクトシュート、続く１９分にはカウンターから李天秀と攻勢を強めていく。このまま０−０で折り返せば、後半に入り清水が攻撃的な手を打ちやすくなる、そう思われた前半終了間際、金久保からの縦パスを受けた金澤慎がラファエルへラストパス。「３人のタテの位置関係、距離感が良かった」と金澤が振り返るそのパスを受けたラファエルはディフェンスをたくみに交わしてネットに突き刺し、リードした状態で折り返すことに成功した。

後半に入っても大宮のペースは変わらず。後半開始と共に清水は小野伸二に代え山本真希、５６分には長澤に代えヨンセンと早めのベンチワークを見せたが実らない。追加点が生れたのは６２分のことだった。６１分に、李天秀のドリブルからのシュートがはじかれたところに藤本がつめる。シュートを放つもこれはＧＫに跳ね返されＣＫに。藤本自らが蹴った左ＣＫにファーサイドのマトが合わせてゴール。試合の流れを大きく引き寄せた。ダメ押しの３点目はカウンターから。ロングボールからディフェンスのウラに抜け出した李天秀が試合を決定付けた。

「練習していた通りの形からのもの、セットプレー、カウンターと色々な形で点を取れたのが大きかった」と鈴木監督は振り返った。２連敗中無得点だった不安要素、得点力も、徐々に上向いているといえそうだ。

清水はどこからどう見ても、コンディションの影響が目に付いた。それでも「僕が選手を選んだのだから。疲れているのがわかっているならば別の選手を選べばいいだけ」と長谷川監督は出場した選手をたたえた。彼らが目指すのは優勝のみ。「まだ自分たちの力でどうにでもなる」と本田拓也を始め選手たちは切り替えていた。
一方勝利した大宮にとっては反省材料の残る勝利でもあった。ＣＢ深谷友基が負傷離脱中の今、試合終了間際の坪内秀介の退場は痛手である。「試合の終わらせ方を考えないと」と鈴木監督。次戦アウェイでの鹿島戦は決してラクなものにはならない。それでも、大宮にとっては大きな勝点３を手にした。一刻も早い残留争いからの脱出と、上位進出へ向け鬼門９月を好スタートで飾った。

以上