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【第90回天皇杯2回戦 岐阜 vs 栃木】レポート:重くのしかかった前半の3点。岐阜の追い上げも届かず。(10.09.06)

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9月5日(日) 第90回天皇杯2回戦
岐阜 2 - 3 栃木 (18:00/長良川球/2,222人)
得点者:3' 水沼 宏太(栃木)、35' チェ・クンシク(栃木)、38' リカルド・ロボ(栃木)、45'+1 西川 優大(岐阜)、65' 吉本 一謙(岐阜)
チケット情報天皇杯特集
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試合はいきなり動いた。3分、左サイドを突破したMF高木和正のライナー性のセンタリングに、MF水沼宏太がドンピシャのヘッドで合わせ、栃木がいきなり先制した。その後、試合は落ち着きを取り戻し、どちらかと言うと、岐阜のほうがボールタッチが多く、MF押谷祐樹やMF西川優大、FW嶋田正吾が絡んだ攻撃でリズムを作った。
だが、決定打が出なかった。「攻撃の面では、2トップと両ワイドのコンビネーションは、距離感を含めてよくなっているけど、最後のプレーで相手の最終ラインで引っかかってしまったり、ボールを取られてしまう」と嶋田が語ったように、もう一手が足りなかった。
その一手とは、サイドバックの攻撃参加のタイミングとボランチのDFラインへのケアが遅かったことに起因する。両サイドハーフが中に絞って出来たサイドのスペースに対し、サイドバックがもっと飛び出せば、崩せるチャンスが生まれるのに、サイドバックがそのままステイしてしまい、チャンスを作りきれないシーンが何度かあった。これはサイドバックだけのせいではなく、ボランチとCBの関係性にも起因している。サイドバックを押し上げるときにリスクマネジメントとして、CBが開き、ボランチの一枚が落ちて3バックにするのか、逆サイドバックが絞って3バックにするのか。そこの連携がはっきりせず、攻撃に厚みが持たせられなかった。
今の岐阜の魅力としては流動性ある攻撃にある。佐藤洸一が1トップ気味にターゲットとなり、左サイドの押谷と右の西川、そしてトップ下の嶋田が近い距離を保ちながら、セカンドボールを果敢に拾って繋ぎ、そこにボランチの卓が絡んでいく。これにプラスアルファをもたらすのが、両サイドバックの攻撃参加にある。
31分の栃木の攻撃は、岐阜がしたかった形だ。右サイドで水沼、パウリーニョとつなぎ、中央よりに絞っていた高木へパス。高木は左サイドに向かってダイアゴナルのドリブルを仕掛け、DFを引き付けてから、大外から長い距離を走ってきた左サイドバックの那須川将大へパス。那須川はそのまま左サイドからニアサイドに走りこんだFWリカルド・ロボにライナー性のクロスを上げる。これはGK野田恭平に阻まれるが、サイドバックを絡めた完全に相手を崩した形は、岐阜がその前にすべき攻撃であった。
これだけでなく、栃木の左サイドは特に連携が際立っていた。水沼が逆サイドにボールがある時は中央まで絞込み、ターゲットとなるチェ・クンシクとの距離を保ちながら、ロボと積極的にポジションチェンジを繰り返すと、それに連動して左サイドバックの赤井秀行が果敢にオーバーラップを仕掛け、サイドのスペースを有効活用する。さらに赤井の裏のスペースはボランチのパウリーニョが巧みにカバーをしていた。
この差が試合の結果を分けた。35分、右サイドの展開から水沼がそのままサイドをえぐって、ふわりとしたセンタリング。これを中央でチェがドンピシャヘッドで合わせ、2−0。さらに38分には右サイドでの細かいパス交換からカットインしてきたチェを背後から倒し、PKを献上。これをロボに決められ、点差を3点に広げられてしまった。

だが、岐阜はそれでも前半ロスタイムに右CKから西川がヘッドで合わせ、1点を返すことは出来た。そしてこのゴールが試合の流れを大きく変化させた。前半のうちに1点を返し、2点差を追い上げるという、サッカーにおいては非常に勢いをつけやすい展開に出来たのは大きかった。
後半、倉田安治監督は佐藤に代えてMF永芳卓磨を投入。さらに48分には負傷した橋本に代えてMF菅和範を投入。押谷を1トップに、菅を左サイド、永芳をボランチに置いた。後方に展開力のある永芳を置いて、彼の散らしから前線のアタッカーが裏を狙うシンプルな手法に切り替えたことで、岐阜にリズムが生まれた。だが、前半の3得点が重くのしかかり、65分にDF吉本一謙が1点を返すのが精一杯だった。結果的には栃木が逃げ切っての3−2の勝利。J1・G大阪への挑戦権は栃木が掴んだ。

「自分達のミスから失点した以外はいい試合でした。3点差から2点返して、サポーターにも気持ちが伝わったと思っています。リーグ戦でこの悔しさを晴らしたいと思います」と倉田監督が語ったように、確かに後半のサッカーは気迫が伝わったし、スタジアムの雰囲気も盛り上がった。しかし、リーグ戦でこの悔しさを晴らすためには、前述したような前半で生まれたエラーを修正しなければ、晴らすことは出来ないだろう。しっかりと修正すれば、今度はより厚みがある攻撃でスタジアムを盛り上げることが出来、より確かな進歩をクラブ、サポーター共に実感出来るはずだ。

以上

2010.09.06 Reported by 安藤隆人
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