9月5日(日) 第90回天皇杯2回戦
新潟 3 - 0 金沢 (18:00/東北電ス/5,664人)
得点者:53' マルシオ・リシャルデス(新潟)、86' 鈴木 大輔(新潟)、90'+2 マルシオ・リシャルデス(新潟)
チケット情報 |天皇杯特集
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新潟が3-0で金沢を下し、3回戦にコマを進めた。0-0で迎えた後半8分、マルシオ・リシャルデスがFKを直接決めて先制。41分に鈴木大輔のゴールで追加点を挙げると、ロスタイムにはマルシオ・リシャルデスのこの日2得点目でダメ押しした。金沢は立ち上がりこそカウンターでチャンスをつかんだが、後半に失速した。
笑顔もガッツポーズもなかった。ボールがネットを揺らす瞬間を確かめたマルシオ・リシャルデスは、ゴールに背を向け、ゆっくりとリスタートに向かった。「いいスピードのボールだった。GKがはじくことのできない速さで蹴ることができた」。納得の1本が新潟の猛攻の始まりだった。
41分、左のショートコーナーからミシェウがセンタリング。走りこんだ鈴木がヘディングを決める。ロスタイムにはGK黒河貴矢からのロングフィードにマルシオ・リシャルデスが反応。相手GKを交わしてとどめをさした。
「先制の時間帯はチャンスが続いていたので、得点を取りたかった」。チャンスをつかみながらも無得点に終わった前半。金沢の久保竜彦、古部健太のツートップにカウンターを仕掛けられ、ピンチにさらされる場面もあった。焦りにつながりかねない状況。それを右足1本で打開した。「質が違う」。金沢・上野展裕監督の脱帽の一言が、マルシオ・リシャルデスの存在の大きさを示していた。
大黒柱の得点にリンクするようにアピールしたのが若手だった。先制のFKにつながるファウルを獲得したのは田中亜土夢。今季の公式戦2試合目のスタメンになったこの試合はFWで出場した。「得点できなかった」とノーゴールを悔やんだが、後半はスペースに走りこむ得意のプレーを連発。攻撃のリズムを作った。
2点目を挙げた鈴木は、日本代表に招集された永田充に代わってセンターバックに入った。スタメンは5月26日のヤマザキナビスコカップ予選リーグ・京都戦以来。このときもゴールを挙げたが、チームは1-4で敗退。「今日はゼロに抑えられて、自分も得点できた。結果を残せた」と笑顔を見せる。
新潟は永田、韓国代表のチョ・ヨンチョル、U-19日本代表の酒井高徳と主力3選手が不在の中、順当に白星を収めた。主軸が得点し、若手が内容を残した。このムードを週末のリーグ戦につなげる。金沢は健闘したものの、最後は地力の差が出た。前半のシュート数は新潟の9本に対し6本と食い下がった。久保を起点に両サイドが絡む攻撃でチャンスを作った。ただ、後半のシュート数は14対4。攻撃機会の差は、そのまま得点差につながってしまった。「前半のチャンスに決められなかった。後半は体力が持たなかった」。上野監督は敗因の一端を話した。もっとも、一瞬のカウンターで新潟守備陣を慌てさせたことも確か。J1との1戦は収穫になっただろう。
順当にスコアメークをした新潟と、長所を見せた金沢。東北電力ビッグスワンスタジアムで行われた天皇杯2回戦は、ともに今後の戦いにつながる試合となった。
以上
2010.09.06 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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