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【第90回天皇杯2回戦 仙台 vs ソニー】レポート:中1日のハンデを感じさせなかったソニー仙台が、値千金の決勝弾で仙台を撃破。仙台は今後、この敗戦の影響を回避できるか(10.09.06)

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9月5日(日) 第90回天皇杯2回戦
仙台 0 - 1 ソニー (19:00/ユアスタ/4,649人)
得点者:106' 桐田英樹(ソニー)
チケット情報天皇杯特集
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過去にも仙台は何度か、天皇杯で大学生相手に敗れたことがある。しかし今回の社会人チーム、ソニー仙台相手の敗戦は、そういった過去の下部カテゴリークラブ相手の敗戦の中でも、最も「負けるべくして負けた」一戦であると同時に、最も「後への影響が心配される」一戦となってしまった。
12年ぶりの「仙台ダービー」は、ソニー仙台が1-0で勝利。試合後には双方のサポーターから、高々とソニー仙台コールがユアスタに巻き起こった。

直近のヤマザキナビスコカップ決勝トーナメント準々決勝第1戦、磐田戦( /jsgoal_archive/game/2010/20100020060320100901.html )の先発の中で、この日のソニー仙台戦でも先発出場したのは、DFの渡辺広大、朴柱成とMFの太田吉彰、そしてFWの朴成鎬の4人だけ。それでも「仙台はチーム全員で戦っている」(仙台・手倉森誠監督)ので問題ないと仙台は判断した上でこのメンバーで臨んだのだが、どうしても局面で細かな連係のズレが見られ、少々引いて守ったソニー仙台の守備陣を崩しきることができない。また自陣でもミスを連発し、ゴールすぐそばからソニー仙台の攻めを始めさせる場面も。シュート数だけで見れば仙台が上(16対7)であるのだが、試合後に千葉直樹が同様に語っていたように、決して余裕のある試合運びではない。

しかしそうはいっても、仙台は天皇杯が終わると、中2日でヤマザキナビスコカップの第2戦(9/8@ユアスタ)、そしてその再び2日後にはJ1リーグ戦の鹿島戦(9/11@カシマ)を迎えるというハードスケジュールなだけに、無駄な疲労は絶対避けたい。延長突入を阻止するべく仙台ベンチは早く動く。52分には朴成鎬に代えて中原貴之投入。前半から崩しきらないまでも、良いクロスはゴール前に入っていただけに期待は高まる。さらには69分、遂に関口訓充をもピッチに送る。これにより、ソニー仙台ゴール前での仙台の決定機は確かに増えた。
だがこの辺りから、カップ戦ゆえの力関係の「補正」がかかり始める。それを一言で言うと、ジャイアントキリンング達成が見えてきた事による、下部カテゴリークラブの「執念」がもたらす力、とでも呼べるか。ゴール前で次々と仙台にやって来る決定機に対し、ソニー仙台の選手の寄せは鋭く、シュートはことごとく跳ね返される。枠に飛んだシュートのほとんどがGK正面となったのも、寄せでコースがしっかりと切られていたからと考えれば、あながち偶然とは言えない。

そして結局、仙台は恐れていた延長を戦うはめになる。さらに延長に入り、仙台とそのサポーターは、90分間でもうすうす感じていた素朴な疑問が、間違いではなかったことを気づかされることになる。
「一体どっちが、中1日での試合となり、疲れているはずのチームなんだ?」
そもそも仙台にミスが目立っていた時点から思っていた感想が、延長に入り動きがピタリと止まり、足をつる選手も続出した仙台に対し、ソニー仙台の選手がそれまでの90分以上に意気揚々とカウンターに打って出始めた辺りで、決定的なものに。

こうして迎えた延長後半の106分。ソニー仙台は中央の町田多聞から、右の大瀧義史へ。ゴール前では延長前半にピッチに投入されたばかりの桐田英樹が、マークのエリゼウを釣り出した後、エリゼウの弱点でもある背後へスッと飛び出すと、そこへ大瀧からのアーリークロスが入って来る。ピンポイントで合ったボールに対し桐田は必死にジャンプして身体を伸ばすと、ヘッドで触れたボールはGKを破り、ゴール左下隅へと入って行った。
申し訳ないがこの失点を跳ね返す力は、もう仙台には残っていなかった。そればかりか、試合終了直前には明らかにプレーが荒くなり、立て続けに警告が仙台へ。その中で、そもそも今後を考えこの試合には出場させたくなかった関口訓充が一発退場となるレッドカードを受けるなど、目も当てられない状況に。
延長後半のロスタイム、セットプレーの跳ね返りを右サイドで拾った富田晋伍からのクロスに、ニアで千葉が完璧なヘッドを合わせるが、強烈な弾道もGK正面に飛んだところで、仙台としては万事休す。12年前の旧JFLにおける仙台ダービーでは2連敗だったソニー仙台が、今J1となった仙台相手にうれしい勝利を飾った。

ソニー仙台は3回戦、同じくユアテックスタジアム仙台でセレッソ大阪と対戦する。決勝点の桐田は「ベガルタのサポーターの皆さんにも、できれば応援に来てもらえれば」と笑顔で語っていたが、試合後に仙台のサポーターからも温かいソニー仙台コールが飛んでいたところを見ると、その願いは叶えられそうな様子である。
一方、昨年は準決勝進出を果たし、今年の天皇杯の公式プログラムにも、前回大会を沸かせた存在として記述される名誉を受けていた仙台だったが、今回は初戦で消えることに。
だが影響はそれだけではない。リーグ戦やヤマザキナビスコカップで疲弊しているはずの選手を投入したにもかかわらず、120分を戦ってしまったことの、体力面での心配は残る。また前述の関口の退場は、ラフプレーとは違う理由での一発退場なだけに、今週水曜日に迫ったヤマザキナビスコカップ、磐田との第2戦は確実に出場停止である上に、軽々しいことは言えないが場合によっては、その後の公式戦…つまりリーグ戦のアウェイ鹿島戦以降までかかる可能性も否定できない。
自分たちが招いた苦しみではあるのだが、仙台は2週間に渡る5連戦の後半、少なくない苦難を背負っての戦いを強いられることになる。

以上
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