本文へ移動

今日の試合速報

夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!
夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!

J’s GOALニュース

一覧へ

【第90回天皇杯2回戦 札幌 vs 盛岡】レポート:札幌がJクラブの貫禄を見せて完勝。しかし、敗れたグルージャ盛岡も組織的なサッカーで、そのポテンシャルを充分に見せ付けた。(10.09.06)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月5日(日) 第90回天皇杯2回戦
札幌 4 - 1 盛岡 (13:00/札幌厚別/2776人)
得点者:20' 岡本賢明(札幌)、45' 岡本賢明(札幌)、55' 砂川誠(札幌)、79' 近藤祐介(札幌)、90' 市村瞬(盛岡)
チケット情報天皇杯特集
----------

札幌市厚別公園競技場で行なわれた札幌対グルージャ盛岡の一戦は4−1のスコアで札幌が勝利。東北リーグのチームを相手に、J2の札幌が貫禄勝ちをしてみせた。

ただし札幌は、スコアから感じるほど楽なゲームをしたわけではない。「体力的にはキツかった」とCB石川直樹が試合後に振り返ったように、個人戦術、技術ではグルージャ盛岡を大きく上回ったものの、内容的にはなかなかタフな試合を強いられてしまったようである。

試合の立ち上がりは札幌が主導権を握っていた。グルージャ盛岡の最終ラインがボールサイドに寄る傾向があったため、札幌はアウトサイドの選手がスペースを得てボールを持てる機会が多く、右サイドバックの西嶋弘之が前を向いて簡単にクロスを送り込んだり、ミドルシュートを打ったりとチャンスを作った。5分には近藤祐介が相手DFラインの背後に抜け出して決定的なシュートを放つなど、地力に勝る札幌が優位に立つ。
ただし、グルージャ盛岡も単に押し込まれていたわけではない。CBの大原卓丈、石井雄真を中心に積極的にラインをプッシュアップし、全体をコンパクトに保って札幌のパスコースを限定。攻撃に転じた際も中盤の底でプレーする松田賢太らがシンプルにボールを動かし、ダイナミックさなどでは札幌に劣るものの、チームとしての組織的なサッカーで応戦した。ゴールに近いエリアでのプレーはやはり力の差が露呈していたが、ミッドフィールドに関してはしっかりとした組み立てができていたと言っていいだろう。JFLを目指し東北社会人リーグで戦っているグルージャ盛岡だが、この試合を見る限りでは、中盤の構成力だけを切り取ればJ2の下位チームともさほど遜色のない印象である。それも1回戦を終えてから中1日というスケジュールでの試合である。

それでもやはり、アタッキングサードでの質、力強さにはJクラブが上回る。「何度かチャンスはあったが、そこでなかなか冷静にできなかった」というグルージャ盛岡の吉田暢監督が話したのに対し、札幌は20分にリスタートからの流れで岡本賢明がミドルシュートを決めて先制。45分には近藤が起点となって古田寛幸の飛び出しを引き出し、そこからのクロスを再び岡本が右足で流し込んだ。なかでも先制点などは岡本のシュートがグルージャ盛岡の選手に当たってゴールマウスに飛び込んだものだが、それも「思い切り打とうと思った」(岡本)ことによる産物。グルージャ盛岡も要所でチャンスを作りかけていたが、いいところまでボールを運びながらも判断に遅れが出たり、判断しきれずにフイにしてしまう場面が目についた。

さて、結果としては55分に途中出場の砂川誠が得点を挙げた札幌がリードを3点に広げ、早いタイミングで勝負を決めた。だが、それでもやはり札幌にとってはタフな試合となった。

そこにはピッチコンディションも影響していると見ていいだろう。前々日に天皇杯1回戦、前日に高円宮杯が行なわれていた影響もあってか、この日の厚別競技場のグラウンドはあまり良い状態とは言えなかった。そのため、グラウンダーのパスをコントロールするのが難しく、時計の針が進むにつれて互いにロングボールが目立つようになってきた。そのため、セカンドボールの拾い合いのような展開となってしまい、状況としては札幌が優位に立ちながらも、体力は消耗するというフィジカルゲームに引きずり込まれてしまったのである。

ただし、厳しいことを言えば札幌のゲーム運びにも大きな課題があった。通常、一般的なサッカーの展開というのは、リードされた側が同点を目指して前がかりになり、リードしている側がそれを逆手にとってカウンターを仕掛けるというもの。しかしながら、この試合の後半には2点以上ものリードを持つ札幌が逆にカウンターを受けるという、違和感のある場面が何度も見られた。「攻撃が縦、縦へと速攻ばかりになりすぎていた。もっとメリハリをつける必要があった」と古田が振り返るように、このあたりのゲームコントロールという部分は今後の重要な課題となりそうである。

とはいえ、主将の石川が「勝ちながら課題を見つけられたのは良かった」とポジティブに話し、一方のグルージャ盛岡・吉田監督も「後半はサイドの選手がボールを奪ってからいい動き出しができていた」とJFL昇格に向けて、Jクラブとの対戦から手応えを掴めた様子。

双方にとって、収穫のある2回戦だったということだ。そしてその収穫の成果は、これから秋口にかけて発揮されることになるはずだ。

以上

2010.09.06 Reported by 斉藤宏則
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/07/29(月) 00:00 ハイライト:岐阜vs鳥取【明治安田J3 第23節】