9月5日(日) 第90回天皇杯2回戦
びわこ 0 - 2 神戸 (19:01/ホームズ/1,752人)
得点者:63' 吉田 孝行(神戸)、70' 茂木 弘人(神戸)
チケット情報 |天皇杯特集
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ハーフタイムに響き渡った怒号と大ブーイング。前半は2カテゴリー下であるJFLに所属するMIOびわこ草津を相手に、神戸は全く良いところなく苦戦を強いられた。
「チャンスがあるとすれば、相手がまだゲームに集中していない立ち上がりの時間帯。そこで決めることができれば面白い試合になるだろう」。和田治雄監督がそう話をしていたびわこは、その狙い通りにチャンスを作った。6分に左サイドから尾上勇也が神戸DFとGKの間に鋭いボールを入れ、逆サイドから坂井優介が走り込んでゴールを脅かすと、続く8分には、斜めに前線に入ったボールにまたも坂井が反応し、宮本恒靖を一瞬の動きでかわしてシュート。神戸はGK徳重健太が何とかセーブしてこのピンチをしのいだが、いきなり立て続けにびわこに決定機を作られ、肝を冷やした。
その後も自分たちのペースでサッカーをしたのはびわこの方だった。後方から狙いのないロングボールを蹴り込むことしかできなかった神戸に対し、びわこは次々にセカンドボールを拾って攻撃。「ピッチ状態が良くなかったから、早く寄せれば奪えるんじゃないかと思って寄せたら、相手がミスをしてくれた」と安里晃一が振り返るように、冷静かつコンディションに合った戦いを見せたのはびわこだった。
神戸も18分にはポポのサイドチェンジを吉田孝行がワンタッチで折り返し、イ・ジェミンが飛び込んでチャンスを作りはしたが、全体的に見れば低調で、三浦俊也監督が「なぜこんなうまくいかないんだろうかと思いながら観ていた」と口にするほどの出来。中1日の格下相手に対して劣勢となった神戸は、田中英雄が果敢に動いて何とか打開しようと試みたが、チーム全体でその気持ちを共有できないまま時間だけが経過した。
そんな展開の中で、最も存在感を示したのはびわこのボランチ安里晃一だった。「ファーストプレーに成功して、そこからリズムに乗れた」という安里は、FWと中盤でボールが収まらなかった神戸から何度となくボールを奪い、シンプルに相手陣内へとボールを供給。神戸ユース出身で、「成長したところを見せられればと思ってプレーしていた。天皇杯でヴィッセルとやれるということで気持ちは強かった」とモチベーション高く臨んだ彼が見せた、迷いなく球際に寄せて力強くキープする姿はこの日の神戸の選手に見られないものだった。
前半に不甲斐ない戦いを見せた神戸がペースを掴んだのは、後半になってから。後半開始と同時に都倉賢に代えて茂木弘人を投入。これによって前線でボールが収まる場面が増え、徐々に流れを変えていった。ノーマークの状態でパスを相手に渡してしまうなど、後半もJ1を戦うチームらしくないプレーはあったが、63分に吉田のゴールでようやく先制すると、70分には茂木が一旦は防がれながらも逃さず押しこんで2点目。苦しみながらもこれで勝負を決めた。
びわこは66分に投入されたアランが奮闘し、72分にはペナルティエリア内でDF2人をかわしてシュートを放つなど惜しい場面を作ったが、「失点してから足が止まってしまった」(安里)ことが響き、ゴールネットを揺らすことはできないままタイムアップを迎えた。
この結果、「最低限のことはできた」(三浦監督)神戸が3回戦進出を決めた。しかし、この試合で印象に残ったのはびわこの気持ちのこもった奮戦だ。序盤から狙い通りに決定機を作り、「90分通して厳しい試合だった。もっとプロとの差を見せなきゃいけなかったのに、逆の結果でもおかしくないような試合をしてしまった」(吉田)、「内容的には低調なゲームだったと言わざるを得ない」(三浦監督)と言わせるまでにプロを追い込んだ戦いは予想以上のものだった。ジャイアントキリングこそならなかったが、「毎日仕事をしながら夜に練習をしているという中で、十分持っている力を出せた」(和田監督)、「みんなJFLの試合よりも気合いが入っていたし、神戸のコーチからも『お前たちの方が全員頑張ってやっていた』と言ってもらえた。これをJFLに生かしていきたい」(安里)と手応えを得ると同時に『MIOびわこ草津』というチームの存在を大いにアピールし、大会を後にした。
以上
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