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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs G大阪】プレビュー:ケガ人を抱えた両チームだが、攻撃的な哲学は不変。タイトルへのサバイバル対決第1ラウンドは、激闘必至(10.08.31)

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9月1日(水)ヤマザキナビスコカップ 広島 vs G大阪(19:00KICK OFF/広島ビ
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アルベルト・ザッケロー二氏の日本代表監督就任が話題となる中で、ヤマザキナビスコカップを控えたG大阪サポーターにとっては、ショッキングなニュースが飛び込んだ。絶対的な大黒柱=遠藤保仁が左ふくらはぎ痛で「当面、試合は難しい」と西野朗監督も語る。もっとも遠藤本人は出場に意欲を見せており、病院での検査を待って最終判断することになりそう。だが、故障でルーカスを欠き、加地亮も左太もも裏に慢性的な違和感を抱えている状況下にあるG大阪にとって、遠藤がもし離脱することになれば、その影響は計り知れない。だが、そういう状況下であっても、ペトロヴィッチ監督は「現在、日本最強チームの一つ。G大阪は組織的な攻撃ができる上に、個々のクオリティが高い。経験も豊富だ」と最大級の敬意を払う。

一方の広島も、ベストメンバーは組めない。長期離脱中の森崎和幸・盛田剛平の2人はまだ復帰まで時間が必要で、山岸智も明日の試合には間に合いそうにない。山形戦で見事な決勝弾をたたき込んだミキッチも、中3日で先発を担わせるには左足の状態に不安は残る。さらにブルガリア代表に招集されたストヤノフは、既に母国へと出発した。共に攻撃的なスタイルを掲げる両チームではあるが、明日の試合における選手のやりくりは厳しい。

ただ、ペトロヴィッチ監督は楽観的にこの状況を見つめている。「ストヤノフは昨年後半からずっと長期離脱していたし、彼の不在は慣れている。他にも重要な選手を欠いているが、我々は1年以上もベストメンバーを組めない状況だからね。むしろ全員が揃ってしまうと(選手起用に)私は困ってしまうかも(苦笑)」
ストヤノフ不在を埋めるのは、過去の実績からいっても中島浩司だ。2006年のヤマザキナビスコカップ決勝で出場停止となったストヤノフの穴を見事に埋め、千葉連覇の立役者となったのが中島であり、この補完関係は広島でも続いている。

ただ、ストヤノフ不在は「ボランチ中島」の不在も意味する。森崎浩司の位置を下げることも考えられるが、山形戦のPK奪取シーンに象徴されるように、彼に加えて佐藤寿人・高萩洋次郎がそろった前3人のコンビネーションは秀逸。2008年のJ2時代は56得点をたたき出したトリオは、今の広島にとって「最強のトライアングル」と言っていい。もちろん、古巣に対して闘志を燃やす山崎雅人を起用する方法もあるが、彼や李忠成、さらにミキッチをベンチに置いて闘えれば後半のリズムチェンジも望めるはずだ。しかし一方で、ボランチで緩急のリズムを創り、試合の全体像を俯瞰して試合をコントロールできる人材は、「森崎和・中島不在」の状況では、森崎浩司しかいない。ここに現状の広島が抱えるジレンマがある。

ホーム&アウェイで闘うこの決勝トーナメントで重要なのは「失点しないこと」とペトロヴィッチ監督は言う。アウェイゴールを与えずに勝点をとれば、万博での闘いは優位に働く。そういう意味では「まず守備から入る」という発想もあるだろう。ただ一方で、「我々は守備的な闘いはできないチーム。いつもどおりのサッカーをしようと、選手たちにも話した」と指揮官は決意を見せる。攻撃的に前に出れば、G大阪の鋭いカウンターをまともに受けることにもなりかねない。しかし、2006年のペトロヴィッチ監督就任以降、「リスクなくしてサッカーはできない」という哲学の下にチャレンジを繰り返してきた広島である。クラブ史上初のヤマザキナビスコカップ・ベスト4がかかった試合だからといって、その哲学を曲げることは考えられない。「誰が試合に出ても、同じスタイルのサッカーをやる」とは、槙野智章の口癖だ。

8月7日の対戦では、広島の右サイドを徹底してついたG大阪の戦術が功を奏し、後半の広島の反撃をしのいで2−0と勝利した。ただ、対広島戦の成績を見ると、ヤマザキナビスコカップでは2005年・2007年と敗戦を記録。天皇杯でも2007年の準決勝で敗れるなど、リーグ戦では2001年以来不敗記録を続けている相性の良さは、感じられない。広島は前回の対戦でG大阪の狙い所となった右サイドの守備も修正、最近2試合ではこのサイドから得点も生まれている。ベスト4の座を争うサバイバル対決の第一ラウンドは、厳しいチーム状況でも攻撃的なサッカー哲学を曲げない両チームが、互いの誇りをかけてぶつかり合う激闘となりそうだ。

以上

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2010.08.31 Reported by 中野和也
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