8月29日(日) 2010 J2リーグ戦 第24節
甲府 3 - 3 大分 (18:03/小瀬/13,058人)
得点者:1' ハーフナーマイク(甲府)、4' 高松大樹(大分)、29' 内山俊彦(甲府)、37' 柏好文(甲府)、44' オウンゴ−ル(大分)、59' キムボギョン(大分)
スカパー!再放送 Ch185 8/31(火)前08:00〜
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シュート13本で3ゴール。攻撃だけ見れば決定機を作り、3ゴールを決めているのだから満足すべき内容だったが、3失点して同点に追いつかれた後に4点目のチャンスを複数回作りながらもシュートがバーに当たったりGKと1対1の場面に打ち切れなかったりで、勝負をつけることが出来ず、終了後に甲府のサポーターが久しぶりのブーイングをするのは当然の内容だった。首位の柏も再開後に3戦連続で引き分けているのだから大騒ぎするほどのことはないのかもしれないが、昇格に対して不安な気持ちを持ってしまう内容だった。
今節はキャプテンでディフェンスリーダーの山本英臣が出場停止で柳川雅樹が開幕戦以来の先発だった甲府。2戦連続で2失点とカウンターに対する安定感を欠くディフェンスラインが安定感を取り戻すことを期待したが、山本が苦労していることが簡単に解決する訳ではないことを思い知らされた。開始58秒で大分ディフェンスのミスを突いてハーフナー マイクが先制ゴールを挙げたところまでは良かったが、4分に甲府のゴール前で守備陣が後手を踏んで崩され、満身創痍の高松大樹に同点ゴールを決められてしまう。ゴール前に人がいても後手を踏めば綺麗にやられる典型のゴールだった。
大分の森島康仁は「甲府のディフェンスラインはボールに食いついてくるからワンタッチが使えた」と言うように、新生・大分はゴール前でボールを持ちすぎたりしないで、積極的にワンタッチパスを使ってくるから甲府の守備は大分の選手を捕まえきれない場面が少なくなかった。ディフェンスラインの選手からは「前からのディフェンスが…」という理由付けの言葉もあったが、それほど前からのディフェンスがサボっていたようには思えなかった。ビデオで見直せば違う印象になるかも知れないが、ディフェンスラインが怖がってラインを下げていた印象が強い。これは柳川が悪いとか、ダニエルが悪いではなく、センターバックの意思の疎通が不十分な結果だと思う。これは山本がいるときでも同じで、2人が歩み寄ることがないように思える。大分の高松が「(甲府は)個は強いが組織で守れないことは分かっていた」と話したが、センターバックの選手が毎晩一緒に食事するか、いっそうのこと、山本と柳川か津田琢磨でセンターバックを組んでダニエルを攻撃的サイドバックにした方が安定するのではないだろうか。
大分のディフェンスラインも安定感では甲府と友達で、甲府の高さに対処仕切れていなかった。そのお陰で内山俊彦と柏好文のゴールが決まって甲府は3−1と主導権を取り戻した。柳川も徐々に積極性を発揮していったが、44分にペナルティエリアの少し外で与えたFKを決められてしまう。壁に当たってコースが変わって入ったゴールだったが、ゴールはゴール。1点差で後半を迎えることになるが、ハーフタイムの喫煙所では「点は取れるかもしれないけど、取られるかもしれない展開」という意見が大勢を占めていた。そして、後者が最初に優勢となり後半開始直後から大分のシュートがバーに当たったり、森島がGKと1対1になったりと、ノートに大分の攻撃をメモすることが増える。そして、59分にはプレゼントしたPKをキム ボギョンに決められてついに同点に追いつかれてしまう。同点になってから甲府サポーターは「戦え漢よ〜誇りを胸に持ち」とずっと歌い続けて背中を押し続けた。しかし、今ひとつコントロールされていない試合で、観る側が集中しにくい展開が続き、甲府の遅攻と大分の速攻が交互に繰り返される。甲府は88分に途中出場の小池悠貴が上手い繋ぎ役になって逆サイドのマラニョンがGKと1対1になったときは、「勝った」と思ったが、マラニョンの最後のトラップが大きくなって、下川誠吾の負傷で後半から出場した清水圭介に阻まれてしまった。久しぶりの先発を果したマラニョンは以前よりフィットしているがヒーローになり損ねた。記者席の後ろにある選手の家族らが座るファミリー席からは叫ぶようなポルトガル語が聞こえてきたが、きっとブラジルの国営放送では流せないような意味の言葉だろう。
大分はクラブとしてモチベーションを維持することが難しい状況にあるが、2点リードされても諦めずに戦い、同点に追いつけたことは大きな収穫。気の毒なことに2日後には中止になった第19節水戸戦をアウェイで戦うが、今の感覚で戦えば勝利できる可能性は高いはずだ。選手はポジティブで、ケガで昨年はコンディションが上がらなかった森島などは、運動量の多さを褒めると「走ることは基本中の基本だから苦にならない。去年はこのまま自分が(プロの世界から)消えてしまうのではと危機感を持った。今年はゴールを決めているマイク(ハーフナー)のプレーを意識している。同じことは出来ないけれど、スキルアップしたい。今日はチャンスに決め切れなかったことが悔しい、焦りがあった。まだ2点しかゴールを決めていないからもっと決めたい」と、森島の運動量不足に泣いた黒田和生(前滝川第二高校監督、現・神戸育成部長)やレヴィー クルピ(C大阪・監督)が聞いたら「よくぞ成長した」と言いそうなコメントを残した。コンディションがよさそうなので、森島はブレイクスルーするだろう。大分は柏、東京V、福岡、熊本との対戦が残っているのでどんどんゴールを決めて欲しい。
甲府は守備面の修正が急務だがその糸口はなかなか見えてこない。天皇杯を挟むので次のリーグ戦は9月12日(アウェイ鳥栖戦)なので、この期間にどう修正するのか内田一夫監督始めとするスタッフと選手の力量・意欲が問われることになる。
以上
2010.08.30 Reported by 松尾潤
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