8月29日(日) 2010 J2リーグ戦 第24節
愛媛 2 - 1 札幌 (19:04/ニンスタ/4,146人)
得点者:5' 古田寛幸(札幌)、23' 石井謙伍(愛媛)、50' 内田健太(愛媛)
スカパー!再放送 Ch185 8/30(月)後03:30〜
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5月22日のアウェイ・大分戦以来、10試合ぶりの勝利を手にした愛媛。ホームでは4月29日の福岡戦以来、およそ4ヶ月ぶりのこと。長いトンネルを抜け、ようやくニンジニアスタジアムに詰め掛けたサポーターに笑顔が戻った。前半5分、愛媛は判断を誤り先制点を与えてしまったが、きっちりと立て直して逆転。「非常に難しい立ち上がりになったが逆転できて、全体的にはよくやった」とバルバリッチ監督も振り返ったように、失点後の85分間はほぼ主導権を握り続け、貴重な勝点3を手繰り寄せた。
その一方で、札幌にとっては第22節の東京V戦に続く逆転負け。「前半は辛抱強く最悪でも1−0で、そして後半切り替えて戦えれば」とMF高木純平は肩を落としたが、得点の後は愛媛の勢いに飲み込まれてしまった。同点に追いつかれても、前線で起用された宮澤裕樹の高さを生かすことはできず、FW内村圭宏のスピードも見せ場は少なかった。チームとしても、前半33分にバーを叩いた上里一将のフリーキックや、後半開始直後の宮澤のシュートなど、チャンスを作る回数も少なかった。「ディフェンスラインとボランチが安定しなければ、なかなかいい試合はできない」と力なく試合を振り返った石崎信弘監督。常にラインを上げて、前からプレッシャーをかけた愛媛の守備とは対照的に、守備で後手に回ってしまったことが退場者を出してしまった要因にもなってしまった。
加えて、攻撃でも両者の積極性の差が勝敗を分けた。「今日は石井選手と2人で、セットで動けてチャンスを作れたと思う」と振り返った愛媛のFW内田健太。ツートップが互いの距離感を意識しつつ、石井謙伍は札幌守備陣の背後も狙い続けた。退場を誘ったのも、石井の突破。途中出場のジョジマールも得点こそ奪えなかったが、ボールを受けた後にすぐさま前を向き、貪欲にゴールを目指した。そして愛媛にとっては何よりも、その積極性が勝点3という結果に結びついたことが重要。「彼らにとっても自信につながると思う」とバルバリッチ監督も久々の勝利を喜んだが、内容を振り返っても気持ちよく次の天皇杯初戦(9/5熊本戦@熊本)に向かえる一戦となった。
3ヶ月、9試合勝利から遠ざかっていた愛媛だが、その間も自分たちのスタイルを変えることなく、貫き通してつかみ取った今節の勝利。結果が振るわなくとも我慢を続け、勝てない間の連敗も2度で踏み止まった。苦しみの中ながらもズルズルと落ちることなく、昨季とは違う成長の跡は既に見せている。しかし、今季は連勝も1度だけ。第24節を終え、6勝8分9敗で13位という今の立ち位置から、8位以内という目標を成し遂げるなら今度は勝ち続けることが必要になる。天皇杯をはさみ、第25節はアウェイ・岡山戦(9/12@カンスタ)。そして次回のホームゲームは9.19四国ダービー。そこで愛媛は開幕戦の借りを返し、そしてJでの対戦成績が五分となっているライバルに打ち勝ち、目標への足がかりとすることができるか。一発勝負の天皇杯同様、落とせない試合が愛媛を待っている。
以上
2010.08.30 Reported by 近藤義博
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