8月29日(日) 2010 J2リーグ戦 第24節
水戸 0 - 0 鳥栖 (18:04/Ksスタ/3,946人)
スカパー!再放送 Ch183 8/31(火)前09:30〜
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終わってみれば、結果が出ない両チームの苦悩が色濃く浮かび上がったゲームであった。90分通して見せ場は少なく、0対0のスコアレスドローは妥当と言える内容であった。ただ、その中でも試合後、鳥栖・松本育夫監督が「負けなくてよかった」と語り、水戸・木山隆之監督は「勝たないといけない内容だった」と唇を噛んだように、両チームの現状の中でポジティブな要素を見出すことができたのは水戸の方だった。
残り15分、水戸はなんとか1点を取ろうという気持ちをむき出しにして攻め込んだ。82分には左サイドを抜け出した遠藤敬佑からゴール前の吉原宏太に渡り、最後は常盤聡がシュートを放つものの、GKの好セーブに遭い、終了間際にはこの日切れ味抜群だった島田祐輝がカウンターからドリブル突破を見せたが、ファウルで食い止められてしまう。最後の最後まで鳥栖ゴールを脅かしながらもゴールを割ることはできず。試合はスコアレスドローに終わった。ただ、「このスタンスで続けて行きたい」と作田裕次が語ったように、選手たちは前節0対5という大敗を喫したショックを払しょくし、自信を取り戻しつつある様子。再び前を向いて歩みを進めようという意識を水戸の選手たちはピッチ上でしっかりと見せていた。水戸にとって価値ある勝ち点1と言っていいだろう。
水戸が立ちあがることができたのは、「やることを割り切った」(村田翔)ことが大きい。「攻撃と守備の役割分担を明確にする」(木山監督)ために4−4−2から4−3−3に変更。攻撃は前の5人にまかせ、守備は後ろの5人が担う。サイドバックの攻撃参加はほとんどなく、サイド攻撃はサイドFWが担った。シンプルな役割分担により、選手たちのやることが整理されたため、個の能力が発揮されるようになった。最も輝きを放ったのはプロ入り初先発となった島田祐輝だ。左ウイングとして鋭いドリブル突破を見せ、チャンスを演出。彼のスピードに乗ったドリブルは鳥栖DFに脅威を与えていた。水戸は3トップを生かすために序盤から徹底的にロングボールを蹴り込み、鳥栖陣内へと押し込んでいった。
それにより、中盤で主導権を握りたかった鳥栖は後手に回ることとなった。「水戸の長いボールを前線に入れるサッカーに対処できなかった」と松本監督が振り返ったように、プレスをかけようとしてもボールは頭上を越えて行くばかりでペースをつかむことができず。常に攻撃の開始位置が低いため、ポゼッションして攻めようという姿勢を見せても水戸のプレスに遭い、ミスを連発するというもどかしい展開を強いられた。
「もっと点を取る姿勢を前半から出さないといけなかった」と藤田直之は語った。徹底的に縦にボールを入れてくる水戸に対し、鳥栖はサイドへの展開にこだわりすぎたと言えるだろう。ボール保持率は鳥栖の方が高かったが、水戸の守備に脅威を与えるような攻撃を繰り出すことができなかった。そこに6試合勝利から見放されている原因があるようだ。あまりにも自分たちの形に固執するあまり、最大の目的であるゴールを忘れてしまっているように思われる。「前線にMFが入って行けない」と松本監督が分析するように1トップシステムである限り、どうしてもゴール前の人数が足りない。それを補う動きを見せない限り、現状を打破することはできないだろう。さらなるハードワークと、さらなるゴールへの意識を。そこにこだわることができなければ、昇格争いは遠のくばかりだ。
水戸も決して前進したわけではない。水戸が見せたのは中断期間から取り組んでいるパスサッカーではなく、リスク回避のロングボール主体のサッカーであった。能動的に展開するシーンや、攻撃を組み立てるシーンをほとんど見ることができなかった。前への推進力を出すことはできたものの、意図的に攻撃の形を作っているわけではないため、ゴールに直結するプレーがあまりにも少なかった。この試合は前節の大敗のショックから抜けだすことを主眼に置いた戦いであり、致し方ないところだが、あくまで中断期間前の状態に戻ったに過ぎない。いわば、『原点回帰』である。水戸が目指すサッカーはまだまだこんなものではないはず。フラットな状態に戻った今、中2日で迫る大分戦では、自分たちが標榜するサッカーにトライする姿勢を見せてもらいたい。
以上
2010.08.30 Reported by 佐藤拓也
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