8月29日(日)J1 第21節 横浜FM vs 新潟(18:00KICK OFF/日産ス)
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3勝1敗――。両チームの8月のこれまでの成績である。お互い奇しくもモンテディオ山形に敗れている点も同じだが、「3勝」の内容は正反対と言えるだろう。
まず横浜F・マリノス。アウェイで3連勝を飾っているが、どれも1点差の苦しいゲームを演じる。「追加点を奪えないのが課題」(松田直樹)であることは明白だ。先制点を奪うものの後が続かず、「後半20分過ぎから押し込まれる」(中澤佑二)というのが、ここ数試合のパターン。それでも守備力の高さで、しぶとく勝ってきた。
片やアルビレックス新潟は、アタッカー陣が右肩上がり。ここ2戦は地元で清水エスパルスを4−1、川崎フロンターレを2−1と、攻撃力でねじ伏せた。特に絶好調なのが、韓国代表デビューを飾ったチョヨンチョル。2戦連続2得点を記録中で、得点力の向上が目覚ましい。
だが、新潟は矢野貴章が突如、チームを離脱。ブンデスリーガのSCフライブルクとの移籍交渉のため、26日にドイツへ飛んだ。彼が抜けた穴は決して小さくないだろう。今季も彼は献身的な「走り」で貢献。前回の両チームの対戦(2−1で新潟が逆転勝利)の際にも、矢野がカウンターの急先鋒となっていた。そしてチョヨンチョルの同点ゴールは彼のパスから生まれたもの。また、守備では相手を執拗に追い回し、チームを勢いづけていた。攻撃陣に好選手が多い新潟だが、彼と同じタイプの選手は見当たらない。その穴をどう補完するかが、注目される。
逆に横浜FMにとって矢野の離脱は、プラス材料。相手DFの裏に抜け出すパスの受け手が、チョヨンチョルだけになるからだ。矢野の代役として先発が予想される大島秀夫は、ゴール前で構えて待つタイプ。また、大島は08年まで同僚だっただけにプレーの特徴は把握済み。よって、まずはチョヨンチョルの動き出しを重点的にケアすればいい。
チョヨンチョルを抑えるには、マルシオ・リシャルデスとミシェウを自由にプレーさせないことも大事。新潟の前節・川崎F戦で奪ったチョヨンチョルの2得点も、ミシェウのスルーパスが生んでいる。小椋祥平と松田のボランチが相手のW司令塔を潰せるかがポイントになるに違いない。小椋自身も「2人の調子を上げさせなければ、新潟の攻撃は機能しないはず」と分析する。
両チームのゲームプランも見もの。新潟のスカウティングは、前記のように横浜FMが後半に運動量が落ちることを把握しているはず。それを踏まえて、「後半勝負」の戦い方で臨む可能性があるだろう。
一方、横浜FMは前節、京都サンガF. C.戦の前半で久しぶりに、人とボールがよく動くパスワークを見せたが、後半に息切れした。その反省を、どう生かすかが重要である。
「しっかり守ってから“ちゃぶる”ようにしたい」と言うのは松田。要は守りから入り、攻撃の“仕掛け時”を見極めることに主眼を置く。それは夏場のゲームで省エネにも繋がる。ホーム2連敗中の横浜FM。同じ過ちを繰り返さないためにも、先制点を許さないのはもちろん、効率良い攻撃が求められる。
以上
2010.08.28 Reported by 小林智明(インサイド)
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