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【J1:第21節 広島 vs 山形】プレビュー:アプローチは対照的でも、共にコンセプトは一貫。名将同士の対決を制し、上位進出のきっかけをつかむのはどっちだ。(10.08.27)

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8月28日(土)J1 第21節 広島 vs 山形(19:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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「私は、山形のことは、よく知っている」
広島・ペトロヴィッチ監督の言葉である。
「J2時代から、山形とは何度も闘ってきた。彼らのやろうとしている戦術も、よく理解している。時には10人でブロックをつくって守ってくるチームで、非常にやりづらい。彼らと闘うには、とにかく我慢だ。そして球際を力強く闘い、セカンドボールを自分たちのものとすることだ」

F東京戦の試合後、彼が「山形のシステムを数字で表現すれば、10-0-0だ」と強い言葉で表現したことが、少なからず話題を呼んでいる。ただ、言葉の表現がどうであれ、ペトロヴィッチ監督が山形というチームをリスペクトしていることは、間違いない。

もちろんチームづくりのアプローチは、全く違う。全てを攻撃優先で組み立てる広島の指揮官に対し、山形の知将・小林伸二監督は守備から一つ一つ丹念に積み上げていくスタイル。その違いはあるにせよ、攻守ともに個人に頼るのではなく組織としてのサッカーを構築しようという姿勢は、両者とも変わらない。実際、「ペトロヴィッチ監督vs小林監督」の戦績を見てみると、広島の4勝2敗。広島がボールを支配して山形がカウンターを狙う図式は一貫しているが、一方的な内容になることはまずない。4点差がついた2008年9月14日の試合も前半は拮抗した内容で展開し、後半早々に山形のFW長谷川悠が放った決定的シュートが決まっていれば、試合はどちらに転んだかわからなかった。「F東京戦とはまた性格が違った意味で、厳しい試合になる」とペトロヴィッチ監督が厳しい表情で語るのも、これまでの対戦史から考えれば無理もない。

今季第5節での激突は、広島の方にACLの長距離移動による疲労が影響したこともあるが、一方でそこまでの4試合で未勝利に終わっていた山形の気迫も強烈。シュート数で16対8と広島を完全に上回り、狙い通りのサイドアタックから田代有三が得点を決め、今季初勝利を飾った。ただ、それでも後半は広島が決定機・シュートの数両面で上回り、「決して悪い試合ではなかった」とペトロヴィッチ監督も評価する闘いも、広島は見せている。つまり、この時もやはり「拮抗」していたわけで、今節もやはり両チームにとって厳しい闘いが待っていると考えてよさそうだ。

あれから4ヶ月半。チーム状態は、それぞれ変わっている。広島は相変わらずケガ人に苦しんでいるが、それでもストヤノフや青山敏弘、高萩洋次郎の状態は好転し、ミキッチも山形戦からメンバーに復帰する模様。横竹翔や丸谷拓也ら若手の成長にも指揮官は手応えを感じており、川崎F戦後に「右肩下がり」と自らが称したチーム状態も「いい状況に変わりつつある」と変化を口にした。

一方の山形も、前節欠場したGK清水健太とDF前田和哉もチーム練習に合流。負傷に苦しんできたFW田代やDF西河翔吾も前節からチームに復帰しており、状況は上向き。連勝こそ3で止まったものの、現在418分間連続無失点記録を継続中だ。「しっかりと守れるし、攻めにかかれば後ろからどんどん追い越して、フィニッシュまでやりきる。アグレッシブないいチームだと思う」と中島浩司は山形の良さを指摘し、また佐藤寿人も「マイボールになっても簡単に蹴るのではなく、しっかりとつないで攻めてくる。何よりチームとして頑張れるのが山形だ」と警戒心を明確に表明する。

その山形の攻撃は多くの場合、「センター・フォワードにクサビが入ったところから起点となる」とペトロヴィッチ監督は見る。このポジションには川崎F戦より6試合連続で長谷川悠が入っているが、前半戦に活躍した田代がケガから復帰したことで、このポジションに誰が入るか流動的になった。「長谷川は運動量が豊富だし、田代は1対1に強く、仕掛けもできる選手。どちらが出てきてもイヤなタイプだ」と広島の指揮官は分析した。

開幕当初、小林監督はこの両選手の並立を模索していたが、その後長谷川が負傷離脱。リーグ再開直後に今度は田代が負傷と、なかなか2人がいい状態で揃わない。今の3トップシステムを堅持し、田代と長谷川どちらかを先発で選択するか。それとも2トップに変更し、広島を高さで崩す戦術に出るのか。策士として知られる小林監督の頭脳には、今、どんなプランが構築されているのだろう。

9位と10位との対戦とはいえ、3位鹿島と9位広島との勝点差は7で、10位山形との差は8。昨年の同時期、G大阪が5ポイント差をひっくり返してACL出場権を獲得したことを考えれば、両チームとも1ポイントではなく3ポイントがほしいはず。2008年、J2で激闘を繰り返して以来続く「ペトロヴィッチvs小林伸二」の闘いは、ACL挑戦権にアプローチするためのサバイバル決戦とも言えるだろう。

以上

2010.08.27 Reported by 中野和也
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