8月26日に行われた大学生との練習試合に、東京Vジュニアユース所属の高木大輔選手(14歳)、菅嶋弘希選手(15歳)が出場しました。
大学生相手でも、決して劣らない高い技術や思い切ったプレーぶりは、とても中学3年生とは思えないほどでした。「おもしろい!」と川勝良一監督が満足気に笑顔を見せれば、自分の出場を終えて周りで見ていた主力組の選手たちも大絶賛。ヴェルディの下部組織出身の飯尾一慶選手は「スゴイ! とにかく落ち着いているし、体も大きいし、ビックリ」と、話していました。
観に来ていたサポーターもきっと、彼らが将来トップチームで活躍する日を思い、頼もしく感じたに違いありません。
「自分の持ち味は出せた」と言う高木・菅嶋両選手のポテンシャルの高さはもちろんですが、さらに言えるのが、いきなり中学生が入っても、彼らが戸惑うことなく、やるサッカーが全く変わらないということ。これは、東京Vのサッカーが下部組織から一貫しているということの証明なのではないでしょうか。
すでにトップチームの貴重な戦力となっているユース所属の高木善朗選手(高校3年生)や、前節の熊本戦でJデビュー、初ゴールを決めた南秀仁選手(高校2年生)など、「若い選手は良い選手が本当に多い。これからもどんどん出てくると思う」と、飯尾選手は下からの突き上げを素直に喜んでいます。だからこそ、一方では「あとは、その先きちんとプロとして通用できる選手に成長するかが問題」と、生え抜き選手の先輩として、プロで生き抜いていくことの厳しさも口にしていました。
また、冨樫剛一トップチームコーチも、「初日は、ある程度通用して当然と言えば当然。でも、問題はこの先です。トップの中でプレーして、今日と同じようにやり続けられるかと言えば、それは無理でしょう。でも、それが大切なんです。通用しなくなった時、今、自分に何が足りなくて、“プロ”になるためには、どこをどう強化しなければならないのかを、身をもって知る体験ができることが重要です。そして、彼らが自分のチームに戻り、プロのレベルはどのぐらいかを伝えることで、周りのジュニアユースの選手たちにも実感してもらえるのも、非常に大切なことだと思います」と語っていました。
さらに、この試合には、数名のユース所属選手が出場していたこともあり、ユースチームの選手たちもピッチの周りでじっくりと見守っていました。チームメイトのプレーぶりを通し、自分がこの中に入ったらどのようにプレーし、どこまで通用するのだろうかと、想像を巡らせたに違いありません。それもまた、彼らのモチベーションを上げる重要な要素となるのではないでしょうか。
これらを考えると、改めて、同じ敷地内で全てのカテゴリーがプレーできる環境のメリットと、「中学生を、何のためらいもなく呼んで使ってしまえる川勝監督の懐の大きさはハンパじゃない」という冨樫コーチの言葉を感じずにはいられませんでした。
ところで、高木大輔選手は、トップチームの高木俊幸選手、ユース所属の高木善朗選手の弟です。兄2人と同じフィールドに立つことは「正直、やりづらいです。同じレベルで見られる分、周りにどう見られているのか気になってしまって…でも、これから先もずっとついて回るものだから、これが山場かなと思う。トップでやる時のためには、今からそういうプレッシャーにも慣れておいたほうがいいので、これも良いトレーニングになっていると思います」とのことでした。
大輔選手によると、「1番上(俊幸選手)は、3人の中で一番ボールを持ちたがる。2番目(善朗選手)は、持ちながらも周りを見てパスを出すか判断し、選択できる。僕は、裏に抜けてスルーパスを受けてシュートを打ったり、足の速さを活かしてどんな形でも点を取れる選手になりたい」というのが、兄弟3人のプレースタイルの違いだそうです。逆に、3人の共通点は「イヤってぐらい、とにかく全員負けず嫌い」。
「2、3年後には、高木3兄弟で東京Vの3トップやってるかもしれませんね」と飯尾選手。そんな楽しみも、十分期待できそうです。
●高木大輔選手コメント
「持ち味は出せたと思います。シュートにも行けたし、体の当たりも負けた回数は少なかった。ただ、最初に飛ばし過ぎてしまって、体力の消耗が早かった。体力が大きな課題だと思います。兄たちと同じ場所でプレーできましたが、まだ実力では追いついてはいない。プレーの質を上げて、人に頼るのではなく、自分から引っ張っていけるようになりたい。早く追いつきたいです。
今日でトップチームに入ってプレーするのは2回目だったのですが、先輩たちもすごく話しかけてくれて、緊張感なく積極的にプレーできました。(話しかけてもらえたのは)兄たちのおかげかな(笑)。
将来は、点を取ることでチームを引っ張れるFWになりたいです。1チャンスで決められる決定力、勝負強さを磨き続けたい。やはり、FWは結果がすべて。点を取って結果を残すことでしか評価されないと思います。プレー内容よりも、とにかく“点を取ること”に貪欲で、一直線な選手を目指しています。
僕にはまだ、何か1つだけ飛び抜けている特長がないので、もっと努力して、自分だけの特長を作りたいと思います」
●菅嶋弘希選手コメント
「レベルが高く、フィジカル面が全然ダメだなと感じました。点を取れる場面もあったのですが、決められなかった。ああいう場面でしっかり決められなければいけない。
入る前、ただ『思い切りやれ』と言ってもらったので、わりと緊張しないでやれたと思います。周りがうまかったので、僕が動き出したところに良いパスを出してくれて、すごくやりやすかったです。ただ、最後は体力的に落ちてしまったので、そこが課題です。
僕は、小学4年生のスクール時代から、ずっとヴェルディで育ってきました。将来は、トップで活躍して、ここまで育ててくれたコーチに恩返しするのが夢です」
以上
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