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【J1:第20節 京都 vs 横浜FM】レポート:真夏の消耗戦は横浜FMが制す。敗れた京都も、課題が整理されてきており、次節以降の期待を持たせるものに。(10.08.22)

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8月21日(土) 2010 J1リーグ戦 第20節
京都 1 - 2 横浜FM (19:04/西京極/13,963人)
得点者:21' オウンゴ−ル(横浜FM)、64' 中村太亮(京都)、90' 河合竜二(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch185 8/23(月)前05:00〜
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京都と横浜FMの消耗戦は、終了間際に横浜FMが勝負所を押さえ、勝利を収めた。
試合序盤から主導権を握ったのは横浜FM。右サイドの天野貴史を軸にしつつ、中村俊輔と兵藤慎剛がポジションを入れ替え、小椋祥平、松田直樹が絡みと、ダイレクトパスを織り交ぜながら、圧力をかけた。

そして21分。その右サイドでのパス回しの中で、右サイドに浮いていた松田がエリアに侵入すると、そこに小椋からパスが入り、中央へ早いグラウンダーのクロスを入れると、京都守備陣がスライディング。これがオウンゴールとなり横浜FMが先制する。
オウンゴールとなったが、中央には坂田大輔も詰めており、京都としてはやむを得ない失点となるだろう。
その後も横浜FMが主導権を握るが、京都も32分にFKからドゥトラが頭で合わせて見せ場を作る。

横浜FMのリズムだった試合が後半、京都が前から積極的にプレスに行く様になると状況を変える。51分に横浜FMは、CKのこぼれから、右からのクロスを中澤佑二が頭で折り返し決定機を作ったのを最後に防戦となる。
攻勢を続ける京都の攻撃が実を結んだのは64分。右サイドのドゥトラから中央、後半から入った柳沢敦をスルーしてディエゴへ。ディエゴが落とすと中山博貴。中山がダイレクトで左にはたくと、そこには中村太亮。これを中村太亮が左足で豪快に決め、京都が同点とする。
73分にも裏へ抜けだした渡邉大剛のニアに合わせる早いクロスに柳沢が飛び込む決定機も出て、京都が横浜FMを追い込む。

しかし、足が止まり始める試合終了間際の90分、横浜FMは、右サイドで途中出場の河合竜二が、前方の同じく途中出場の山瀬功治へ送ると前へ走り出し、山瀬からのリターンをもらうと、右足で豪快に決め、追加点を挙げる。
これが決勝点となり、結局2−1で横浜FMが勝利を収めた。

試合後、木村和司監督は、決勝点を決めた河合も含め、「体が動けば、頭と体があれば、やっぱりいいサッカーができますよ」とコメントした。
京都とすれば、前から追いかけるサッカー、そして、中2日での連戦の疲労が終盤に出たのではないか。後半34分にも、横浜FMに森下俊のサイドからマイナスのクロスが入り、中村俊輔がスルーして決定機になりそうな場面があったが、守備に戻っていた中山博貴がカットした。しかし、決勝点の河合には誰も中盤は戻ることができていなかった。水本裕貴の寄せが甘かったという点もあるだろうが、そうした判断も含め、本当に、最後の最後に踏ん張りが効かなかった様にも見えた。

京都が、前半、ボールを回された点について。
2008年シーズンの17節で鹿島と対戦した時に、2列目の本山雅志が裏に走り込み、そこにパスが通りシュートまで持ち込まれた場面があった。本山と鹿島の判断の見事さが印象的なシーンだった。加藤久前監督に、「ゾーンディフェンスではああいったた走り回る選手の動きを捕まえ切れないので守り切れないのでは?」と聞いたことがある。
その時、加藤前監督は、「ゾーンディフェンスは、人につくのではなくボールに行くディフェンスだ」という内容の解説をして下さった。つまり、守備者は互いに距離感を保ち、素早くボールに行く。そして、そのボールを抑えるので、相手の攻撃陣がどれだけ動き回ろうと関係ない、ということになる。
今節にあてはめるならば、松田と小椋、又は中澤などの出所のボールに行くということになるだろう。そこのボールをコントロールできれば、前線の坂田、中村、兵藤、渡邉千真がどれだけ動こうと、ボールを抑えているので無力化できる、ということになるだろう。秋田監督が言っていた「ボールを奪う時の体勢を良くする」ことを目指すなら、前線の選手がもっと相手ボールをコントロールし、そこから出るパス、具体的に書くと、中盤、又は最終ライン守備者の守備エリアに入ってくるボール、を奪う方が確率は上がるのではないだろうか。
金成勇が試合後「攻撃を遅らせる」ための前線の守備であると口にし、後半の柳沢、ディエゴの守備を見ても、ボールをコントロールするためプレスに行こうという意図は感じられなかったので、秋田監督からは、加藤前監督が言っていた「ボールをコントロールする」というよりも、違う視点でのゾーンディフェンスの指示があったのだろう。
この辺りの戦術については一切漏れ聞くことはできないので、推測の域を出ない。

そして、左サイドの中村太亮のフォーメーションに対する理解力が上がっていた様に見えた。中村俊輔が中に入り、天野にスペースを作ろうとすると、中村太亮はボランチに指示を出し、自分は左サイドにとどまることで、天野の攻撃参加をある程度牽制したように見えたからだ。
ただ、なぜ、自分が左サイドに、しかもサイドバックではなくそれよりも高い位置にとどまるのか、というフォーメーションに対する咀嚼力をもう少し上げても良いのではとも感じさせた。
高い位置を保ち、天野を「自分の守備エリアに捉えられるのなら」、天野へのケアは中村太亮である。それならば、前線の金成勇やディエゴへは天野を見ずにさらに前へ積極的にボールに行かせるべきだったのではないか。中村太が天野を見て、金成勇が松田に対してボールをコントロールできれば、そこからこぼれてくるパスを中盤や最終ラインが前を向いて奪うことができるのではないか。或いは、バックパスをさせて攻撃のリズムを断つことができたのではないか。
左サイドで高い位置を保てるとどんな有利なことがあるのか、逆にどんな危険をはらむことになるのか、さらに、どんどんボールにコントロールに行ってかわされる場合というのはどんなことが要因になるのか、というフォーメーション理解の咀嚼力、中村太だけではなく選手全員に必要だろう。他にも、なぜ、秋田監督は毎試合、前線3枚で試合をスタートさせるのか? その強みと弱みは何か? 選手全員で考えてみても良いのではないか。
気になったのは、京都が前半の修正をして積極的に出て、後半ゲームを支配したこと。18節のC大阪戦と逆の展開になったことだ。前半の修正、積極性の増幅という点で共通項はある、と感じさせてくれた。ゲームは90分で、ハーフタイムでの切り替えが重要なのだと改めて感じさせてくれた。たら、れば、であるが、あのオウンゴールを防ぎ、後半、怒涛の攻撃に切り替えていたらどうなっていたか、と考えてしまう。
後半の積極性で気になる点は、バイタルが空くという点か。1点を追いかける、勝負をかける、という点で仕方のない部分もあるが、ボランチの攻撃意識が強くなりバイタルへの警戒度が薄くなる瞬間もあった様に感じさせ、そこに、ボールの取られ方が悪く速攻を仕掛けられる場面もあった様に見えた。バランス、という点ではまだ改善点、意識する点は残っているのではないか。
とはいえ、同点のシーンを振りかると、中山博貴もあれだけディエゴに近く、ボールに絡んでいくことで生まれたので、攻撃への積極性がないと得点は生まれないのだな、とも感じさせた。

試合を重ねるごとに色々と課題が整理されているとは感じさせてくれる。次節名古屋戦、ここで秋田監督の初勝利を、と期待したい。

以上

2010.08.22 Reported by 武田賢宗
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