8月15日(日) 2010 J2リーグ戦 第22節
東京V 2 - 1 札幌 (19:33/国立/7,405人)
得点者:10' 内村圭宏(札幌)、13' 菊岡拓朗(東京V)、84' 平本一樹(東京V)
スカパー!再放送 Ch185 8/16(月)後03:00〜
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「いや〜、楽しい試合でした」「面白かったね」「強いね」・・・etc
試合後の国立競技場では、来賓、VIP招待客、関係者、サポーターはじめ、東京Vを応援に来た人々のそんな声と笑顔が飛び交っていた。
今季初の逆転勝利&3連勝、シュート数18本対3本、10試合ぶりの複数得点と、結果・内容とも充実したゲームを披露した東京Vは、観客を魅了した。
だが、スタートは予想外の展開からだった。
前半10分、「日頃の練習でできていることが形になった」(内村圭宏)という、砂川誠からの一本に抜け出した内村のゴールで、あっさりと先制されてしまう。
東京Vが先制されたのは、6月6日第16節vs大分戦以来、約2ヶ月弱ぶり。6試合ぶりに訪れたビハインドの状況に、「焦りはありました。ここ最近失点していなかったですし、正直、苦手な展開だともわかっているので」(平本一樹)。
平本によぎった不安を、たちまち払拭してくれたのが、3分後の菊岡拓朗の同点弾だった。高木善朗のシュートをGKがこぼしたところに詰め、押し込んだ。
失点してすぐに追いついたのが大きかったと、東京Vの選手全員が口にしていた。
このゴールを機に、東京Vは一気にスイッチが入った。
いつものように全員がよく動き、次々とパスをつなぎ、ポゼッションする時間が明らかに札幌を上回るようになる。
前線にボールが入ると、高い技術とコンビネーションで何度もゴールに迫った。
攻撃の意図は明確だった。
「相手の中央に人が多く、サイドからの攻めを考えていました」と話した通り、柴崎晃誠は広い視野で出し所を図り、左右両サイドにボールを散らした。そして、自らも前線へと顔を出して、攻撃に厚みを加えていた。柏戦同様、この試合でも、柴崎晃の能力の高さがより活きていたのではないだろうか。
結果として、菊岡のゴールを生んだ高木善のシュートも右サイドからだった。そして、決勝点となった後半38分の平本一樹の得点も、左サイドから。「2点とも、プラン通りのサイドからの得点で、良かった」意図が結実しての2ゴールに、柴崎晃は笑顔を見せた。
また、柴崎晃とボランチでコンビを組む佐伯直哉も、非常に貢献度は高いと言えよう。
攻撃時、佐伯は最終ラインに入ってしっかりとDFをカバー。両サイドバックを高く上げさせ、積極的に攻撃に加わるように促したことが、有効なサイド攻撃を何度も生んだのではないだろうか。
また、中盤でも、札幌の狙ってきた中央を通す内村、岡本賢明らへのスルーパスをことごとくカットし、ピンチの芽を摘んでいた。
チーム全体としても、収穫の多いゲームとなったに違いない。
試合前、「絶対に2点目を取る、という強い気持ちを全員が持てれば」と、飯尾一慶が話していたが、シュート数18本は、その十分な証拠だろう。特に、18本中12本が、飯尾、高木善、平本という攻撃の選手であることも、今後へ向け頼もしい限りだ。
中でも、出場停止の河野広貴に代わってトップ下で先発した高木善。「前は、足を引っ張らないようにと思ってプレーしてたけど、今は、自分がチームを引っ張りたい」その思いで放った積極的シュートが、価値ある先制ゴールを生んだと言えよう。
さらに、得点に直接絡んだ顔ぶれをみると、1点目が福田、高木善、菊岡。2点目で吉田、高木俊幸、平本と、全員違う。それだけ、多くの選手が攻撃に関わっているという、チーム状況をも表しているのではないだろうか。
恐らく、点に絡んだ選手は、より気分良くオフを過ごすことができるはずだ。充実したオフを過ごせた選手が多ければ多いほど、また再開後から集中力の高いトレーニングができるに違いない。チーム全体にとっても、大きなプラスだろう。
「この試合で負けたら、甲府、柏に勝った意味がなくなっちゃうところだった」平本が語るように、東京Vにとっては、実に価値ある快勝となった。
一方札幌にとっては、「課題の残るゲームとなりました」(宮澤裕樹)。
幸先良く先制したものの、その後は東京Vの鮮やかなパスワークに翻弄され、走らされる一方で、ほとんどボールに触ることができなかった。
後半頭から、近藤祐介を入れ3-5-2へとシステム変更するが、大きな効果は得られない。それでも、上里一将が入ってボールが落ち着くようになり、何度か良い形でボールが動く場面もあったが、「あまりにもイージーなミス、プレーの遅さ、あるいは判断の遅さというところが出て、もう一ぺん相手に渡してしまって、DFをしなければいけないという、まったく悪循環になってしまった」石崎信弘監督は、イージーミスの多さを敗戦の原因に挙げた。
会見の席で、東京Vの川勝良一監督が、「90分間攻守にわたってミスとかも少なかった」と述べているのと比較しても、この試合の勝敗は決していたと言えるのかもしれない。
文字通りの『完敗』に試合後、札幌サポーターからは大きな怒号の声が飛んだ。
だが、「まだ終わったわけじゃない。厳しくても応援してくれるサポーターのために、次も点を取って、勝ちたい」と、内村は前を向いた。
川勝監督も東京Vの選手たちも、開幕当初から言うことは一貫して「続けること」。
勝てなかった時期も今も、まったく変わりはない。
札幌にも同じことが言えるだろう。
「続けること」。それが全てだ。
以上
2010.08.16 Reported by 上岡真里江
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