8月15日(日) 2010 J2リーグ戦 第22節
富山 1 - 2 草津 (18:04/富山/3,767人)
得点者:72' 舩津徹也(富山)、77' 御厨貴文(草津)、90'+2 ラフィーニャ(草津)
スカパー!再放送 Ch183 8/16(月)後11:30〜
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前半は富山、後半は草津が優位に進めたゲームだった。終盤に動いたスコアも1−1でロスタイムに突入したが、最後は草津のFWラフィーニャがFKを直接ゴールに突き刺して決着がついた。両チームの現在の勢いを象徴するような結末となり、草津は前節に続く逆転勝利で今季初の3連勝、7戦負けなしで16位から13位にジャンプアップした。
草津は出場停止でMF松下裕樹と高田保則を欠き、「この苦しい状況で勝点3を取ることができるかどうかでチーム力が問われる」(鳥居塚伸人ヘッドコーチ)と位置付けていた。望んでいた勝利を劇的な形で手にし、選手たちは口ぐちに「自信になる」と笑みを浮かべた。MF櫻田和樹は「セットプレーを生かして逆転でき、このような勝ち方も今までなかった。自分としても、これまではマツさん(松下)に頼っていたので自信になる」と語った。
対する富山は今季6度目の逆転負け。2失点はいずれも、試合運びにおいて重要な「時間帯」に、「セットプレー」で決められてしまった。楚輪博監督は「リーグ戦が中断していた5週前までチームが反省点として挙げていたところで失点した。課題が課題として残ってしまった」と残念がった。
富山も前節から先発を3人変え、MFに渡辺誠と上園和明が入った。前半は2人と周囲が連係し、流動的にポジションをとりながら丁寧にパスをつなぐことで中盤が厚くなり、数多くチャンスを作り出した。FW木本敬介やMF朝日大輔がスペースに走り込んでゴールに迫り、同27分にMF長山一也のラストパスに朝日が合わせる。同37分にはDF谷田悠介のスルーパスを受けた木本が左から狙うがゴールポストに弾かれた。同39分のFW黒部光昭が体を反転させて放ったシュートもサイドネットへ。得点を挙げられずに折り返した。
草津は中盤に菊池大介と、松下に代わるボランチに西澤代志也が浦和からの移籍後初先発で起用された。副島博志監督は「攻守の連動で若干のずれが出ても我慢し、後半に勝負」という展開を思い描いていたという。後半、劣勢だった中盤を「ピッチの幅を使い、しっかりボールを動かす」(鳥居塚ヘッドコーチ)という意識で立て直し、逆に押し込んだ。同6分にMF熊林親吾のFK、同13分には西澤のミドルシュートが際どくゴールを襲った。
富山がワンチャンスをものにし、同27分、交代出場したMF舩津徹也が上園のCKに頭から飛び込んで先制。しかし、草津には「1点ぐらいなら大丈夫。取り返せる」(櫻田)との雰囲気があったという。5分後、CKのこぼれ球をDF御厨貴文が押し込んで試合を振り出しに戻した。そしてロスタイム。ゴールに向かってやや左寄り約20m地点で得たFKをラフィーニャが壁をかすめるような直線的な軌道でファーサイドに決めた。
直後に富山も相手ゴール前でFKを得た。谷田のキックをGK常澤聡がセーブしたが、相手のファウルで蹴り直しとなり、今度は木本が狙ったがゴール右上に外れた。2分と掲示されたロスタイムの攻防は約7分にも及び、激高した草津の副島監督は試合終了後に退席処分となった。草津は次節、DF御厨も累積警告で出場停止となる。再びチームの総合力が試される。
富山はリーグ再開後初めての連敗。目標とする8位との勝点差は今季最大の12まで開いた。楚輪監督は「前を向いて今のサッカーを継続していく。これ以上のモチベーションや気持ちを求めるよりも、プレーの精度や技術、戦術を追求していきたい」。地道に積み重ねるのが富山流。昨季に続いてJ2で唯一、リーグ戦途中での選手補強を行っていない。稲の穂が出て季節は初秋に向かっていく。チームとしての成長を結果で示していきたい。
以上
2010.08.16 Reported by 赤壁逸朗
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