8月15日(日) 2010 J1リーグ戦 第18節
京都 0 - 1 C大阪 (18:03/西京極/10,849人)
得点者:81' 家長昭博(C大阪)
スカパー!再放送 Ch183 8/16(月)後01:00〜
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西京極での関西Jバトル・京阪ダービーは、C大阪が粘る京都に終盤ゴールを決めて振り切り、ダービー連勝を飾り、幕を下ろした。
京都は、3−4−3で3バックには、水曜の韓国代表の試合を戦った郭泰輝をベンチに置いて、森下俊を先発させた。前線には中山博貴を入れてバランスの良い布陣を敷いた。
試合は、序盤から京都がペースを握った。前線3枚と中盤の距離感が良く、C大阪に自由を与えなかった。それでも時折、マルチネスから裏を狙う展開を見せ、中盤でマエストロの存在ぶりを印象付けた。
京都は、ドゥトラが相手のバックパスを、また、アマラウのボールを奪うことで、高い位置からの速攻を可能にし、ナビスコカップ予選時の京都を彷彿とさせた。
後半に入ると、C大阪が主導権を握る。開始早々、家長昭博が裏を取るなど、マルチネスから前線へ簡単に入れる様にして、ボールを失っても前からプレスをかけることで高い位置でボールを奪えるように切り替えていた。秋田豊監督が「後半、ボールをロストする場面が多くなった」という通り、京都はこのC大阪の守備に手こずる。加えて、サイドバックが高い位置にポジションをとることで、サイドで起点を作り始めたのもある。中山博貴が試合後「僕が何処まで見るのか、何処まで前に行くのかという、上手く駆け引きをやられた」と明かした通り、特に丸橋祐介のサイドで起点を作られた。それによって京都は5バック、中盤4枚の様な形に強いられる時間帯も出てくる。
スコアは81分に動く。それまで、主導権はC大阪にありながらも、京都も攻撃を見せて、粘っていたが、81分、マルチネスから左の乾貴士に送られると、乾には前を向いて仕掛けられ、さらに中央へ送られる。丸橋祐介がスルーして、中央の家長へ。家長はワンタッチ目を大きくすることでDFを振り切り、エリアに侵入。前へ向き、左足を振り抜くと、逆サイドのネットを豪快に揺らし、ゴールを決める。
これが決勝点となり、C大阪が粘る京都を振り切って京阪ダービー連勝を飾った。
試合後、レヴィークルピ監督は、決勝点を決めた家長に対しシュート数とゴール数が増えれば「間違いなく日本のサッカー界を背負って選手」と絶賛した。
試合では、乾の判断が素晴らしかった。左サイドで、京都の右、水本裕貴と渡邉大剛とのスペースに入り、相手を引き寄せると、丸橋の上がるスペースを作りだした。丸橋が高い位置を取る様になり、渡邉を下げさせると、今度はそのスペースを乾が使い始めるなど、このサイドで巧みに起点を作る。決勝点の場面でも、最初渡邉は上がる丸橋のマークについており、そのスペースに乾が入り込んでスペースを作っていた。3バックの弱みを突く考えるプレーは称賛に値するだろう。
京都は、前半は素晴らしかった。要因は前線3枚の相手中盤をコントロールする守備だろう。前線3枚は、茂庭照幸、上本大海(負傷により途中交代、15分から藤本康太)にはあまり行かず、その前のマルチネス、アマラウへプレッシャーをかけた。相手が下がると、今度はさらに前へプレッシャーをかけ、中盤の安藤淳と加藤弘堅がマルチネス、アマラウへプレスをかけた。これで、アマラウが判断にもたついた瞬間、ドゥトラがボール奪取に成功し、高い位置でボールを狙い、速攻を仕掛けることに成功していた。
だが後半、C大阪がサイドバックを積極的に上げ始めると、こうした守備が崩れた。サイドバックを中山とドゥトラが見るようになると、中央のディエゴはマルチネス、アマラウを見きれなくなる。するとマルチネスがフリーになる時間が増え、スペースと時間を見つけるようになり、縦パス、裏、そしてサイドのスペースと、自在に動き回るC大阪の攻撃陣にパスを供給。京都は後手を踏む回数が多くなる。さらに、中山、ドゥトラが引いているため、ボールを奪ってからすぐ前へという選択肢が極端に減った様にも見えた。
前線、中盤の守備の整理の足りなさがあった様に感じさせた。試合後の中山のコメントを見ても、後半、自分のプレスをかける相手ではっきりしなかった感がある。
さらに、前節の試合後の角田誠のコメントを見ても、中盤の守備での未整理がうかがえる。
中山は「たいしてそこをフリーにさせても危なくないと思う」と話した。確かにその意見ももっともだが、問題はプレスのかけ方がはっきりしないので、相手の中盤をフリーにさせてしまい、自由にやらせている時間が長くなっている、という点だろう。
前節の新潟戦も相手にポゼッションされた中で、サイドバックにスペースを作る動きをされて崩されている。今節もスペースを作る動きをされての失点だ。
相手がサイドバックを上げて、中盤へプレスが効かない状態が続くと、相手にとっては、いつか崩せるという余裕が生まれる様になるのではないか。後半、京都が崩れるのも前線、中盤の、相手に自由にやらせない、という守備の統率、規律に問題があり、後手を踏む回数が多くなっている点があると思われる。
だが、秋田監督、最終ラインは「回させている」という認識があるようで、前線、中盤が感じているプレスのずれと認識の差があるのでは、とも感じさせる。
攻撃では、パターンが増えていた様に感じさせた。練習では裏も含めたスペースを使う練習をしており、それは表現できていたのではないか。さらに、ボールを持った時、前線がサイドに開き、相手サイドバックとセンターバックの間にスペースを開けさせるパターンも出てきており、改善の跡が見られた。
興味深かったのがポゼッションに入ると増嶋竜也が一つ前に入ったこと。後半は前線まで上がるシーンもあった。恐らく、攻撃時は3枚の守備をそのまま残すのではなく、増嶋にアンカーの役を担わせたのだろう。これで、安藤淳と加藤弘堅も積極的に攻撃参加できていた。
総論としては、攻撃時の規律が生まれてきた様に感じさせたということ。ドゥトラが交代したのは、疲れからこの規律への判断ミスが出始めてきたからだと感じさせた。
可能性を感じさせたのは柳沢敦。ポストプレーが出来る、という点だ。ポスト役でボールを受けることで、京都の攻撃のバリエーションが一気に広がりそうな予感を持たせてくれた。夏場ということでコンディションが完全ではないのだろうが、長く見たい選手である。
次節、湘南戦。まずは1得点。期待できるのではないか。
以上
2010.08.16 Reported by 武田賢宗
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