8月8日(日) 2010 J1リーグ戦 第17節
C大阪 0 - 0 川崎F (18:05/金鳥スタ/14,031人)
スカパー!再放送 Ch181 8/10(火)後10:00〜
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C大阪の新ホーム「キンチョウスタジアム」(略称:金鳥スタ)こけら落としとなったC大阪と川崎Fの一戦は、互いに得点を決めることができず、スコアレスドロー。勝点1を分け合う形となった。しかし、攻撃が魅力の両者は、互いに幾度も決定機を演出。ゴールがなかったのは残念も、臨場感、サッカーの迫力を存分に味わえるということで「お引っ越し」となった金鳥スタの魅力を、ほぼ大入りとなった14,031人の観衆が十分に体感できる内容でもあった。
開門前から期待膨らむC大阪サポーターで金鳥スタのある長居公園はあふれかえっていた。そして、いざ開門して中に入ると、強い陽射しにさらされたスタジアムは、8割の桜色と2割の水色でぎっしりと埋め尽くされる。ピッチに近いホーム側ゴール裏スタンドなどを中心に、選手たちのアップが始まる前から興奮のボルテージは上がりっぱなし。桜色のフラッグがそこかしこで振られて、劇場的空間が作られていく。天気予報では午後から雷雨ということも言われていたが、実際は天候に恵まれ、終始好天のなかで試合が進められたのも、オープニングゲームに花を添えた。
さて、ピッチに状況を移すと、C大阪はこの日のために作られた黒を基調としたユニフォームで登場。FWアドリアーノ、GKキム ジンヒョンという攻守の2枚看板選手をケガで欠くなか、リーグ戦では第2節G大阪戦以来となる松井謙弥がGKに入り、1トップを播戸竜二が務めた。対する川崎Fは田坂祐介が前節の出場停止が解けて復帰し、右MFに入った。前半は、強い西日を避けてC大阪がアウェイ側陣地を選択したなかでキックオフ。C大阪がボールを支配し、川崎Fはがっちりとした守備ブロックを形成して「守備では基本的に相手を挟みながらカウンターを狙っていた」(中村憲剛)いう形が、開始直後から見受けられる。
そのなかで、C大阪は序盤からミスが目立ち、そこから相手のスピードに乗ったショートカウンターなどで崩されるも、この試合でJ1通算200試合出場を達成したDF茂庭照幸らの身体を張ったディフェンスや、川崎Fのシュート精度の低さに助けられ、なんとかピンチを凌ぐ。攻撃面では「中盤でスペースがあったので、スペースがあるときにはどんどん打っていこうと決めていた」というマルチネス、そしてアマラウの両ボランチが積極的にミドルシュートを放ち、3シャドーの乾貴士、家長昭博、清武弘嗣も厳しいマークのなか何とかゴール前に入っていこうと試みていく。
しかし、この日は攻撃の軸でもある家長がボールを失う場面が多く、前線の播戸にもボールがなかなかつながらない。後半には乾のドリブル、クロス、スルーパスなどでチャンスを作っていき、途中からは小松塁、石神直哉、黒木聖仁も投入。この試合でも好プレーを見せていた丸橋祐介を2列目に上げ、好機を作れない家長を交代させるなど、レヴィークルピ監督も手を打ったが、古巣を相手に奮闘したGK相澤貴志を中心とした川崎F守備網を崩しきることはできなかった。
「激しいゲームでありながら勝点1を拾ったというのは、今後に向けては大事な勝点1も、正直勝ちたかった」とレヴィークルピ監督。前半戦を6位で折り返すこととなったものの、「選手の全員にも今日の結果に満足することなく、上位3チームに入るという目標に向かって、厳しさを求めていってほしい」と、後半戦に向けて改めてチームを引き締めていた。
一方の川崎Fも前半、後半に再三あったビッグチャンスを活かせなかった。特に後半早々のヴィトール ジュニオールの抜け出しは、完全に1点モノという形だったが、シュートは枠の外。横山知伸が交代出場した直後の65分にも中村のCKを中で頭で合わせて、あわやゴールかと思われたが、ここもC大阪DF丸橋祐介に頭でクリアされてしまう。途中からは楠神順平、終盤には森勇介もピッチに送り込み、最後まで勝点3を狙ったが、こちらも最後までゴールに嫌われた。高畠勉監督は試合後、「守備のところは課題にしていたので、アウェイの地でゼロに抑えたことは評価できる」と選手の奮闘を讃えていたが、これで第6節広島戦での勝利以降、アウェイ戦は3分け3敗と勝ち星なし。悲願の優勝のためには、後半戦、敵地での戦いがポイントになりそうだ。
得点こそ生まれなかったが、C大阪が16本、川崎Fが17本と、お互い守備を意識しながらも、攻めるという持ち味も披露したこの試合。スタジアムの一体感と合わせて、サッカーの醍醐味は感じられた。お預けとなった金鳥スタ初得点、今度こそ、誰が決めるのか、その楽しみは、次回(第19節C大阪対F東京戦)への持ち越しとなる。
以上
2010.08.09 Reported by 前田敏勝
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