8月8日(日) 2010 J2リーグ戦 第21節
徳島 0 - 1 甲府 (18:35/鳴門大塚/4,407人)
得点者:75' ハーフナーマイク(甲府)
スカパー!再放送 Ch183 8/9(月)後03:30〜
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徳島にとって今節は今後の巻き返しを占う非常に重要な一戦であった。が、結論から書けば、この90分でそれを占い切ることは出来なかったと言えるだろう。甲府の前に屈したのは紛れもない事実だが、それでもチームは一丸となって可能性を感じるファイトを展開。それだけに、今後の流れが上を向くのか下を向くのかは、まだまだ選手たちの努力次第で変わってくるはずである。
事実、前半の徳島は全く悪くない形でゲームを進めていく。特にこの戦いのポイントと思われた集中力ある守備については立ち上がりから抜かりなく実践。ペ スンジンがハーフナー マイクに対して厳しく寄せて三木隆司とともに中央を締めれば、平島崇と輪湖直樹のサイドバック陣は甲府の両翼・パウリーニョと大西容平から注意を外さない。さらには濱田武ら中盤の選手たちも飛び出してくる相手にしつこく張り付き、そうした全員のハードワークによる守りで間違いなく甲府の攻撃力を封じ込めていた。実際に美濃部直彦監督もハーフタイムに「前半同様、みんなでしっかり守っていこう」と話したようだが、徳島にとってすれば上手くいったその前半の守備によって、いいイメージのゲームプランを持て始めていたに違いないであろう。
しかし迎えた後半、徳島に突然の落とし穴が…。61分、ハーフナーを激しくチェイスしたペ スンジンがそのプレーと直後の異議で一瞬のうちに2枚のイエローカードを受け退場となってしまったのだ。するとここから少しずつ徳島に狂いが生じてくる。当然のように数的不利をカバーするための運動量アップが強いられると、それは選手たちにダメージとなって蓄積され、局面の小さなミスに姿を変えて現れ始めた。そしてついに75分にそのミスが致命傷を招いてしまう。自陣ハーフライン付近右サイドでのFKを倉貫一毅と平島が短く繋ごうとしたところ意思の疎通がズレてボールを奪われると、素早く左サイド深くを突かれて大西に折り返され、最後は最も警戒していたハーフナーの頭にネットを揺らされてしまった。
こうして先手を許した徳島はその後一発の仕事が出来る徳重隆明を投入し同点を狙ったものの、それも結果的には結実せず。「11対11でも難しい相手」(美濃部監督)であった甲府の壁を破ることはならなかった。「前半はゼロで抑えて、後半にパワーを出して行こうというのが前節・柏戦でしたし、今日もそういう形に入っていたのですが、退場者が出てからはちょっと難しくなりました」という倉貫の言葉がいずれにしても徳島の正直なところだろう。
ただ、それは十分理解した上で、あえて厳しい注文も付けたい。それはこの一戦を通しての攻撃面、中でもシュートについてで、それへの貪欲さや積極性は今後に向けて数段上げていくことが求められる。前半には津田知弘が長い単独ドリブルを仕掛けてミドルを狙うなど2、3度はそれを感じたが、後半になるとバイタルエリアを陥れた時でも足を強振する選手はほぼ見られなかった。もちろんより確率の高い形へ持っていきたいという選手たちの心理も分かるが、ホームでシュート5本ではやはり寂しさを感じずにいられない。冒頭で述べたとおり、今後がどうなるかは選手たち次第だけに、猛省すべき部分のガラリとした改善は絶対不可欠である。
対して甲府だが、前節の敗戦で出た課題を1週間でクリアしてくるあたりはやはりさすが。前節に比べるとチャンスの数は全く少なかったのだが、高めてきた決定力でそのひとつを確実にモノにしたのだから。
今節柏が今季初黒星を喫したことで勝点差は2へと縮まった。首位へ、また何より手にしたいJ1返り咲きへ、甲府は着々と歩みを進めている。
以上
2010.08.09 Reported by 松下英樹
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