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【J2:第21節 札幌 vs 北九州】レポート:夏場のデーゲームを制したのはホームの札幌。岡本賢明のループシュートと高木純平のファインゴールで勝点3を手にした。(10.08.08)

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8月7日(土) 2010 J2リーグ戦 第21節
札幌 2 - 0 北九州 (15:03/札幌厚別/6,703人)
得点者:53' 岡本賢明(札幌)、70' 高木純平(札幌)
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北海道での試合ではあったが、試合開始時の気温は28.3℃の暑いデーゲーム。そうしたこともあってか、開始早々こそ双方がチャンスを作りながらも、全体的には低調な立ち上がりとなった。

ゲーム序盤を振り返ると、札幌がボールをキープしていたものの、どちらかと言えば北九州が優勢だったと言っていい。その要因としては、トップ下でプレーしていた佐藤真也の動きに札幌が手を焼いてしまったことがひとつ挙げられる。この佐藤はトップ下の位置から前線に、時には中盤の底にと幅広く動き、その位置取りに札幌の守備陣、特に守備的MFが引っ張られる場面が多く、「中盤とディフェンスラインが開きすぎてしまった」と札幌の石崎信弘監督。札幌は中盤に大きなスペースを生んでしまい、ボールはキープするものの、ターンオーバーすると簡単にカウンターからピンチを招いてしまっていた。札幌が攻めて、北九州がカウンターを仕掛ける。そういう前半だった。

そしてこの日の札幌には攻撃面にひとつの特徴があった。近藤祐介が出場停止、キリノが負傷でというように、FWの主力2選手が欠場。そのためこの日は内村圭宏が4−2−3−1のシステムで1トップを担ったのだが、幸い、この内村と高木純平、岡本賢明、古田寛幸という2列目の3選手との連係がよく、前線で小気味良いパス交換が生まれていた。近藤、キリノの欠場もそれほど大きな痛手にはなっていない、そんな印象もあった。普段の札幌は、攻撃時に局面が狭くなってしまった場合には攻撃を組み立て直すべくサイドチェンジを試みるのだが、この日の札幌は前線の四人が中心となってパスを動かし、狭い局面からの突破を積極的に挑んでいた。普段とは違う札幌の戦い方があったのだ。

しかし、である。札幌はパス交換での突破を狙い、そのパスも比較的スムーズにつながっていたため、どうしても攻撃が前へ前へと急ぎがちになってしまっていた。「勝ちたいという気持ちが強く、前がかりになりすぎていたかもしれない」と後方から見ていたセンターバックの藤山竜仁も振り返る。攻撃がワンパターンなってしまい、そのこともカウンターを受けてしまうもうひとつの要因になっていた。

そしてもちろん、北九州のカウンターにも鋭さがあった。こちらも4−2−3−1のシステムで、時にはトップ下の佐藤が前線に張って2トップのような形にもなるのだが、佐藤と1トップの大島康明が組んで繰り出すカウンターは幾度か惜しいチャンスを生み出した。佐藤は札幌守備陣から常に見張られる格好になっていたが、見張っている割には札幌の寄せがあまく、簡単に突破をする場面も。そして大島はハイボールに対してもダイナミックに喰らいつき、札幌の守備を脅かした。

後半に入ると、札幌が息を吹き返す。北九州の大島が頭を打って退いてしまったことも理由だが、最終ラインが高い位置に保たれ、全体がコンパクトに。そして、足下のパス交換だけでなく、スペースに飛び出す動きが加わるようになり、徐々にゲームを支配していく。53分に相手ボールを奪った岡本がループシュートで先制点を挙げると、そこからは積極的に仕掛けてくる北九州の攻撃を上手く跳ね返しながら、何度も攻撃を繰り出した。

そうして向かえた70分。左サイドで高木が起点となると、西嶋弘之から内村へとパスが渡り、そのリターンが相手DFラインの裏へと飛び出した高木へピタリと届き、これを冷静にゲット。この得点で札幌が勝負を決めた。

「完敗に近い試合内容だった」とは敗れた北九州の与那城 ジョージ監督。確かに、2失点目は守備ブロックを完全に崩されてのものだっただけに、そういった言葉が出てきてもおかしくはない。しかし、試合の流れを考えると、どこかでひとつカウンターが決まっていれば結末はどうなっていたかわからない。札幌が縦へ縦へと急ぎすぎていただけに、もうひとつアイデアが加わっていれば、もう少し精度の高いカウンターが繰り出せていたはずだ。

とはいえ、夏場のデーゲームで、後半開始時には強い雨が。そうした難しいコンディションを考えると、とにかくこの試合で大事だったのは、内容どうこうよりも勝点3を得ることだろう。その意味では札幌は、ベストな結果を得たということである。ここから秋口までは、そうしたタフなゲームが続いていくことになる。

以上

2010.08.08 Reported by 斉藤宏則
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