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【J1:第17節 京都 vs 新潟】レポート:新潟の牙城を崩せず。京都が課題を多く残し秋田体制3連敗(10.08.08)

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8月7日(土) 2010 J1リーグ戦 第17節
京都 0 - 2 新潟 (18:04/西京極/6,818人)
得点者:28' 曹永哲(新潟)、78' オウンゴ−ル(新潟)
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西京極での前半戦最後の試合は、一人少ない新潟を最後まで崩せず0−2で京都が敗れた。「なるべく前の3人を休ませながら速いカウンターを出来れば」(秋田豊監督)と、メンバーを入れ替え4−3−3で臨んだ京都。

開始早々は新潟が、前4人が並び、本間勲も前目でボールをもらおうとしたため攻撃を硬直化させてボールが回らなかったものの、動きの量を増やしてリズムを掴み始めた。特に、サイドでの起点作り。「ウチの方はサイドを起点にするのが一つのポイント」(黒崎久志監督)という通り、右サイドではマルシオ リシャルデスが自由に動いて、矢野貴章がサイドに流れるなどして、西大伍がボールを収める作り方をしたのに対し、左サイドではチョ ヨンチョルが外に張り出し、ミシェウと酒井高徳でDFのすき間にボールを通して起点を作った。

そして、28分、チョ ヨンチョルが落ちてきたミシェウに渡すと、サイドで一瞬機会をうかがう。京都の右サイドバック増嶋竜也が戻っていく前線につられてラインを上げると、その裏にチョ ヨンチョルが走り込み、パスを受けて中に切込み、京都のDFラインを突破しドリブルシュートを決める。人につられたDFの状況判断ミスでもあるが、新潟のスペースを作る動きを褒めるべきだろう。京都は、この失点で「いつもやっている」(秋田監督)4−4−2に戻し、サイドから攻撃を仕掛けるが、決定機を作れず前半を終える。

後半、攻勢に出る京都。54分に、ミシェウが郭泰輝に対し乱暴を働いたとして退場となり、新潟は10人となる。55分に中山博貴のスルーパスからドゥトラがゴール前に迫るなど攻撃意欲を高める京都。さらに中村充孝、渡邉大剛を投入し攻撃的に。新潟は三門雄大を入れて守備のテコ入れを図る。
67分には左からのクロスに対しディエゴがゴールに流し込むもオフサイド。さらに郭泰輝のパワープレーを仕掛けるなど京都は攻めるも新潟の牙城を崩せず、逆に78分、マルシオ リシャルデスのCKを、DFが戻りながらのヘディングクリアでオウンゴールとしてしまう。結局0−2にされてタイムアップ。粘る新潟を崩せず、秋田体制で3連敗となった。

試合後、新潟の黒崎監督は「しっかりとボールを動かして、攻め急ぎだけはちょっと良くない」と今節に対し考えていたことを明かした。ボールをつないで新潟の持ち味であるサイド攻撃でスペースを作り出し先制点を挙げたのは見事だ。本間は試合前に「サイドバックで起点を作れるだろうから、そこから2人、3人絡んで崩そうと話していた」と明かした。他にも前半13分に、チョ ヨンチョルの飛び出しに対し、対応した水本裕貴の後に出来たスペースにマルシオ リシャルデスが飛び込むなどの決定機もあった。

新潟の持ち味と同時に、京都は、水本が引き出された後のスペースへの対応、これは郭泰輝だけ問題ではなく、ディフェンスラインの足を止めない集中力と、中盤のすぐ戻るという規律の不徹底ぶりが露わになった瞬間だろう。練習ではサイドバックの裏、センターバックが引き出された場合の練習を行っていたはずであるが試合で発揮できなかった。

京都は多くの課題が残った。まず守備。相手のサイドへの対応に後手を踏んだこと。守備の順序の未整理が押込まれた原因と考えていいだろう。相手にボールを握られ余裕の無い守備をすると、先制点を奪われた場面のような、相手のスペースを作る動きに簡単にかかるようになる。さほど崩されていない、相手は逆サイドに展開しているだけ、という状況にも、選手は大きく動揺していた様に観えた。「リトリートして対応する」(秋田監督)場合の押し込まれる状況の想定が選手の中で甘かった様にも感じさせた。

4−4−2になると、新潟のミシェウがディフェンスとダブルボランチの間にポジションを取るようになる。これに中盤が意識を取られて、新潟のボランチに対しプレスが遅くなっていた様に見えた。これを問題にするのは、次節のC大阪戦を見据えてだ。中盤に家長昭博、乾貴士、清武弘嗣がいて、家長はトップ下となる。今節のミシェウの様にギャップを突かれる可能性があるのでは、ということだ。バイタルに入り込む前線の対応は明確にする必要があるだろう。

攻撃については、秋田監督が会見で話した「いい形でボールを奪っているが、判断が悪く難しいところにパスを出してしまう」という点だろう。ディエゴが引いてボールをもらい、中距離のパスを前線の足元に送る。新潟DFも狙いやすく、それを前を向いてカットされてカウンターにつなげられてしまっていた。

京都はどう考えているのだろうか。浦和、広島、新潟と、相手は京都のカウンターに5人ほどかけて対応していたのである。今節も4バックと中盤1枚が京都のカウンターに警戒していた。だから前半、増嶋は大きくサイドに侵入しても酒井のマークをほとんど受けなかったのである。それほどまでに警戒されているところから強引に攻めることを京都はどう考えているのだろうか、ということである。

前線3枚の攻撃は京都の武器なので常に意識はするべきだろう。だが、相手が強く警戒しているならば、自分たちだけでは難しい、という判断を前線3枚はすべきではないのだろうか。新潟・黒崎監督は「(新潟は)前線が横一列に並ぶと、相手のそこから(ボールを奪われて)のカウンターというのが脅威なので」と話し、「しっかりとボールを動かして、攻め急ぎだけはちょっと良くない」と意識していた。京都もこの意識が必要ではないのだろうか。3枚の攻撃は強みであるが、相手に警戒されている中、突っ込んでも蛮勇の場合が多いのではないのか。また、前線3枚に対し、中盤が素早くフォローして攻撃の流れを切らずに再加速することも、今節のような運動量と攻守の切り替えでは期待が薄い、というのが正直な感想だ。

今節、京都でサッカーをしているなと最も感じさせたのが水本だった。ほとんどワンタッチ、ツータッチでボールを回していた。たとえ自分がフリーであってもボールを早く回すことでリズムが生まれるということをプレーで実証していた。前半一度、縦に送ったボールを新潟の中盤に頭でカットされた場面があったが、それ以外はビルドアップで文句のつけようのない判断力だった。逆に言うと、他の中盤、ディフェンスの判断、球出しの遅さが際立っていたということである。ドリブルで持ち込むことはとても重要なことである。だが、パスコースが狭まり、味方も動くタイミングを計れない様なドリブルは攻撃のリズムを狂わす、ということを今節の京都の攻撃が見せてくれた印象だ。

「点を取るためにはどうしたら良いかというところをみんなと考えながら、みんなとトレーニングしながら改善していきたい」と秋田監督は話したが、非常に重要なことだろう。選手が戦い方を理解し、納得し、余裕のあるプレーができるようになることを望む。

以上

2010.08.08 Reported by 武田賢宗
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