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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第17節 仙台 vs 横浜FM】レポート:セットプレー一発で決まった試合。反撃に出た仙台だが、慎重な戦いへとシフトした横浜FMを崩しきることができず。(10.08.08)

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8月7日(土) 2010 J1リーグ戦 第17節
仙台 0 - 1 横浜FM (19:04/ユアスタ/18,894人)
得点者:12' 松田直樹(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch181 8/8(日)後01:30〜
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チケットもソールドアウト、市内で開催中の仙台七夕祭りの熱気をそのまま持ち込んだかのように、スタンドはゴールドとトリコロールで揺れた。素晴らしい環境の一戦である。12試合ぶりの勝利をホームで狙う仙台としては、気持ちが高ぶらないわけがない。

だが、それが裏目に出てしまったのか、肝心な場面で仙台は守備において、集中を欠く姿を見せてしまった。12分、横浜FMこの日最初のCK。左サイドのコーナーから中村俊輔の放つボールを待ち受けていた仙台の守備陣だが、意表を突いたショートコーナーという選択に、完全に裏をかかれてしまう。ショートコーナーからのリターンを受けた中村はフリーの状態で左サイドからペナルティーエリアに侵入して、ファーサイドにふわりとしたボールを送る。その先には170センチの小野裕二が待ち構えていたが、すでに乱れていた仙台の守備は彼の高さにも競り勝つことができない。そして小野が頭で折り返したボールの先には、ゴール正面至近でフリーとなっていた松田直樹がいた。混戦気味の中、松田が足で押し込み、横浜FMがアウェイで早くも先制する。

4試合ぶりに先制を許してしまった仙台。とはいえまだ反撃する時間は残っているし、何も慌てる必要はない。しかし結果的に、仙台はゴールをあげることができなかった(無得点に終わったのは7試合ぶり)。

一つ目の要因は、ラストパス、もしくは奪った直後のつなぎのパスといった、攻めの局面での精度を欠いたプレーである。先制された後も、仙台は中盤で上手く相手からボールを奪うことができており(特に中村に対しては、上手く2人で挟み込みボールを奪う場面が連続した)、そこから素早い攻めに行ける雰囲気はあった。だが奪ってからサイドに展開するパスがタッチラインを割る、サイドでの足元でのつなぎで呼吸が合わない、仮にアタッキングサードまで行けたとしても、スルーパスが長すぎる…という場面が続き、決定機と呼べる場面は少なかった(むしろ、最終ラインの菅井直樹が、自ら「裏へ飛び出せ」と指示を出した富田晋伍めがけて放った縦一本のパスが通り、富田もデニス・ベルカンプばりの上手いトラップからフィニッシュまで持ち込んだ前半の場面のように、大胆な展開の方が横浜FMを脅かしたのは、皮肉な展開と言える)。

そして、これは主に後半についての話となるが、もう一つの理由は、ビハインドを負い、さらに攻勢を強める必要がある中で、エネルギーを投入するのが難しかったこと。横浜FMが後半、明らかに引き気味でカウンター狙いという雰囲気を高めていた中で、仙台は交代で「点を取りに行く策」を出せなかった。
これにはさまざまな要因がある。前半に朴柱成が熱中症を起こし、文字どおり試合中に倒れた(自身が持っていたボールを蹴り出すこともなく、大の字のまま仰向けの状態で倒れたという光景に、スタンドは両クラブのサポーター共に静まりかえった)ことで、貴重な交代枠を一つ失ってしまったこともあるが、それ以前に仙台は今週の練習で、中島裕希、中原貴之というFW勢2人を、一気にケガで失っており、点を取りたい場面でストライカーを配することができなかった。交代の動きの中でボランチに下がった梁勇基がつなぎ役として好機を多く演出し、引き気味の横浜FMに対して押し込むところまではいったものの、そこから結局のところゴール前での決定機はさほどつかめなかった辺りに、仙台の苦しい部分がある。

とはいえもう一方の、勝った横浜FMもまた、この内容に納得しているわけではなさそうだ。木村和司監督は会見で「崩す場面、シュートの場面が増えてこないと」と語っていたが、確かに横浜FMも、流れの中で決定機と呼べるものは乏しかった。試合は早い時間でセットプレーにより点が入ったが、このゴール、それから熱中症で倒れる選手が出るほどの高温多湿な環境により、双方がリスクを犯さないことを意識しすぎた展開に陥ったという感は否めない。ただ、それでもこうした試合で結果を残したことに意味があるとも考えられる。逆に言うと仙台は、どんな形であれ結果がほしかったのだから。

仙台は前半戦を16位で終えることが、土曜日の時点で決まっている。ただ少なくとも、15位とは勝点3より多くの差は付いていない。内容の善し悪しは関係なく、地道に勝点3、もしくは最低でも1を積み上げるべく戦い、我慢を重ねながらひたすらに上を追う日々が始まる。

以上
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