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【J1:第17節 山形 vs 磐田】レポート:磐田のパスワークに翻弄されながらも山形が貴重な1点を守りきり、ヤマザキナビスコカップのリベンジを果たす!(10.08.08)

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8月7日(土) 2010 J1リーグ戦 第17節
山形 1 - 0 磐田 (19:04/NDスタ/9,041人)
得点者:46' 北村知隆(山形)
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「観に来た人でトイレに行っていた人もいるんじゃないんですか、もしかして」
そう言って、この試合唯一のスコアラーとなった北村知隆が笑った。宮沢克行がサイドから上げたクロスを長谷川悠が落とし、高い位置でボールを持った増田誓志が大外を駆け上がる宮沢にパスを渡すと、磐田のマークは完全にズレた。ほぼフリーの状態で速いクロスを差し込むと、ニアに飛び込んだ長谷川悠はさわれなかったものの潰れ役を果たし、ファーサイドへ抜けたボールには、逆サイドから中へ飛び込んできた北村が飛び込んだ。ゴールネットが揺れたのは、後半キックオフから30秒と少し。これが山形にとって、4試合ぶりの勝利をもたらす貴重な決勝ゴールとなった。

小林伸二監督が「前半いい入りができた」と言うように、山形は0-5と大敗を喫した2ヶ月前のヤマザキナビスコカップの余韻を断ち切るプレーができていた。「ナビスコのときのほうがもっと前から取りに来ていたのかなという感じはします。今日に関しては、もう少し来るかなあと思ったけど、だいぶ引いて守ってカウンターというサッカーを狙っていた」と磐田・柳下正明監督が感じていたとおり、山形は相手バックラインに対するアプローチの積極性と引き換えに、ロングボールへの準備とセカンドボールのケアにより意識を置いていた。それこそが、あの敗戦から学んだ教訓であり、その後の数試合で精度を追求してきたものだった。その分、攻撃の枚数は手薄になり、昨年9月以来のリーグ戦復帰となった川口能活もほとんど仕事らしい仕事がないまま時間を過ごした。

そして磐田も、あの大勝をもたらした戦い方にこだわっていたわけではなく、時間とともに足元でつなぐプレーを増やしていた。「特に左サイドのバイタルで西(紀寛)をポイントに随分あそこをやられたなあというところがありました」(小林監督)と西やリーグ戦では第10節以来の先発となる船谷圭祐がバイタルで起点をつくり、パク チュホや駒野友一が高い位置で仕掛けるシーンが増えていく。山形は「ミーモ(SB宮本卓也)がセンターバックで俺がサイドバックみたいな形になりました」(北村)とサイドを制圧され、さらに30分頃になるとボールの奪いどころを見つけられず、人の間で巧みに起点をつくり続ける磐田のパスワークに翻弄された。ただし、その磐田もフィニッシュ周辺では精度を欠いた。前半のシュートは山形と同じ3本。スコアレスで折り返したところで、冒頭の北村の先制弾が飛び出した。

先制された磐田は50分、パクのクロスから西が落として那須大亮がシュートを放つが、体を寄せた佐藤健太郎に防がれ、55分のコーナーキックでも、ニアでヒールに当てた成岡翔のシュートもわずかに枠をそれた。山形はハーフタイムでマークの整理をして前半よりも早いアプローチを実現し、ボールを奪ったあとも省略気味だった中盤を経由するようになった。59分には佐藤健のインターセプトから増田を経由し、長谷川をスペースへ走らせるカウンターの形も見え始めた。

流れを変える必要に迫られた磐田は、西に代えて金沢浄を入れてパクを1列上げ、船谷に代えてジウシーニョを投入と69分までに2枚のカードを切り、攻勢を強める。71分には大井健太郎からのくさびを引いて足元で受けた前田遼一が前を向き、山形ディフェンダーの間の狭いコースからゴールマウスを狙ったが、これはGK清水健太が反応しクロスバー直撃にとどまった。73分のコーナーキックも前田遼がヘッドに当てたもののファウルの判定。76分には長谷川に高いラインの裏を抜け出され、シュートをポストに助けられるシーンもあったが、攻勢を続ける磐田最大の決定機は81分。ドリブルで石川竜也との1対1を破ったジウシーニョが深くえぐってマイナスのクロス。ニアに入ったイ ガンジンのヒールから大井健太郎が放ったシュートは飛び出したGK清水の脇を抜けたが、カバーに入っていた石井秀典に体で止められ、ゴールならず。最後まで1点を守りきった山形が勝利をつかんだ。

前節、C大阪に0-3と大敗したあと、先発メンバーを3人入れ替えて臨んだ磐田だったが、この試合でも勝利が、リーグ戦再開後の5試合でいまだ勝利がない。「「90分通して、やっているサッカーというのは別段問題はないと思っています」(柳下監督)とコンセプトは定まっているが、それを勝利に結びつけることができるか。さしあたり、次節・大宮戦とホームに戻っての神戸戦の結果が、かなり大きな意味を持つことになりそうだ。

「急ぎ過ぎてカウンターばっかりでリズムを崩してしまった」(小林監督)と特に攻撃面において不満はあるものの、山形はヤマザキナビスコカップのリベンジという意味づけもあるこの試合を制した。川崎F、G大阪、磐田と続いた3試合の総失点は1。4-3-3でも守備の安定させる術を身につけてきている。と同時に、リーグ戦再開後、NDスタでは2勝1分けとホームで強さを発揮している。次節もホームに新潟を迎えるが、前回は先制後に3失点しているだけに、このリベンジマッチも見逃せない。

以上

2010.08.08 Reported by 佐藤円
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