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【J2日記】千葉:珍しい姿に隠されていた想い(10.07.24)

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(C)赤沼圭子

16時からとあって少しは風が涼しくなったものの、暑さが厳しかった7月21日の午後練習での茶野隆行選手。3チームに分かれての8対8のミニゲーム形式の練習で、自分のチームが休みの時に他のチームのプレーを真剣に見ていた。

7月18日のJ2リーグ戦第18節札幌戦の試合後、千葉のホームスタジアムのフクダ電子アリーナでは、ちょっとしたトラブルがあった。実は、筆者は試合後の取材の準備でバタバタしていたため目撃していないのだが、0−3の完敗という結果が影響してか、千葉サポーターへの挨拶のためスタジアム内をまわっていた千葉の一部の選手と千葉サポーターの間でちょっとした言い合いがあったそうだ。7月21日の練習後、インタビュー取材の席で茶野隆行にその話をすると、茶野が「あれは俺が発端なんですよ。(山口)慶くんが俺を押さえて止めようとしてくれていたし、あとになって振り返ると俺も大人げなかったと思うんだけど、試合が終わってすぐだったので俺も興奮していたから」と苦笑した。

それを聞いた筆者はちょっと驚いた。試合中は厳しい表情でハードマークを見せる茶野だが、普段は非常に温厚な性格で、めったなことでは怒らない。茶野自身、「ファンサービスをしていると、サポーターの人から『試合の時とは全然違って優しいんですね』って言われるし、『そのギャップがいいですね』って言われたこともある」と照れ笑いしながら話すほどだ。95年に市原(現千葉)に加入するとルーキーイヤーからトップの公式戦に出場し、すぐにチームのレギュラーとして活躍するようになった茶野であっても、優しい性格ゆえに後輩の選手からもよくからかわれたり、イジられたりしていた。過去の例をあげれば、後輩から愛称の『チャーボー』と呼ばれるならまだしも『茶野っち』と呼ばれたり、茶野という名前にひっかけてかブラウンのスパイクをはいていれば「何、そのスパイク。汚れているんじゃないの(笑)」とからかわれたりという感じだ。それでも、いつも茶野はニコニコして応対していた。報道陣に対してだって、J1残留争いの苦しい状況下の敗戦後の取材であっても、いつも嫌な顔をせずに自分の考えをきちんと話す選手なのだ。

その茶野が千葉サポーターと言い合いになるなんて、本当に珍しいことだ。よほどのことだったに違いない。
「千葉サポーターも札幌戦は重要と思っていただろうけど、俺たち選手も重要だと思っていたし、俺はあの試合にかけていたところがあった。勝つことしか考えていなかったのにホームでぶざまな試合をしてしまって、本当に悔しくてイライラしていた」
そう話す茶野にとって、札幌戦はFIFAワールドカップ・南アフリカ大会によるJ2リーグ戦の中断明け初戦という意味合い以外にも重要な意味合いがあった。2005年に移籍加入した磐田から昨季のオフに戦力外通告を受け、複数のオファーの中からJ2で戦う千葉に復帰する道を選んだのは、「千葉に恩返しがしたい」という思いからだった。それでも移籍のプレスリリースのコメントには、自分の復帰を快く思わない千葉サポーターを気遣うような言葉もあった。「プレーを見て評価してほしい」という思いを抱きながら開幕からスタメンとして活躍し、第9節栃木戦では0−1の状況で同点に追いつく移籍初ゴールをゲット。だが、その直後に接触プレーで腰を負傷して戦線を離脱し、札幌戦がJリーグ公式戦での復帰初戦(7月3日のプレシーズンマッチにはスタメン出場)だったのだ。

悔しい思いが思わぬ形で噴出してしまったわけだが、茶野は「この悔しい思いを(第19節の)柏戦にぶつける」と話す。さらに「千葉サポーターは熱いよね。アウェイゲームでもそうだけど、特にホームゲームではすごくいい雰囲気を作ってくれる」という茶野は、千葉サポーターのさまざまな想いや声援にプレーで応えようとしている。

以上

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2010.07.24 Reported by 赤沼圭子
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