Jリーグのクラブはグッズ販売に力を入れているが、甲府もハンドルが取れてアクセルが戻らなくなった上に、ブレーキも壊れた車のような勢いの担当者(元少女)が売り上げアップのために突き進んでいる。担当者の給料は増えないが、売り上げが増えればそれだけクラブが出来ることも増えるから頑張るしかないのだ。
しかし、甲府はフロントもハードワークが身上のクラブなので、毎節新商品が発売される。パトロン持ちかIT長者か資産家の跡取りでないとフルコンプリートは不可能な勢い。ただ、グッズごとの販売数は少ない。選手の名前や背番号が入ったタオルマフラーやTシャツは数十枚単位でも製作できるので、クラブとしては大量の在庫を抱えるリスクを冒さずにサポーターやファンの好みに細かく応えることが出来る。
逆の見方をすれば、買いそびれれば二度と買うことが出来なくなるグッズが少なくないのだ。誰もそんなことは知らないから、自分の名前や背番号が入ったグッズがリトル・メッシ並みに何百、何千と常に売れていると思っている選手もなかにはいる。しかし、現実は甘くなく大量に売れるのは一部の人気選手に偏っている。
しかし、昨年発売した全選手フィギュアは大量に発注しないと業者が作ってくれないし、そうしないと一体あたりの単価が物凄く高くなる。つまり、クラブとしてはリスクを負って勝負するグッズも少なからずあるのだ。第19節のホーム・栃木戦でグッズ担当者はカードフェスタで勝負する。何億枚作ったのかは知らないが、3パック(1パック5枚入りで300円)買ってくれた人にはくじ引きのチャンスを用意し、1等から6等までの賞品が当たる企画を担当者は考えた。
1等は試合球、2等はフェアプレーフラッグ、3等はサイン入り選手写真、4等はサイン入りカード、5等は様々な甲府グッズ、6等はリーグ最下位ではなく、リーグ再開記念カードと多彩な賞品を用意して、3パック以上買ってくれるサポーターやファンをガッカリさせないように考えている。もちろん、いっぱい買って欲し〜いのだ。5等のグッズの中には選手が実際に着用した撮影用の本物(レプリカではないが旧モデル)のユニフォームもあり、運がよければかなり満足できるグッズも混じっている。
一番涙ぐましいのは、4等のサイン入りカードと3等のサイン入り写真。練習後に担当者がカードと写真を練習場に持ち込んで孤軍奮闘して選手からサインを貰っている姿は健気だった。内山俊彦や荒谷弘樹ら優しい選手は素直にサインしてから帰るし、何のことかよく分かっていないマラニョンやパウリーニョは自分の写真がカードになっているのを珍しそうに見ながらサインする。
しかし、なかには「何でこの写真を使うんですか?」、「もうちょっといいのなかったですか?」、「写真は自分で選ばせてください」とブーブー言いながらサインする選手もいる。昔の写真もカードになっており、失敗パーマや思い出したくない髪形の写真がカードになって世に出回ることに抵抗を感じるのも判る。ロナウドだって2002年のカットは失敗だったと思っているはず。ただ、ロナウドの件は別として本人が気にしているほどまわりは気にしていないのだが、人気商売でもあるので選手の気持ちも判る。
担当者は選手を上手くいなし、なだめながらカードと写真にサインを書いてもらって、くじ引きの賞品にサインという付加価値をつけているのだった。他所のクラブでも似たような感じなのかもしれないが、グッズを用意し、それを買ってもらって満足してもらうということは大変なんだと、よ〜く分かった。担当者は思っているはず、「今度生まれてくるときはサインをする側になりたい」と。ご苦労様でした。
以上
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2010.07.24 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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栃木戦で発売される選手カード。一部を練習場に持ち込んで担当者が選手にサインを書いてもらっている。これがくじ引きの賞品となる
練習後、シャワーを浴びてからカードと写真にサインをする選手たち
機嫌よくサインをするマラニョン
秋本倫孝、大西容平、保坂一成のコラボカード。何のコラボかというと…答えは次の写真で
秋本、大西、保坂のコラボの理由は「2005年入団、ズッコケ3人組み」という括り。この豪腕無茶振りは某政党の前幹事長以上。でも、20年後は鑑定団で価値が認められる…はず。懐かしい写真が価値を生む…はず
石原克哉と藤田健のコラボカード。ここまで遡ると本当に懐かしい。この時代を知るサポーターは少ないはず。何の括りかと言うと…答えは次の写真で
マッカーサーが日本にいた頃ほどは古くはないが、石原と藤田は「2001年同期入団功労者」と労働組合っぽい括り
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