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Ｊ２リーグ戦第17節終了時で３位につけ、「首位の柏と２位の甲府にしっかりついていくことが大事」（江尻篤彦監督）だった千葉。だが、前節（第18節）は柏が横浜FCに１−１で引き分け、甲府が大分に１−０で競り勝ったのに対して、千葉は札幌に０−３で完敗した。これにより、柏との勝点差は12、甲府との勝点差は６に広がり、千葉は４位以下のチームの接近を許す形になった。
千葉にとって、Ｊ２リーグ戦の前半戦最後の戦いとなる今節は前節の問題点を修正し、後半戦の戦いに向けて立て直すための重要な一戦。ましてや今節の対戦相手は柏であり、直接対決は首位との勝点差を縮める絶好のチャンスだ。前節の敗戦、そして今節に向けて、７月21日の練習後の江尻監督は「僕は０−３の敗戦にむしろスッキリしている。（２−２で引き分けた第17節の）甲府戦よりもいい部分はあって、改善できているところもある。もちろん課題もあるが、悲観する必要は全くない。柏が首位だろうが、（第18節終了時に13勝４分と）無敗だろうが、うちは自分たちがやるべきことをやるだけ。ただ、僕たちがしっかりやらないと付け入る隙はない。しっかり準備しなければならない」と話した。
前節の反省点の一つは、試合の入り方が悪く、５分という早い時間にセットプレーの流れから失点したこと。「相手のシュートに寄せていない」（江尻監督）ことが問題だが、そこには「ボールウォッチャーになってしまって、自分のマークなど『人』に対して付く意識が足りなかった」（ＤＦ茶野隆行）という欠点がある。また、前節は札幌のスピーディーなカウンター攻撃に手こずったが、柏も守備から攻撃に転じてゴール前まで迫る速さは見事だ。常に『人』を意識して集中を切らさずに守らなければ、苦戦は必至となる。
一方、攻撃面では「回しているだけのパスにならないように、得点につながるパス回しをしないといけない」（ＭＦ倉田秋）。柏は前線から厳しくプレスをかけてくるだけに「足下のパスばかりだと相手もプレッシャーをかけに行きやすい。最初は相手の裏を狙ったりしてシンプルにプレーするのもいいと思う」（茶野）という意見もある。前節はビルドアップがうまくいかないことから苦しまぎれのロングパスも見られたが、メリハリをつけて細かいパスワークを生かすための意図的なロングボール攻撃ならば効果はあるだろう。
また、７月21日の練習では、江尻監督からミニゲーム形式の練習をする選手に「ダメだったら、やり直しでポジションをしっかり」「引いて（ボールを）受けたって、相手は（プレスが）強いよ」という声が飛んだ。「動き直してやる」（江尻監督）意識を高め、前節でも江尻監督からの指示にあったように、柏の堅守に対しても『粘り強く挑む』ことが重要だ。
柏が圧倒的な強さを持つチームであることは間違いないが、絶対に勝てない相手ではない。茶野は「前節の悔しい気持ちを柏戦にぶつける」と話した。千葉が勝利を欲する気持ちをプレーにこめ、攻守でやるべきことを完遂すれば、柏の無敗記録ストップは可能だ。
以上
2010.07.23 Reported by 赤沼圭子
