7月17日(土) 2010 J1リーグ戦 第13節
山形 3 - 1 仙台 (19:04/NDスタ/20,231人)
得点者:3' 秋葉勝(山形)、13' 梁勇基(仙台)、59' 田代有三(山形)、68' 田代有三(山形)
スカパー!再放送 Ch182 7/20(火)前05:30〜
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南の空にかかった虹はわずかな時間で夜の帳に消えていったが、その虹の光を反射するように、山形のゴール裏には白い大きなハートが浮かび上がった。キックオフ3時間前に設定されていた開門時刻は雷発生の影響で1時間半近く遅れ、開門後には雨も降り続いていたが、そんな喧噪が嘘のように、雨もあがり、風もやみ、少しひんやりとした空気がスタジアムを包んでいた。7番を先頭に13番がトリを務める2つの列が、いつものダービーと同じように、「オーバー・ザ・レインボー」と「カントリー・ロード」のメロディに送られて登場してきた。J1で初めて開催されるみちのくダービーの舞台が整った。
歓喜の瞬間は、予想以上に早い時間に訪れた。石川竜也がタッチライン沿いに速く正確なパスを送ると、縦に走りながら足元で収めた宮沢克行が菅井直樹と対峙する。かわして中へ入れたクロスは富田晋伍に引っかかったが、こぼれ球を拾った増田誓志が戻したボールを秋葉勝が左足の軽いスイングで当てると、緩い弧を描いたボールはGK林卓人の上を越えてゴールネットまで届いた。「試合前に雨が結構降っていたので、キーパーコーチの石野さんから、軽く蹴れば入るんじゃないかみたいなことを言われた」(秋葉)。開始わずか3分の先制ゴールだった。
梁勇基の直接フリーキックをクリアしきれず、11分で同点とされたあとは、組み立てながらサイドからの突破をはかる仙台の攻撃に自陣での時間が多くなるが、「新潟戦(第12節)のときはそのあとすぐ2点目を取られたりしてたので、そこはみんなで修正できた」(石井秀典)とメンタル面での成長を見せる。前線で張る田代有三との距離が遠くなったことで、奪ったあとの起点づくりや押し上げは機能しなかったものの、うるさく動くフェルナンジーニョに宮本卓也が粘り強く向き合い、朴柱成のドリブルには北村知隆がゴールラインまで戻って対応した。このダービーが移籍後初出場となった前田和哉も、バイタルで起点を潰す特長を見せた。
前半はやや耐える時間が多かった山形は、小林伸二監督が「後半もう一度、守備から見直した」とプランの基本に立ち返る。開始すぐには秋葉の右クロスにペナルティーエリアに進入した宮沢が胸トラップし、その2分後にも中央の増田から右サイドの北村まで低く速いボールが送られるなど、仙台のアプローチの緩さと守備への戻りの遅れを突くプレーが見え始めた。そして59分、中盤のプレスをかいくぐった増田がボールを受け前を向いたときには、すでに左サイドで宮沢も縦に走り出していた。「エリゼウ選手と菅井選手がこっち側に来ていて、有三(田代)と向こうの鎌田選手がどうなってるかという部分だった」と宮沢がゴール前に送ったボールは、やはりひと足早く動き出していた田代が鎌田次郎を振り切ってゴールに突き刺した。
再びリードした山形は、その9分後にも増田のシュートをGK弾いたこぼれ球に田代が詰め、この日2得点目となるゴールで3-1とリードを広げた。2-1とリードしたあとには、仙台が朴成鎬を投入してきたが、石井に代えてヘディングに強い園田拓也を送り込んでマークさせ、パワープレーの狙いを許さず、66分のコーナーキックから千葉直樹に浴びたヘディングシュートも、マウスの中にカバーに入っていた宮本がヘディングで跳ね返した。85分には途中出場の高橋義希に右サイドをえぐられ、マイナスクロスから梁がシュートを放つ場面もあったが、これ以外に打たれたシュートはほとんどがミドルレンジ。守備では最後まで集中を切らさず、逆に途中出場の古橋達弥がポスト直撃の惜しいシュートを放つなど、最後まで手を緩めることなく、記念すべきゲームを勝利で飾った。勝利を祝う花火が、あの虹よりも明るく、雷鳴よりも大きな音で夜空を彩った。
この試合の観客動員は20,231人と超満員。悪天候さえも、NDスタの記録更新を阻むことはできなかった。そして、その多くが青いサポーターだったことも大きな進歩だった。「2年前と違って、サポーターの数が半分じゃなくて、青色の数が多かったので、それも併せてうれしく思っています。少しずつですけど、山形にモンテディオというのが根を下ろしていければいいという感じがしていて、今日また勝てたので、そういう意味でもよかった」(小林監督)。J1初ダービーで、2万人越えの試合で、プレッシャーをはねのけ勝利したチームには、大きな期待を寄せるだけの可能性を秘めている。敗れた仙台の悔しは想像に難くない。9月、宮スタに乗り込むときのメンタリティは、やはりチャレンジャーでなければならない。
以上
2010.07.18 Reported by 佐藤円
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