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【J1:第13節 山形 vs 仙台】仙台側レポート:攻守においての違和感を改善できず、終わってみればスコアの面で完敗。久々のダービーは仙台にとってほろ苦いものに。(10.07.18)

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7月17日(土) 2010 J1リーグ戦 第13節
山形 3 - 1 仙台 (19:04/NDスタ/20,231人)
得点者:3' 秋葉勝(山形)、13' 梁勇基(仙台)、59' 田代有三(山形)、68' 田代有三(山形)
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仙台・手倉森誠監督が会見で開口一番、実感がこもった様子で「悔しい」と切り出す。それはもちろん、この一戦に照準を合わせて厳しいトレーニングを受け入れてきたグアムキャンプ組、出番を得られなかったワールドカップの記憶を胸に新たなスタートを切るべき一戦としたかったであろう梁勇基、さらには約2カ月ぶりのリーグ戦を前に意気上がっていたサポーター、皆同じ心境であることは間違いない。
とはいえ、この敗戦は現実だ。何が足りなかったのか、何が山形に劣っていたのか、どんなに敗戦と向き合うのが辛いことだとしても、それは検証して、次に向かって行かなくてはならない。

まず何より改善が必要なのはゲームへの入り方であることに、議論の余地はないだろう。筆者も含め、ダービーは双方固くゲームを始めていくのかと思っていたが、秋葉勝の意表を突いた素晴らしいミドルシュートで失点を許したのは、わずか開始3分の出来事だった。確かにあの場面は、利き足ではない左足で、振り抜くのではなくミートを心がけた秋葉のダイレクトシュートのコースを褒めるべきなのかもしれないが、それにしてもチーム全体がエアポケットに入り込んだかのような失点だった。
それでも仙台は、美技には美技とばかりに、こちらも素晴らしいゴールで一旦は同点に追いつく。13分、ゴール左45度でFKを得ると、キッカーは自らのキック技術を(世界の名だたる選手が苦しんだ大会公式球が、Jリーグで慣れ親しんだものだったという恩恵があったにもかかわらず)世界の舞台で披露する機会を得られず、悔しい思いをしていた梁。試合開始前から絶えず降り注いだ雨で、スリッピーとなっていたピッチの状況も活かすべく、梁が選んだキックは低い弾道によって速いバウンドでゴールに向かうもの。それが「イメージ通りワンバウンド」(梁)しつつ、さらに右足でのカーブがかかってゴール右を突くと、走り込みながらの難しい処理を強いられた山形DF陣の伸ばした足、さらにGK清水健太の手をかすめ、右ポストぎりぎりに吸い込まれていった。開始3分の失点を帳消しにする貴重な同点ゴールである。

この得点もあって、仙台は前半、持ち直したかに思われた。実際に、山形の攻撃の核であった田代有三には、ターゲットとなる田代に対しまずエリゼウが厳しく行き、鎌田次郎が加勢するというやり方で仙台センターバック陣が完璧な守りを見せていたこともあり、田代を孤立に追い込むことに成功していた。

だが、綻びはゴール前の争いではなく、別のところに、この時点から表れていた。仙台の右サイドがその部分だ。
この日、関口訓充、さらには太田吉彰と、本来ここを務めるべき選手を直前の負傷で軒並み欠いていた仙台の右サイドハーフには、田村直也が入っていた。攻撃のセンスは持ち合わせているものの、プロ入り後は、ボランチか左右サイドバックを主戦場としていた選手である。
「相手が1ボランチだったので、その脇を狙おう」と意図していた田村だが、それにより自ずと、プレー位置が中央寄りとなる。もちろんチームとしては想定通りであろうし、これにより攻撃で確固たる成果を残せられれば何の問題も無かったが、結果として仙台の右、つまり山形の左サイドのスペースは手薄となり、守から攻の切り替え時においてここに入り込んでくる石川竜也へのケアにチーム全体で後手を踏むことになってしまった。本来は攻撃にこそ持ち味を発揮する菅井直樹が、むしろ構造的な数的不利を抱えながら相手のサイド猛攻の前にさらされるという、まずい状況が生まれていた。
こうした伏線を踏まえれば、59分の失点も、決して「仕方のないもの」とは言えなくなる。左サイド低い位置でボールを持った増田誓志から、左前方へ飛び出した宮沢克行にスルーパスが出た時点で、裏を突かれた菅井は置いていかれ、さらにこれに連動してゴール前に合わせに行った田代に、両センターバック陣は先手を取られた。
こうして鮮やかに決まった山形のショートカウンターが決勝点となってしまった。その後の3失点目は、もはやゲームの結果を試合終了の笛を待つことなく、早めに決定させるだけのものだったと言える。

最後に、もう一つ改善点を挙げるとすれば、期待の新戦力、朴成鎬投入後の攻撃だ。2失点目の後に彼を投入、さらには続けて中原貴之を投入し、明らかなパワープレーを試みた仙台だったが、最後までチグハグ感は改善されなかった。時折、高さで競り勝つ場面、もしくは前線の足元にボールが収まる場面を作れていたものの、後半は6本のシュートの内訳を見るとボランチの千葉直樹が2本、菅井とエリゼウがそれぞれ1本ずつというように後方からのものが多く、ゴール前で崩してのフィニッシュは、左サイドで高橋義希からの戻しを受けてゴール前に飛び込んでいった梁の1本ぐらいだった。
せっかく手にした武器は活かさなくてはいけない。だが朴成鎬はなにしろ加入から1週間も経っていない存在。ここのフィットは時間が解決してくれると思いたい。

約2年ぶりのダービー、仙台は苦い記憶とともに敗れた。だが次のダービーでこの借りを返す…と言っていられる立場にいるためにも、すぐに続くリーグ戦で地道に勝点を積み上げていく必要がある。
この敗戦は、永遠のライバルが貴重な課題をくれた…そう考えるべきなのかもしれない。

以上
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