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【J2:第18節 横浜FC vs 柏】レポート:カイオ不在を乗り越え「岸野横浜FC ver.2」を確信させる粘りで、横浜FCが劇的な同点劇を演じる。(10.07.18)

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7月17日(土) 2010 J2リーグ戦 第18節
横浜FC 2 - 2 柏 (18:03/ニッパ球/8,121人)
得点者:45'+1 工藤壮人(柏)、45'+2 阿部巧(横浜FC)、47' 澤昌克(柏)、90'+5 戸川健太(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch185 7/18(日)後00:30〜
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長い中断後の初戦は、試合勘やコンディションが100%戻っていない中、チームに勢いを付けるという意味で、非常に大事な試合。柏は、昇格への一本道を確かにするため、横浜FCは中断前の好調を継続し、その進化を結果に結びつけるために、どちらも勝利が必要な試合であった。ドラマチックな4ゴールに彩られた試合は、2-2のドローで終わるが、どちらかと言えば横浜FCの進化、「岸野横浜FC ver.2」への確信が深まる試合となった。

試合は、実は前日から動いていたと言って良い。ブラジル国内での処理の遅れで移籍証明書が届かず、横浜FCが後半戦の目玉として獲得したカイオが、この試合に出場できないことが判明した。1週間、カイオの1トップを前提に練習していた横浜FCにとっては、大きな動揺があっても不思議ではない状況。しかし、「大黒抜き、カイオ抜き」でも、岸野靖之監督に鍛えられ、選び抜かれた選手は、首位柏に堂々たる試合を展開する。

柏・ネルシーニョ監督は「両チームの良さが出た」と表現したが、前半は、緊張感の高い神経戦が展開された。中断明け初戦の緊張感も伴い、ミスも見られる不安定な立ち上がりから、予想通り徐々に柏がポゼッションをしていく。しかし、前半の横浜FCは、ただ引くのではなく隙あらばゴールへの組み立てを狙う積極性も見せた。最初の決定機は27分。澤昌克が左サイドからのクロスにヘディングシュートを放つが、惜しくも外れる。横浜FCも32分高地系治がゴール左隅を狙ったシュートを外す。この時間から、お互いにダイナミック展開となる。そして、ロスタイムの45+1分、柏がここまで集中してきた横浜FCの守備陣に穴を開ける。素早いスローインからボールを受けたレアンドロ ドミンゲスからのスルーパスを、工藤壮人が冷静に決める。一瞬の隙を突く柏の強さを思い知らされる場面であったが、しかし、横浜も負けてはいない。45+2分、右サイドから武岡優斗があげたクロスに反応した西田剛のシュートは菅野孝憲に阻まれるが、全速力でゴール前に入った阿部巧が抑えの効いたダイレクトシュートをたたき込む。FC東京から期限付き移籍で加入したルーキーが初戦で大きな仕事をした。立ち上がりの神経戦から、ロスタイムのゴール奪取まで、がっぷり四つの展開で前半を終了する。

そして、後半、再び柏の強さを目の当たりにすることになる。47分、横浜FCの攻撃で両サイドバックが共に上がったところでボールを奪いカウンターを仕掛ける。横浜FCがカウンター攻撃をディレイさせることに失敗すると、スルーパス受けた澤が一度はキーパーに弾かれたボールを押し込む。粘っていた横浜FCをあざ笑うかのような、前半終了間際と後半立ち上がりのゴール。これまでの横浜FCであれば、「しゅんとしてしまう」(岸野監督)展開であったが、逆にここからの粘りで「岸野横浜FC ver.2」を横浜FCサポーターが確信することとなる。「戦い方は変えなかった」(ネルシーニョ監督)柏は少し余裕をもって自らのサッカーを展開するが、横浜FCは攻め続ける姿勢をキープ。71分に武岡を右サイドバックに下げてまでエデルを投入、77分には難波宏明を投入し、際どい場面を作り始める。83分に難波が決定的なヘディングシュート、90+3分には再び難波がボレーシュートを放つが、かつての同僚菅野にセーブされる。しかし、90+5分、ついに菅野の壁を再び打ち破ることになる。FKからのこぼれ球がエデルに渡ると、持ち前のドリブルで粘りクロスを入れる。そのクロスに戸川健太が反応しゴールに流し込む。その直後に試合は終了。終盤は、むしろ横浜FCが柏を押し込む積極性が実を結び、横浜FCが劇的なドローへと持ち込んだ。

横浜FCにとっては、90分間戦い続け終盤でこそ力を発揮する岸野監督が目指すサッカーを、首位柏相手に堂々と展開したことに大きな意味があるゲームとなった。バージョンアップはほぼ完了。強さを発揮するのは、カイオのような個の力だけに頼るのではなく、チームとして90分間戦い続けること。それに素晴らしい個の力が加われば、さらにその真価はさらに輝きを増すことになる。次は、この試合をベースに勝点3を奪い続けること。バージョンアップ後の新しいステージで求められるのは、この姿勢を貫くことだ。

一方の柏は、戦前の予想通り穴はないチームだったが、GK菅野が振り返るように横浜FCの勢いに押されて「隙を作ってしまった」ことは確か。今まで以上に首位柏には積極的な戦いを挑んでくる相手が増えることは間違いないだけに、改めてねじをまき直し、中断前のレベルに戻すことが求められるだろう。

この試合に集まった8,121人にとって、劇的な試合展開だけでなく「戦う姿」が詰まっていたという意味でチケット代に見合う試合だったと断言してよい。また、この試合の横浜FCを見る限り、今後もチケット代が安いと思える試合が続くことが期待できる内容だった。

以上

2010.07.18 Reported by 松尾真一郎
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