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約１カ月の中断の間、北九州は長崎や大分に出向いて練習試合を積極的にこなしてきた。遠征続きのハードなスケジュールにはなったが、選手たちは充実した表情を浮かべている。この１カ月をチーム最年長の桑原裕義は「ジョージさん（与那城監督）がやろうとしていることをトライしてきて、ミスもありましたけれど、チャレンジしてきた。順調と言えば順調だし、早く試合をやりたいという気持ち」と振り返った。
17試合７得点と決定力が大きな課題となっていた北九州は、新たにレオナルドと小森田友明を獲得。動きの速い選手を補強して好機を活かせるサッカーを目指す。レオナルドは「バイタルでワンツーしたりスルーパスしたりと遊び心もいるけど、もっと強引に持って行ってもいいと思う。ＤＦが粘り強く頑張ってくれているので何とかＦＷが点を取って楽にさせてあげたい」と話し、どん欲にゴールを狙いたいと力を込めた。与那城ジョージ監督もレオナルドを「爆発力がある」と高評価。競争が生まれることによる効果も指摘しており、実際にＦＷ宮川大輔も「いい選手なので、負けないようにしないといけない」とレオナルドを意識しているようだ。選手補強によって個の力が伸びただけでなく、競争によって全体的な底上げが図れたのは間違いない。得点力アップへ、この１カ月間の成果は必ず熊本戦で発揮されるはずだ。
北九州は熊本から移籍してきた選手もおり、各選手とも気合いを入れている。ＤＦ河端和哉は「ヒロ（西弘則）はいいドリブルを持っているし、熊本は個人でうまい選手が多い。福王（忠世）との対戦も楽しみ。リハビリも一緒にやってきた仲間だし、本当に楽しみな試合」と話す。河端はさらに北九州のチーム状態を「オモテだけじゃなく本当にいい雰囲気になっている」とも話し、「この試合で勝つことができえば、チームは次のステップに進める」と自信を覗かせた。関光博も「モチベーションが上がるというか、やってやろうという気持ちがある」と古巣との対戦に闘志を燃やしている。
熊本のサッカーは北九州にとっては楽なものではない。ＤＦ長野聡は「縦に早いイメージ。２トップがいいので、でもそこを抑えればチャンスはできると思う」。河端も「前にいい選手が多い。ある程度は繋いでくると思うけど、（北九州が）ぶれないでやればいい」と話すように、前線のスピードを特に警戒する。ただ、ピンチを招いたとしても最後の所で粘れるのもまた北九州の強み。熊本も簡単にはゴールを割れず、ロースコアのゲームが予想される。少ないチャンスを生かせるかどうかが勝負を分けるのは当然で、ＤＦが守り抜きつつ、力強く生まれ変わった北九州の攻撃陣が決定機をものにできるかどうかに注目したい。
さていよいよＪ２再開。重光貴葵はＷ杯フィーバーのＪリーグへの波及にも言及し、「同じ九州なので負けたくないです。Ｗ杯の勢いもあるので、ここで流れに乗っていきたいですね。勝てていないので、結果にこだわっていきたいです」と話していた。
ところで、7月14日未明からの集中豪雨で北九州市では小倉南区などの一部が被災。クラブは被災者支援を行うため熊本戦当日、本城陸上競技場に募金箱を設置し支援を呼びかける。
両チームの選手たちには雨雲を振り払う熱い戦いを期待したい。
以上
2010.07.16 Reported by 上田真之介
