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【J1:第11節 広島 vs C大阪】レポート:C大阪、圧巻の5得点。広島、自滅による大敗。(10.07.15)

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7月14日(水) 2010 J1リーグ戦 第11節
広島 0 - 5 C大阪 (19:04/広島ビ/5,334人)
スカパー!再放送 7/15(木)23:00 Ch.183
得点者:54' 家長昭博(C大阪)、74' オウンゴ−ル(C大阪)、79' アマラウ(C大阪)、83' 高橋大輔(C大阪)、85' 播戸竜二(C大阪)
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広島の完敗、C大阪の完勝。
句読点を入れても13文字で言い切れてしまうような試合である。

前半終了間際の高萩洋次郎退場が「13文字の試合」になってしまった大きな要因だ。ただ、この退場がなければ結果は逆になったのか。それは神のみぞ知る部分ではあるが、「そうなったはず」とは強弁できない。

立ち上がりから、広島の動きは重かった。開始早々、佐藤寿人のスルーパスから山崎雅人が裏に飛び出しシュートを放ったが、前半に創った「決定機」は他に槙野智章が直接FKをポストに当てたシーンのみ。一方のC大阪の「決定機」も29分に放った乾貴士のシュートくらいで、両チームとも「慎重に入った前半」(広島・ペトロヴィッチ監督)だったことは間違いない。
ただその中でも、どちらが「意図どおり」だったかと言えば、それはC大阪だろう。
「広島対策として、前からのプレスを徹底して練習していた」と高橋大輔は語る。広島の特徴であるストヤノフを中心とする最終ラインでのパス回しに対し、前線から圧力をかけにいくことは広島対策の常道だ。そこに加えて、C大阪は佐藤に対してセンターバックがマークを徹底。特に、ストヤノフやボランチから佐藤に入るクサビのパスを、厳しい身体の寄せではじき返した。
ただ、この2つの対策の副産物として、C大阪は中盤でスペースを与えてしまうことになった。ただ、そこは「仕方がない」と割り切っているかのよう。中盤をフリーにしても突破させなければいい。サイドを使われても、高さなら負けない。そんな確固たる自信が、茂庭照幸や上本大海らC大阪守備陣からは見えた。
だが、この手の対策は、広島は何度も経験済みのはず。最終ラインへのプレスをあざ笑うようにボールを動かし、相手の疲労を誘う。佐藤へのマークを逆手にとって、後ろから飛び出してくる選手が次々に数的優位をつくる。それが広島サッカーの真骨頂であるはずなのに、この日の彼らはズブズブとC大阪の術中にはまっていく。「一人一人の運動量が少なかった」と槙野が言うとおり、単純な「走る量」だけでなく「いいポジションを常に確保する」ためのクリエイティブな走りが少なかったことによって、広島から躍動感が失われ、相手の対策に対してもろにはまってしまった。

後半、1人少なくなった広島は、山崎に代えて青山敏弘をピッチに投入。中島浩司をアンカーに下げ、森崎浩司と青山をやや前に押し出す形をとった。「中盤を活性化したかった」とペトロヴィッチ監督はその目的を語るが、1人少ないという現実と「絶対に負けられない」という気持ちがプレッシャーとなったのか、佐藤を残して全員が自陣深くに引いてしまう。このため広島はクリア一辺倒となり、セカンドボールもほとんど拾えなくなった。
それでずっと守れていたならば、C大阪の焦りを誘うこともできただろう。しかし、54分に飛び出した家長昭博のテクニカルなシュートが広島のそんな希望を打ち砕いた。このシーン、確かに乾が家長にパスを出した後も走り、局面で2対1をつくった演出も意味が大きかった。ただ、広島がオーストリアキャンプでこだわっていた「球際の強さ」「アグレッシブな守備」ができていれば、家長が狙いすましてシュートを決めることができただろうか。
63分、佐藤が服部公太のクロスを点で合わせる美しいシュートを放つも、枠をとらえることができず。74分、中島のクリアがオウンゴールとなってしまい、試合はここで事実上決した。そこからはC大阪のゴールショーが展開され、ビッグアーチを奇妙な静けさが包みこんだ。

この日、広島には大雨洪水警報が発令され、各地で大雨による被害が続出したため、予定されていた広島県知事や広島市長のビッグアーチ来訪も急きょ取りやめになった。そんな状況でも、広島ビッグアーチには5,334人のサポーターが詰めかけ、最後まで声援を続けたのである。そんなサポーターの情熱を受け止めているのであれば、「これ以上、失礼な試合はできない」(服部)のは当然。中3日の横浜FM戦(7/18@広島ビ)で「上を目指して闘う」(西川周作)という目標にふさわしいチームであることを明確に提示する必要がある。「自分たちが残した結果。自分たちで責任をとらねばならない」(佐藤)のだ。
一方、これ以上ない好発進となったC大阪は、新鋭・清武弘嗣の活躍やアドリアーノの復帰など、好材料にも事欠かない。次節もまたアウェイでの闘い(7/17vs新潟@東北電ス)となるが、疲れに対する最大の妙薬は勝利だ。もともと個人能力の高い集団であるC大阪が、この日のようなチームとしての一体感と厳しい守備を持続させ、台風の目として注目を集める存在になる。そんなことを予感させた広島の夜だった。

以上

2010.07.15 Reported by 中野和也
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