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【J2日記】千葉:『帰ってきた』ルーキー(10.07.10)

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(C)赤沼圭子

「僕は小学校、中学校、高校と地元のジェフ(千葉の下部組織)でやってきて、ジェフ(千葉)は一番気になるチームです。だから、ジェフ(千葉)がJ1だろうがJ2だろうが問わない。僕はジェフ(千葉)でプレーしたいんです」
当時、順天堂大学4年生だった伊藤大介がそう話したのは、2009年9月20日。第89回天皇杯1回戦の東海大学vs順天堂大学の試合後だった。その試合を取材していた筆者はミックスゾーンで伊藤に試合(天皇杯1回戦)について話を聞いたのだが、伊藤が同年8月の千葉の仙台キャンプに参加していたこともあり、卒業後の進路についての話も聞いた。その際、その時点の千葉がJ1残留争いの渦中にあったため、「来シーズン(2010年)は千葉がJ2という可能性もあるが?」とちょっと意地悪な質問もしてみた。すると、伊藤は冒頭の言葉を口にして千葉への熱い想いをキッパリと語った。
だが、J1残留が確定していない状況下での来季の戦力編成作業は難しいものがあり、当時の千葉は伊藤に正式なオファーをまだ出していなかった。それどころか、後日の千葉のスタッフの話でわかったのだが、当時の千葉は伊藤の獲得を見送る方向で動き、その意向はそれとなく伊藤にも伝わっていたそうだ。
「僕がジェフ(千葉)に入れるように、ジェフ(千葉)の人に薦めてください」
筆者との別れ際の冗談めいた言葉には、伊藤の千葉への切なる願いが込められていた。

その後の千葉の状況の変化は、伊藤にとっては好転という形になった。9月就任の神戸清雄テクニカルダイレクターの強い意向もあって強化部の方針が変更となり、伊藤の獲得が決定。千葉では大学を経て千葉に『帰ってきた』初の下部組織出身の選手となった。
2010年1月17日の千葉の新体制&新加入選手発表記者会見での伊藤はとても晴れ晴れとした顔つきで、会見後のコメント取材で顔を会わせると本当にうれしそうに笑みを浮かべた。
「久しぶりに(千葉の)黄色いユニフォームを着ました。早く試合をやりたいですね」

だが、今季の千葉はJ2とはいえ、かつてないほどの激しいレギュラー争いもあって、伊藤はトップの公式戦出場どころかベンチ入りも果たせない日々が続いた。それでも、J2リーグ戦中断期間中の若手選手中心の韓国キャンプ、そしてチーム全体での館山キャンプで好調ぶりをアピール。7月3日の鹿島とのプレシーズンマッチでスタメン出場のチャンスをつかむと、29分、ペナルティエリアにうまく飛び出して冷静にシュートを決め、先制ゴールをゲットした。結局、これが決勝点となり、千葉が1−0で勝利を収めた。
「試合前はコーチに『自分ができることを精一杯やれ』と言われました。最初は緊張していたけど、(ゴールの場面は)トラップがうまくいったし、GKの位置もわかって、ゴールの右側が空いているのが見えた。でも、1点取れたけど、他のプレーでは物足りないところがあった。早くリーグ戦に出て、チームの勝利に貢献できるようにしたいです」
伊藤が報道陣にそう話していると、そばを通った坂本將貴が「1点取ったぐらいで天狗になるなよ!」と声をかけた。普段の練習ではクールダウンのジョギングで伊藤が巻誠一郎と並んで走りながら話す姿を見たこともある。約1週間後にはJ2リーグ戦が再開されるが、千葉がJ1に復帰するにはチーム戦力の底上げが必要だ。千葉を心から愛する伊藤のような若手の活躍、そして若手の成長を促す先輩の存在があれば、それも可能だろう。

以上

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2010.07.10 Reported by 赤沼圭子
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