7月3日(土) 2010Jリーグプレシーズンマッチ 駿河健康ランドデー
清水 0 - 0 甲府 (18:00/アウスタ/4,785人)
☆プレビュー・試合後の両監督、選手コメント
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結果はスコアレスドローということで、両チームとも雨の中で熱い声援を送り続けたサポーターを喜ばせることはできなかった。ただ、コンディション的にはまだ実戦に向けての調整ができていない中、どちらも収穫と課題を確認することができたという意味では、プレシーズンマッチらしいゲームであったことは間違いない。
試合内容としては、前半は清水が主導権を握り、後半は逆に甲府が盛り返すという展開。清水の選手たちは、プレビューでもお伝えした通りハードなトレーニングの影響で身体の重さをかなり残した状態だったが、「ボールは汗をかかない」という格言通り、相手よりも速くボールを動かすことによって、前半は自分たちのペースを作った。もちろん、パスを回すためには各選手が的確なポジショニングをとらなければいけないが、運動量が少ない中で、効率良くパスコースに動けたことは、収穫のひとつと言える。
逆に甲府のほうは、J1のトップチームを相手に警戒感を持ちすぎたのか、持ち味である前からボールを奪いにいくという部分が、前半は影を潜めた。プレッシャーに行こうとしても、相手との間合いを詰めきる前にボールを動かされ、サイドを変えられてアプローチが後追い、後追いになってしまう。また、清水ほど身体が重い状況ではなかったが、運動量的にも物足りない部分が見られた。
そんな展開の中で、清水は雨で滑るピッチにミスが出る場面もあったが、良い形でパスを回して相手ゴールに迫る場面を作っていく。13分には左からうまくパスをつないで崩し、15分には攻撃参加したセンターバック岩下敬輔の右クロスに、左サイドバックの児玉新が飛び込んでヘディングシュートを放つなど、新たな攻撃の形も見せた。22分にも、MFの山本真希が右に開き、逆に右FWの藤本淳吾が中に入って、山本真のクロスからヘディングシュートを見せるなど、流動的な動きでスペースを作り、それを生かすという形も見えた。
選手たちの手応えとしても、「今やっているビルドアップという部分で良い形ができたと思うし、何回か良い形でフィニッシュまで行けていた。ただ、フィニッシュの精度という部分は欠けていたと思う」(山本真)というのが全体的な意見。また、「(前線にボールを)入れたときのサポートのタイミングも少し遅かった」(長谷川監督)という課題も見られ、そのあたりは2週間後のリーグ再開に向けて、運動量と精度を上げていきたい部分となる。
後半になると、甲府に積極的な姿勢が出始め、逆に時間が経つごとに清水の運動量が落ちていく。また、後半15分の交代で、パウリーニョが左サイドからトップ下に移り、清水の守備ブロックのわずかな隙間に顔を出してボールを収めたことも、リズムをつかむことに大きく貢献した。
「後半はだいぶ前線でボールが収まって(全体を)押し上げてというところはできたと思う。そうなれば、前からボールを奪いにいくこともやりやすくなる。逆に、収まらないでボールを奪われてしまうと、また攻められてしまう恐さがあるので(守備陣も)後ろで構えてしまう部分がある」と、後半はベンチで戦況を見つめたキャプテンの山本英臣は振り返る。前半は、前線でボールが収まらず、押しこまれた状況から押し返せないという悪循環が見られたが、後半は前でタメができて、DFラインも押し上げることができ、それにより前線からのプレスも有効になるという好循環が生まれた。
その結果、自分たちのペースをつかんで相手陣内で戦う時間が増え、フィニッシュまで行く回数も増えた。シュート数は、清水が前半7本/後半6本、甲府が前半5本/後半10本。その数字を見ても、後半はJ1首位の清水を相手に、甲府が自分たちの形を作っていたことがわかる。
ただ、最後のゴール前のところでは、清水が清水らしい手堅さを見せる。ペナルティエリア内のシュートに対しては、DF陣が最後まで身体を張ったブロックを見せ、外からのミドルシュートにはGK山本海人がきっちりと反応。今季はケガで出遅れ、この試合が今季初めて有料入場者の前でプレーするゲームとなった山本海だが、金信泳の強烈なミドルシュート(ややブレ気味)も確実に弾き、クロスへの良い飛び出しも見せて、ポジション奪回に向けて大いにアピールした。
そうしたさまざまな収穫や課題が作用した結果として、試合の決着は0-0。2週間後のリーグ再開初戦で、選手たちがこの試合からどれだけ前進した姿を見せられるのか、そこはサポーターとしても大いに楽しみにしたい。
以上
■清水の再開初戦はこちら
7月17日(土)J1 第13節 清水 vs 磐田(18:30KICK OFF/アウスタ)
■甲府の再開初戦はこちら
7月18日(日)J2 第18節 大分 vs 甲府(18:00KICK OFF/大銀ド)
2010.07.04 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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