草津 vs 浦和（19:00KICK OFF/正田スタ）
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浦和の選手たちがオーストリアキャンプ（６月19日〜７月１日）で「最後の晩餐」を楽しんでいた６月３０日、草津の選手たちは草津温泉でミニキャンプ（６月29日〜７月１日）を張っていた。浦和は６月19日に成田空港を飛び立ち、ドイツ・フランクフルト経由でオーストリア・グラーツ空港へ。そこからキャンプ地であるバート・ラートカースブルクに入り約２週間を過ごした。一方の草津は６月２９日早朝にマイカーによる「あいのり」で前橋から約２時間半の草津温泉へ出発。午前中にお隣・嬬恋村で大宮とテストマッチを行った後、下部組織Ｕ２３の選手寮へ合流、２泊３日の温泉キャンプへ入った。
少なからずの予算を投じてオーストリアキャンプを実施した浦和と、必要最低限の予算でミニキャンプを決行した草津が、７月５日に正田スタで開催されるプレシーズンマッチ（PSM）で激突する。高田保則は「キャンプ地や日数はレッズとは違うけど（笑）、一緒に過ごすことでチームの結束は高まった。キャンプの成果を試す意味でもレッズ戦は楽しみ。個人的にはやってやろうと思っている」とハングリー精神をむき出しにする。Jリーグ再開を２週間後に控えて行われるPSMは両チームにとって重要な一戦となる。
草津にとっては、浦和をホーム・正田スタへ招く「ビッグマッチ」だ。指定席は早々に完売し、メイン自由席（草津側）も残りわずかとなっている。また試合当日はJR東日本の協力のもと試合開始・終了時間に合わせてJR大宮駅―JR前橋駅の臨時列車が運行される。月曜日のナイトゲームとなるが、正田スタはJ再開の熱気で包まれることだろう。草津・植木GMは「レッズを群馬県に招くのは初めてのことで、レベルの高い選手やプレーを間近で見られる貴重な機会だ。うちも相手がレッズだからといって臆することなく思い切りぶつかっていく」と語る。
オーストリア帰りの浦和は１日に大原でトレーニングを行い、２、３日を休養に充てた。そして４日に調整を行い、５日の草津戦に備えている。PSMの共同会見に出席した浦和・柱谷幸一GMは「フィンケ監督は『後半戦に向けたベストメンバーで戦う』と明言している。J再開へ向けて弾みをつけるようなゲームを魅せたい」と力を込める。浦和はキャンプでスパルタ・プラハなど強豪と４試合のテストマッチを行い２勝１分１敗。メンバーを見るかぎりは様々な組み合わせを試しており、この草津戦からJリーグ再開モードに切り替えていくことが予想される。
群馬のサッカーファンがとりわけ楽しみにしているのは、地元前橋への凱旋となる細貝萌のプレーだ。前橋ジュニア時代からその名を広く轟かせ前橋育英高を経て２００５年に浦和へ加入した。細貝を指導した前橋育英・山田耕介監督は「最初は司令塔タイプだったが、彼の最大の特長は攻守の切り替えの速さと守備能力の高さだった。本人がそれに気付いてから一気に成長していった」と評していたが、その能力はここ数年でさらに加速。柱谷幸一GMも「球際も強いし、これからの世界基準で戦える選手。４年後の日本代表の中心となりえる」と高い評価を与えている。
草津では前橋育英高時代の同期にあたる後藤涼、伊藤拓真、さらには１年先輩・常澤聡らが細貝との対戦を待ちわびる。ＧＫ常澤は「細貝は１つ後輩だし、うちのホームでの試合なので絶対に仕事はさせない」と細貝封じを発令。後藤は「ハジ（細貝）は高校時代からスゴくて別格だった。ハジの存在があるから自分がここまでやって来られた部分もある。自分に子どもが生まれたことをまだ伝えていないのでゴールを決めてゆりかごダンスで報告したい」と再会を心待ちにしている。
中断期間までの12試合を４位で折り返した浦和はタイトル奪還を視野に後半戦のリスタートを切る。一方の草津は、屈辱の最下位で中断期間を迎えてしまったが巻き返しを図るべく危機感を持ってゲームに挑む。「プレシーズンマッチではあるがJ1クラブから学ぶことは多い。このレッズ戦で弾みをつけたい」（副島博志監督）。
ワールドカップ南アフリカ大会による中断期間は、日本代表の進撃によって国内のサッカー熱が一気にヒートアップした。Jリーグから代表へと渡った日本サッカーの「バトン」は、このプレシーズンマッチで再びJリーグへと戻ってくる。
以上
■草津の再開初戦はこちら
7月17日（土）J2 第18節 草津 vs 福岡（19:00KICK OFF/正田スタ）
■浦和の再開初戦はこちら
7月18日（日）J1 第13節 Ｇ大阪 vs 浦和（18:00KICK OFF/万博）
2010.07.03 Reported by 伊藤寿学
