本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【林健太郎引退試合 甲府 vs 林健太郎とゆかいな仲間達】レポート:林健太郎ラストゲーム・お互いの気持ちが噛み合った引退試合(10.06.28)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
6月27日(日) 林健太郎引退試合
甲府 2 - 1 林健太郎とゆかいな仲間達 (17:00/小瀬/6,331人)
得点者:19' 柏好文(甲府)、27' 前園真聖(林健太郎とゆかいな仲間達)、83' 林健太郎(甲府)※PK
----------
「人生の中で最高の宝物になった」

「応援してくれた方への感謝の気持ちは一生忘れない」

「一つだけはっきり言えることは、このチーム(甲府)の力になりたい、サポートしたい」

試合後の記者会見で林健太郎はこう話した。サポーター、クラブにとって一番嬉しい言葉だった。

午後2時30分に開場となり、早い時間から行列を作ってくれていたサポーターが続々とスタジアムに入ってくると、徐々に雰囲気が出来上がっていった。Jリーグの社長会の南アフリカ・ワールドカップ視察から帰国したばかりの海野一幸社長は「(引退試合の)こういう雰囲気もいいなぁ」とクラブ初の引退試合がいい雰囲気で始まろうとしていることを楽しんでいた。試合前の花束贈呈では南アで買ってきたブブゼラを「ヴヴヴヴッー」吹き鳴らしてスタジアムを盛り上げ(写真)、仕上げにそれを林に手渡し、林が「スーッッ」と空かしてして「無理だよ(笑)」と言うと更に盛り上がった。

サポーターが楽しみにしていた試合も森島寛晃、前園真聖らJリーグ、日本代表のスター選手だったOBや甲府のOBが先発する「林健太郎とゆかいな仲間達」が、ここぞという時だけ走ることで体力をセーブして、小瀬を沸かせてくれた(写真)。前半27分には「林以外全員交代」というフィールドプレーヤー9人同時交代という前代未聞の記録員泣かせの交代劇も面白かったし(写真)、スタジアムDJと地元テレビ局のアナウンサーが茶化しながら行ったスタジアム実況も楽しさを倍増してくれた。甲府の若手選手がもう少し魅せてくれることを期待していたが、若いだけに大先輩を相手にメリハリの付け方が不十分だった点はやや残念だったが、ペナルティのワッキー(脇田寧人)が、茶化しに反応してスタンドを沸かせてくれた。そして、前半40分には柱谷哲二監督が背番号5番のユニフォームに着替えて「交代、俺」でピッチに入る。日本代表の闘将も45歳、スキーブーツを履いているような動きだったが、「闘将・柱谷哲二が小瀬でプレーしている」ということだけで満足できた。林のために小瀬に来てくれていた東京Vのサポーターも楽しめたはず。

後半は倉貫一毅(徳島)、羽地登志晃(徳島)、宇留野純(熊本)、須藤大輔ら現役選手が中心となってプレーする「ゆかいな仲間達」に対して、林が入った甲府はJ1時代に一緒にプレーしたレギュラークラスが登場。甲府は前半の決定機にゴールが決まらなかった林に点を取らせるために林にボールを集めるが、ビジュ(ツエーゲン金沢)が空気を読まずにガチガチ跳ね返す。甲府も楽しそうにプレーしていた秋本倫孝が、ワッキーのボールをケガをさせない程度にハードに奪いに行くなど、後半はクオリティが高い戦いの中で楽しませてくれた。林とワッキーは桐蔭学園高、市船高時代から知り合いで、最初の出会いは桐蔭が無名に近い時期に市船に練習試合に行った時だった。ワッキーが言うには「お互いに2年生の時でした。当時、市船は強くなっていて無名の桐蔭をナメて試合をしたら、ボコボコにやられたのを覚えています(笑)」という出会いだった。選手がオーバーに倒れたときに「おばけの救急車」が出動しなかったことは残念だったが、スタジアム実況が「小瀬の芝生が伸びて…」と振れば、「ヴィィィーン」と芝を刈ってくれるなどワッキーは終始サービス精神旺盛で、友達の引退試合を盛り上げる素晴らしい仲間だった。

そして、最大の盛り上がりは後半87分のPKに繋がるファールのシーンから始まった。甲府の選手が倒された瞬間に一基の照明塔のライトが消えてしまったのだ。誰もが思い出すのが、05年の柏との入れ替え戦。記者席で「思い切った(自虐的)演出をするなぁ〜」と隣の記者と感心していた(真実は操作ミス)。ダイビング気味だったが、レフリーもエンターテイメントに協力してPKを取ってくれた。レフリーにとってPKを取っても一切ブーイングされない初めての経験だったはず。前半は「GKを見過ぎた(林)」ためにPKをポストに当てて外していたが、今度は決めてみんなを満足させたのだが、GKが甲府のかつての守護神・阿部謙作(藤枝明誠高教員)でキッカーが林と、昨年引退した選手同士なのでどちらも応援したくなるようなPKでもあった。最後は林がPKを決め、甲府が2-1で勝って丸く収まり、全員が大満足して引退試合を終えることが出来た。

試合後、ピッチで林はサポーターに向かって言った。

「甲府にいた4年間で山梨の人に多くの借りを作ったが、引退試合までしてもらって更に借りを作ってしまった。将来、いつか、どんな形であってもこのチームに戻って来たいと思います」

この言葉に小瀬が大きく沸くと、「(自分一人で決められることじゃないので)約束は出来ないけれど、希望として受け取ってください」と林が言葉を続けたが、もうサポーターは林が指導者として甲府に戻ってくることを期待しているはず。今は小学生を指導する中で「子供に伝えることは難しいので、言葉や表現方法を増やさないといけないと思っている。でも、この経験が将来役立つと思う」という林が、どんな指導者になるのか甲府サポーターは注目している(写真)。林健太郎のような素晴らしい選手が言った「甲府に戻って来たい」という言葉を大切にしたい。

以上

■ヴァンフォーレ甲府再開後最初のホームゲーム情報
7月25日(日)J2 第19節 甲府 vs 栃木(18:00KICK OFF/小瀬チケット販売はこちら

2010.06.28 Reported by 松尾潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/01(木) 20:45 ハイライト:広島vsシュトゥットガルト【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】