6月25日(金) 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
デンマーク 1 - 3 日本 (03:30/ロイヤ/27,967人)
得点者:17' 本田圭佑(JPN)、30' 遠藤保仁(JPN)、81' トマソン(DEN)、87' 岡崎慎司(JPN)
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タイムアップの瞬間、岡田武史監督らベンチの人間全員が熱い抱擁を交わし、ピッチ上の選手たちも喜びを爆発させる。先制点となる直接FKを決めマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に輝いた本田圭佑(CSKAモスクワ)も岡崎慎司(清水)とがっちりと抱き合う。2大会ぶりのベスト16進出を決めた日本の面々の表情は自信に満ち溢れていた…。
引き分け以上でグループE2位以内が決まるという優位な状況で、24日のグループリーグ最終戦・デンマーク戦を迎えた岡田ジャパン。堅守をベースに素早い攻撃を仕掛けるという彼らの基本的な戦い方はカメルーン戦、オランダ戦と変わらなかった。指揮官はこれまでと全く同じスタメンを起用。ただ、今回はもう少し攻撃に厚みを持たせようと中盤の形を少し変更。阿部勇樹(浦和)と遠藤保仁(G大阪)のダブルボランチに配し、攻撃的MF(右から)に長谷部誠(ヴォルフスブルク)、大久保嘉人(神戸)、松井大輔(グルノーブル)の3人を置くという布陣でスタートした。対するデンマークも通常通りの4−2−3−1で始めたが、本来右ウイングのロメダールとトップ下のトマソンの位置を入れ替える形で試合に挑んだ。
序盤の日本はオルセン監督の奇策に戸惑い、ゾーンの間のスペースを使われ、トマソンに2度3度と鋭い飛び出しを許してしまった。選手たちの混乱を察知した岡田監督は10分程度で元の4−3−3に戻すことを決断。これで守りが落ち着く。
本田の値千金の先制弾は、この直後に生まれた。前半17分、彼は右サイドの約30mの位置から無回転の強いFKを蹴った。ボールは落ちながらゴール左隅へ。さすがの名手・ソーレンセンも止められなかった。
早い時間帯の一撃で、勝たなければならないデンマークは焦り、さらに前がかりになるが、有効なチャンスを作り出せない。苛立つ相手を尻目に、日本は2点目を挙げる。前半30分。大久保がクロルルップに倒され得た好位置でのFKを、今度は遠藤が右足でゴール右隅に蹴りこんだのだ。1本目を決めている本田は「もう1回蹴りたい」と主張したが、遠藤は「俺が蹴る」とキッパリ言い、蹴った瞬間に決まったと感じた会心のシュート。「この大会では直接FKが決まっていなかったんで、ぜひ決めたかった」と彼は満足そうに語った。
前半終わって2−0。これは両者にとって予想外の展開だっただろう。岡田監督は残り45分間を守りきればいいが、オルセン監督は3点を取らなければ敗退が決まる。後半はなりふり構わず攻めてくると思われた。
案の定、後半のデンマークはアーリークロスやハイボールをベントナーら前線に集めてきた。6分、7分にはトマソンが立て続けに決定機を迎えるなど、勢いづく。さらにオルセン監督はクロルルップを下げてFWのラーセンを投入。さらには18歳の新星・エリクセンまで起用し、時には4トップにしてパワープレーを仕掛けてきた。
日本は中澤佑二(横浜FM)と闘莉王(名古屋)を軸に怒涛の攻めを懸命に跳ね返す。だが、攻撃に厚みを出せず、デンマークの捨て身の攻撃に防戦一方になってしまう。標高1500mの高地でのタフな3戦目ということで、体力面が懸念されたが、何とか足を止めずに走り続け、相手をゴール前に侵入させない。後半35分、不運にも長谷部がアッガーをペナルティエリアで押したと判定され、トマソンにPKを決められるが、それでも集中力は切れなかった。
圧巻だったのが42分に決まった、途中出場の岡崎のダメ押し点。中盤でボールを受けた大久保が、巧みな反転から相手を振り切ってゴール前を走る本田へパス。本田もしっかりとDFの動きを見ながらドリブルでかわして中央に飛び込んできた岡崎にラストパスを送る。岡崎はこれを合わせるだけでよかった。
「(本田)圭佑に出してもらえたから決められた。ワールドカップでゴールを取るのが、こんなに大変なのかということがわかった」と本人も安堵する得点が加わり、日本は3−1で勝利。3試合終えて2勝1敗のグループ2位で16強入りを決めた。
この試合では本田が際立った存在感を示した。1トップに入ってまだ3試合目だが、空中戦の競り合い、ボールキープ、チャンスメーク、シュートへの意欲とどれと取ってもデンマーク守備陣に引けを取らない。むしろ余裕を感じさせるプレーぶりだった。本人は「カメルーン戦とこの試合だけで自分がFWらしくなったというのは早い。まだ先がある」と慎重な姿勢を崩さなかったが、彼の急成長ぶりは実に目覚ましいものがある。本田の存在は今の日本代表に不可欠。彼を筆頭に2年前の北京五輪で3戦全敗の屈辱を味わった選手たちの台頭がなければ、岡田ジャパンの16強入りはありえなかっただろう。
2点目を挙げた遠藤も大黒柱らしい落ち着きと安定感を示した。彼も代表での大舞台は99年FIFAワールドユース選手権(ナイジェリア)以来だと言っていいと思うが、アフリカは相性のいい地なのかもしれない。「11年前とは一概に比べられないけど、今のチームにも一体感がある」と彼は強調する。かつて準優勝を果たした経験を、ここから先のトーナメントで生かしてほしい。
そして中澤・闘莉王ら守備陣の頑張りも見逃せない。デンマーク記者の中には「日本のセンターバック2人は南アフリカW杯でも屈指」と言い切る人もいる。それほど彼らの働きぶりは光っている。周囲の長友佑都(F東京)や阿部らの献身的なサポートもあって、いい守備システムが構築されているのも現在の好調につながっている。
次の相手は難敵・パラグアイ。29日(日本時間23:00)にプレトリアで対戦するが、簡単には勝てる相手ではない。まずはしっかりと休養を取り、コンディション回復に努めること。それから全てが始まる。本当の戦いはこれからだ。
以上
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【SAMURAI BLUE(日本代表)今後の試合予定】
6月29日(火)23:00(日本時間)
SAMURAI BLUE(日本代表) vs パラグアイ代表
プレトリア/ロフタス・ヴァースフェルド・スタジアム
※この試合はスカパー!・TBS系列で全国生中継
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