6月14日（月）2010FIFAワールドカップ南アフリカ 日本 vs カメルーン（23:00KICK OFF/ブルームフォンテーン）
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06年のドイツ大会で受けた屈辱を晴らすのに、時間としての4年間は十分なのか、それとも不十分なのか。その答えがいよいよ出ようとしている。
11日に南アフリカvsメキシコの試合で2010年ワールドカップ南アフリカ大会が開幕。その日本代表の初戦がいよいよ近づいてきた。対戦相手はアフリカを代表するチームの一つであるカメルーンだ。
岡田武史監督が掲げているベスト4進出という目標を達成するには、まずはグループリーグを突破する必要がある。そしてそのためにはグループリーグ初戦が何よりも重要であり、まさに今大会の行方を決める大一番となる。

そんな中、日本代表が揺れている。これまでに作り上げてきた戦術が、2010年に入り急速に色あせてきたのである。2月に行われたベネズエラ戦に始まる2010年の日本代表の戦いは、東アジア選手権で迷いを見せ、4月のセルビア戦に始まる国際Aマッチ4連敗という結果で地に落ちてしまった。客観的に見て非常に難しい状況で迎える一戦となったが、希望がないわけではない。
5月30日のイングランド戦後、前日本代表監督のオシム氏はグラーツ市内のホテルにて「1週間、2週間で全く違ったチームにすることは無理」であるとした上で「チームがノーマルに機能するところに戻す」ことの必要性を説いていた。この言葉の前提として、オシム氏はイングランド戦を高く評価しており、あの内容の試合ができるのであれば、少なくとも攻守が機能していた頃の日本代表に近づくことができると説いたのである。ただし、それが簡単なことではないのはイングランド戦に続いて行われたコートジボワール戦での低調な戦いで明らか。
つまり繰り返しになるが、現時点で日本代表を取り巻く環境は非常に厳しいものがあると言える。そうした状況の中に希望を見出すとすれば、岡田監督が守備の安定を重視し始めたという点であろう。イングランド戦で見せた内容のある戦いは、阿部勇樹（浦和）のアンカーでの起用で実現した。阿部を中盤の底に据えることで守備面での安定感がもたらされ、イングランド代表を慌てさせる原動力となった。内容自体はよくはなかったが、コートジボワール戦でも阿部は先発出場しており、守備的な意味で中盤を厚くする方向性を明確にしたのである。
オシム氏が、日本代表をノーマルな状態に戻せると判断した起点となったのがイングランド戦であるとすれば、その方向性を継続させる形で岡田監督はチーム作りを進めており、それは希望になる。ただし10日に行われた練習試合のジンバブエ代表戦でも思ったような成果を出せておらず、不安の種は尽きない。

日本代表が結果を出すとすれば、その原動力は1トップに入るであろう本田圭佑（CSKAモスクワ）になるはず。長らくトップに入ってきた岡崎慎司（清水）と比べると、周りの選手とのコンビネーションに難を残すが、彼にはそれを補える得点感覚がある。オランダで開眼した得点へのこだわりを、この大舞台で発揮してもらいたいところだ。

守備面では、日本代表の右サイドがポイントとなりそう。サイドバックでは縦への攻撃力が魅力の内田篤人（鹿島）ではなく駒野友一（磐田）や今野泰幸（F東京）の優先順位が高そうだが、それは左ウイングのサミュエル・エトーや、左サイドバックのブノワ・アスエコットへの対応を優先させているからであろう。また、松井大輔（グルノーブル）を右サイドのトップで起用した8日の紅白戦後に、岡田監督はその理由として左サイドバックのブノワ・アスエコットの名前を出して説明。「カメルーンはそこからのクロスが得点源」とした上で「ボール際でブノワ・アスエコットに対して、松井は戦える」話している。実際にカメルーンは、6月1日に行われたポルトガルとの対戦で、ブノワ・アスエコットからのクロスにぴピエール・ウェボが頭で合わせ、一矢を報いている。そうした場面も考慮に入れた岡田監督の発言であると言えそうだ。

サミュエル・エトーを擁するカメルーンは攻撃力に魅力を見せる一方で守備に課題を残しており、日本代表が得点できる可能性は十分にある。そしてグループリーグを突破するには少なくとも1勝する必要があり、それがこの試合になれば一気に視野が開けることになる。
日本代表と日本サッカー界が費やしてきた4年間の月日が無駄ではないことを証明するためにも、そして決勝トーナメントへの進出を目指すためにも、ぜひとも勝点3を手にしてほしい。サポーターの皆さんの盛大な声援を期待しつつ、選手には死に物狂いで走りまわってほしい。

以上

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【SAMURAI BLUE(日本代表)試合予定】
■2010FIFAワールドカップ南アフリカ グループE
2010年6月14日（月）23：00（日本時間）／ブルームフォンテーン
SAMURAI BLUE(日本代表) vs カメルーン代表
※この試合はNHK総合テレビ、スカパー！にて生中継！

2010年6月19日（土）20：30（日本時間）／ダーバン
SAMURAI BLUE(日本代表) vs オランダ代表
※この試合はテレビ朝日系列、スカパー！、NHK-BS1にて生中継！

2010年6月24日（木）27：30（日本時間）／ルステンブルグ
SAMURAI BLUE(日本代表) vs デンマーク代表
※この試合は日本テレビ系列、スカパー！にて生中継！

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2010.06.13 Reported by 江藤高志