前半戦で勝点が伸び悩んだ富山にあって、明るい話題のひとつがFW苔口卓也選手の活躍だ。オフに移籍してここまで今季4得点。昨季までのC大阪(※)時代6年間(J1・J2通算95試合出場)に挙げた通算ゴール数と並んでいる。名実ともに“富山の苔口”となる次の1点をチームもサポーターも心待ちにしている。
富山での初先発は第5節の横浜FC戦。初ゴールを挙げてチームの今季初勝利に貢献した。抜群のスピードと突破力が、堅守速攻のチーム戦術にマッチし、その後は3試合に1点のペースで得点し、アシストも4つを数える。第9節の草津戦からは「プロになって初めて」というプレースキッカーに抜擢され、最初のコーナーキックでDF堤健吾選手のJリーグ初得点を演出した。北京五輪代表候補として将来を嘱望された24歳の大器が本領を発揮しつつある。
短期間でチームにとけ込み、信頼関係を構築できたことが大きい。自身の努力はもちろん、富山のチームカラーも彼の躍進を後押ししたといえる。チームにはJFL時代からサラリーマンやアルバイトをしながらサッカーを続けてきた苦労人が多く、協調性を重んじる風土がある。苔口選手の個性を尊重し、彼はその配慮や期待にプレーでしっかり応えた。好循環がはたらき、試合を重ねるごとにコンビネーションが良化した。「みんなが自分の動きを見てくれている。スルーパスの強さの加減も合ってきて、自分の良さが理解されていると感じる」。初先発から約1カ月、第12節・岡山戦後に手ごたえを語っている。
自称「天然」という飾らない人柄も好感を持たれているようだ。富山の印象を尋ねると、「冬の雪にはびっくりしたが、故郷の岡山と同じでのんびりした雰囲気が好き」と屈託がなかった。
現在、楚輪博監督から与えられている課題のひとつが、前線で守備にも貢献するハードワーク。「(ポジションを争う同じFWの)ヒデさん(石田英之選手)はすごくハードワークするので刺激になっている。どちらかといえば苦手な部分だったが、今季のテーマとして最後までやり遂げたい」と話す。「富山で花を咲かせたい。終わって達成感のあるシーズンにしたい」との思いを胸により高みを目指していく。
以上
(※注:記録は2008シーズンの千葉への期限付き移籍期間を含む)
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2010.06.11 Reported by 赤壁逸朗
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