さる5月30日、福岡市役所前広場で「HIBINO CUP 2010 FUKUOKA」が行われた。HIBINO CUPとは、日比野克彦氏が監修するスポーツとアートが融合したサッカー大会のことで、参加資格やチーム編成に制限はなく、子どもから大人まで誰もが等しく参加できる。第1回大会が行われたのは2005年(@水戸)。16回目を迎える今大会には大会最多となる25チームが参加した。
さて、HIBINO CUPの最大の特長は、試合で使う道具を全て手作りするという点にある。参加チームは試合前に渡された大きな段ボール数枚とエアパッキンでゴールとボールを作る。作成するにあたっては、2010FIFAワールドカップ南アフリカを記念してアフリカをテーマにすること以外には、その大きさや形に一切の制限はない。
大きな段ボールに絵具やマジックを使って芸術的(?)な模様を描いたゴールを作るチームもあれば、切り抜いた段ボールを組み立てて、オブジェのようなゴールを作るチームもある。その形は千差万別。それぞれのチームカラーが色濃く反映されていて面白い。
ボールの形も様々。固く丸めて、サッカーボールと同じようなものを作っているのは、むしろ稀。ボールに長いしっぽがついていたり、座布団のように平べったかったり、中には、アフリカをモチーフにして蛇がとぐろを巻いたような形のボールもある。
そして、身につけるユニフォームも手作り。持ち寄ったTシャツに思い思いの模様を描いていく。背番号代わりに「社長」「専務」「受付」などとユニフォームに書いているチームもある(ちなみにアビスパ福岡ホームタウンコーチ・チームです)。
そして準備が整ったら試合開始。グループリーグを戦って各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出し、一発勝負で栄光のHIBINO CUP争奪戦を繰り広げる。対戦は9メートル×5メートルのフィールドで行われ、人数はGKなしの5対5。ゴールに当たれば1点がカウントされる。ここからはHIBINO CUPならではの真剣勝負が始まる。
参加しているのは小さな子どもから大人まで。サッカー経験度で言えば、全くの初心者から、アビスパ福岡のホームタウンコーチ、なでしこリーグ所属の福岡J・アンクラスのレギュラーチームまで、様々な実力の選手たちが揃う。しかし、誰も手加減を加えずに、大人も子どもも、経験者も素人も、みんなガチでぶつかり合う。
なぜなら、フットサルよりも狭いコートと、転がらず、飛ばないエアパッキン製のボールが互いの体力・実力差を相殺してしまうから。必然的に、誰もが年齢、経験、性別を忘れて真剣にぶつかり合う。これが堪らなく面白い。
中でも、ガチ度が最も高かったのがアビスパ福岡ホームタウンコーチ・チーム。素人相手にガチでぶつかって、圧倒的な強さで優勝を飾った。しかし、突き抜けた真剣さは、むしろ、人の心を引き付けるもの。コントロールするのが難しいエアパッキン製のボールを巧みに操る技術の高さは、いつしか参加者の目をくぎ付けにしていた。そして、表彰式では、お立ち台でカップを高々と掲げるというお約束のポーズをとって大会は幕を閉じた。
勝者も敗者も、そして大人も子どもも、真剣にサッカーを楽しんだ1日。真剣だからこそ、サッカーの面白さがより際立ち、また大会に参加したくなる。ちなみに、私もアビスパ福岡ホームタウンコーチ・チームの一員として特別参加。取材をしながらのプレーだったが、コーチ陣のアシストを受けて3得点を挙げた。いやいや、ゴールを挙げた瞬間の喜びは何物にも代えがたい。いまからでもサッカーをトレーニングするのも悪くないな。そう呟いて、出っ張ってきたお腹をさすりながら会場を後にした。
以上
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2010.06.11 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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開会式であいさつする日比野克彦氏。自身もエキジビションマッチに参加した。
まずはユニフォームづくりから。アイデアを出し合って個性あふれる図柄をTシャツに描いていく。
決勝戦はアビスパユース(左)と、アビスパホームタウンコーチの対戦。ガチでぶつかり合う迫力に、会場は拍手喝さいだった。
試合後、記念撮影する南当仁キッカーズ。後ろに映るのはデザイン賞に輝いた自慢のゴール。
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