6月5日(土)J2 第16節 徳島 vs 水戸(16:00KICK OFF/鳴門大塚)
スカパー!生中継 Ch184 後03:50〜
--試合速報--
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前節の福岡戦は徳島にとって非常に苦いものとなった。その前(14節)の札幌戦で掴みかけた復調の兆しをそのまま持ち込み闘いたかったのだが、結果は福岡の勢いにほとんどの時間押される格好となり、4試合ぶりのゴールだけでなく効果的な攻撃の形さえなかなか作らせてもらえず。チームは再び停滞の中に沈んでしまったのだ。
ただその一戦、苦しい内容を強いられたが故に、角度を変えて捉えれば徳島には現状打開へ繋がるひとつのヒントが見えた貴重な戦いだったようにも思える。なぜなら福岡の見せたハードプレスが今の徳島の大きな問題点を浮き立たせてくれていたからで、実際にそのヒントとなる場面はそれを教え示すかのように何度も繰り返し起きていた。
徳島はせっかくボールを奪っても距離の近い味方へ預けることが多く、それによってすぐに厳しいプレスを受けていたのである。そのため奪った局面近くで再びボールを失うか、何とかキープしてもそこに時間が掛かったことで有効な組み立てが出来なくなっていたのだ。事実、島田裕介も試合後に「一番効果的なのはカウンターですね」とその部分にリンクするニュアンスのコメントを残している。
となれば、今節は守から攻へ転じる時のファーストパスに広がりを意識しておきたい。その実践が出来たならチームは相手の最初のアプローチをかわして攻撃の芽を生み出せるに違いないし、その後のゴールへと向かうアタックにもタイミングの早さが加わることで可能性を膨らませられるであろう。守備ブロックがまだ整っていないところへの仕掛けはやはり大きなアドバンテージになるのだから。そしてそれについてのキーマンはおそらく濱田武ではないだろうか。当然前記の意識はピッチ上の全員が持たなくてはならないが、中でも広い視野を持ち冷静にボールを散らせるこのボランチが素早く正確なタクトを振れたなら、きっと徳島の攻撃は一気に息を吹き返せるはずだ。
さらに今節迎える相手が水戸であることはその重要性をいっそうクローズアップすると言えよう。
水戸は開幕からここまで複数失点を許したゲームが僅か1試合(9節・東京V戦/0-4)と充実した守備を誇る組織。そのうえ木山隆之監督もが「本当に素晴らしかった」と最大級の賛辞を送るほどの戦いを見せ千葉を降した前節では、その守備がまたワンランク高いレベルを披露していた。特にコンパクトな陣型を保ってかける中盤のプレッシングは目を見張る完成度であったと言っていいだろう。それだけに徳島もマイボールにしたところで遅れを発生させてしまえばその餌食になるのは間違いない。そればかりか、そこからシンプルに前へとボールを運ぶ水戸の鋭いショートカウンターによって致命傷まで負わされかねないだろう。
今季はFIFAワールドカップ開催に伴いJ2リーグ戦も間もなく一時中断期間に入るが、徳島にとって今節はその前に行われる最後のホームゲーム。それに加え白星から遠ざかったままそれを迎えるのはチームのメンタルコンディション的にもプラスに働かないだけに、今節は是が非でも自らの攻撃を復調させ勝利という結果をもぎ取っておきたい。
昨日の練習後に美濃部直彦監督は「とにかく目の前の戦いに集中して今節何としてもこの悪い流れを断ち切りたい」と語ったが、それは紛れもなく選手たち全員の言葉でもある。
以上
2010.06.04 Reported by 松下英樹
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