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【ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 清水】レポート:内容では浦和が清水を圧倒。しかし勝点3を手にし、決勝トーナメント進出への希望を広げたのは…(10.05.31)

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5月30日(日) 2010 ヤマザキナビスコカップ
浦和 0 - 1 清水 (15:03/埼玉/34,040人)
得点者:87' 原一樹(清水)
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両チームとも予選リーグはこの試合を含め残り2試合。
現在の勝ち点を考えれば、この試合の敗者は決勝トーナメント進出から限りなく遠のくという過酷な状況でむかえた正に「サバイバルマッチ」。

浦和サポーターが未だ愛して止まない、小野伸二と永井雄一郎が初めて赤以外のユニフォームを着て埼スタのピッチに立つという点でも注目を集めたこの試合は、両者への大ブーイングという歓迎セレモニーからスタートした。

試合を圧倒的に支配したのはホーム浦和だ。
特に前半は、現在リーグ戦で首位に立つ清水を相手に殆ど何もさせなかったと言っても過言ではない。

その最大の要因は、この日先発出場した浦和の大型DFスピラノビッチの存在だ。身長193センチのこの大男が、清水の大型FWヨンセンのポストプレーを完全に封じ込めた事で、清水の両ウイング永井・藤本淳吾、更には2列目の兵働昭弘が裏に飛び出す事が出来ない。また、両サイドバックの上がりも円滑に行かず清水の攻撃は完全に機能停止となった。小野が華麗なパスを左右に散らし、なんとかサイド攻撃の形を作るが、サイドをえぐる形までは行けず、殆どがアーリークロスに終始したのもポストプレーを封じられた影響だ。

守備が安定した浦和は次から次へと分厚い攻撃で清水ゴールへと襲いかかる。細かいパス回しから田中達也・ポンテ・柏木陽介が何度もペナルティーエリア内に侵入。更にこの日積極的な上がりを見せた左SB宇賀神友弥が何度も何度もクロスを送るがGK西部洋平を中心とした清水守備陣の体を張った守りにギリギリの所で跳ね返される。24分に放った細貝萌のミドルシュートや、田中の負傷で交代出場したエスクデロ・セルヒオが38分に放ったミドルシュートはどちらも素晴らしかったが、どちらもポストに嫌われ結局先制点を奪えないまま0−0で前半を終えてしまった。

だが後半に入っても浦和の攻勢は変わらない。後半25分過ぎあたりまではほぼ浦和の独壇場だったと言っていい。後半開始早々CBスピラノビッチが前線に上がりチャンスメイクすれば、後半4分には前半控え目だった右SBサヌも攻撃参加するなど手を代え品を代え清水ゴールへと襲い掛かる。また、この日はヘディングの強いスピラノビッチと堀之内聖が出場している事で、CKやセットプレーにも迫力があったが、どうしてもゴールネットを揺らすことが出来ない。

すると残り20分を切った頃から遂に状況が変わりだす。
浦和・清水両チーム共に選手の足が止まり始め、中盤にスペースが出来始めたのだ。疲れの為攻め込んでいる浦和にパスミスが目立ち始め、中盤にスペースが出来ている為、それまでカウンターもままならなかった清水のカウンターが効き始めたのだ。それを見た清水・長谷川健太監督は後半32分、スピードのあるFW大前元紀と原一樹を2枚同時に投入。カウンターに鋭さを持たせ、流れを清水に引き寄せた。
一方浦和は、それまで素晴らしい働きを見せていたボランチ堀之内と左SB宇賀神が相次いで足を吊り、それぞれ35分に鈴木啓太、41分に原口元気と交代しした。

結果論だが、この時点で勝負はついていたのかもしれない…。
「狙いを持って選手を代えた清水」と、「代えざるを得なかった浦和」。
宇賀神が交代した直後の後半42分、清水の右SB辻尾真二にサイドの突破を許すと、ニアへのクロスに原が頭で合わせ決勝ゴール。もはや浦和に反撃する余力は残っていなかった。

ナビスコカップ決勝トーナメント進出を懸けた「サバイバルマッチ」。明暗は分かれた。
ただこの試合は、勝点3という目標を達成した清水は勿論だが、敗れはしたが内容で圧倒した浦和にも実りのある試合ではなかっただろうか。

両者魂のこもった素晴らしい戦いだったと思う。

以上
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