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新潟は勝点4で、5位。初の予選突破に向けて、残り2試合を連勝することが最低条件だ。大一番、キャプテンでボランチの本間勲がチームを引き締める。
大宮の鈴木淳監督にとって、新潟は昨季まで率いた古巣。相手のスタイル、個々の特徴を把握した上で、目指すサッカーを貫く。
予選突破へ後がない状況。それでも本間は慌てるそぶりは見せない。「自分たちが今までやってきたことをやるだけなので」。前節京都戦は1-4で敗退。今季公式戦最多失点を喫した。それから中2日で迎える大宮戦。「ダメだった部分をはっきり覚えているうちに試合ができるので、修正がしやすい」。時間のなさを、むしろプラスにとらえる。そして「必要な部分はみんなで話し合う」とキャプテンらしく、チームの統率を重要視した。
京都戦は後半の1得点で終わった。「ただ、後半は攻めることができた。後半のような試合を前半からしなければならない」。17本のシュートを放った京都戦の後半45分間。相手が引き気味だったとはいえ、セカンドボールを支配し、分厚く攻めた。中盤で激しくボールを奪ってシュートまで持ち込んだ。そのイメージを大宮戦につなげる。
その流れを仕切るのが本間の役目。ルーズボールを支配し、前線に送る。最終ラインの前でボールを奪う。「今までやってきたこと」を率先してプレーすることで、全体を引き締めるつもりだ。
敵将・鈴木淳監督については「多少意識はある」と言う。昨季までの指揮官。本間は2007年から鈴木監督にゲームキャプテンを任されてきた。現在、チームキャプテンとして絶大な信頼を寄せられている本間。その資質を、いち早く見抜いていたのが鈴木監督だった。
「ついこの間まで一緒にやっていたので、ちょっと違和感はあります」。敵ベンチに『恩師』の姿があることに、ぎごちなさはある。もちろん、ゲームになってしまえばそれは無関係。「淳さんがフィールドにいるわけじゃない」ときっちり割り切る。「絶対に勝たなければならない。ボールに厳しくいく」。チームの闘志を束ねて、恩師から勝点3を奪う。
その鈴木監督就任以来、大宮は戦い方がはっきりしてきた。しっかりとボールを回し、速く攻める。守備は前線からアグレッシブに、ゴール前は組織的に守る。ヤマザキナビスコカップは1週前の第3節名古屋戦で3-1、リーグ戦第12節の広島戦はスコアレスドローだったが、前半から機動力を駆使。守備でも相手のパスサッカーに対して粘り強くゴール前を守った。
高さのあるセットプレーの迫力は相変わらず。何よりFWラファエルが復帰したことで、攻撃に厚みが出てきたことが大きい。新潟とは勝点4で並んでいるが、予選の消化は3試合と1試合少ないことも精神的に優位に立てる要素だ。
どちらもボールを動かして攻守に足を止めないスタイル。ゴール前や、攻め上がった直後の中盤など、要所でミスをした方が先に崩れる。
我慢比べの一戦になる。
以上
2010.05.28 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）
