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【ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs F東京】レポート:相手DFラインの揺さぶりに成功した仙台。立ち上がりのゴールを守りきり、公式戦9試合ぶりの勝利(10.05.27)

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5月26日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
仙台 1 - 0 F東京 (19:00/ユアスタ/9,157人)
得点者:5' 関口訓充(仙台)
ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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試合はいきなり動いた。それこそ、仙台の狙い通りの展開だった。
5分、最終ラインのエリゼウが縦1本のパスを前線へ送る。ライン裏へ飛び出し、自分より大柄なF東京のセンターバック陣に競り勝って胸トラップでボールを収めたのは、仙台の中でも小兵の関口訓充だった。その落としをしっかりと拾ったフェルナンジーニョが、ワンツーの形で関口へスルーパスを送ると、前後に揺さぶられたDFラインを完全に置き去りにした関口はGK権田修一と1対1の状態に。いきなり迎えたこの決定機、関口はゴール左隅に冷静に流し込んで、仙台が早い時間での先制点を手にした。

この得点は決して、偶発的なものではなかった。ヤマザキナビスコカップにおいてF東京のセンターバックには、日本代表の今野泰幸に代わって高橋秀人が入っているのだが「高橋選手はFWのアクションにつられることが多い」(会見での仙台・手倉森誠監督)との分析を持っていた仙台は、2トップの平瀬智行、フェルナンジーニョ、そして攻撃的MFの関口、太田吉彰ら前線の選手に、DFライン付近の頻繁な出入りを求め、実際に彼らはそれを丹念にこなした。
F東京のDFラインは、ここ数節の仙台を見ている感覚で言えば「高く上げる意図を持ったライン設定」に見えたのだが、F東京側の取材陣に聞いたところ、この日の出来は「低すぎ」だったという。前でボールを奪う意図はあるものの、DFラインがロングボールの度に押し下げられるために、布陣全体、さらにはDFラインの直線の中にも生じるギャップ。仙台はそこを突き、さらに中盤でも、F東京のボランチ部分で激しいプレスからボールを奪うと、素早い攻めでショートカウンターへとつなげていた。先制点以降も、飛び出し、さらには自らのドリブル突破など、八面六腑の活躍を見せていた関口の存在もさらに光り、仙台は上々すぎるゲームの入り方を見せていた。

だが、F東京相手にゲームを支配し続けられるわけではなく、実際に20分以降は、流れがF東京に傾いていく。羽生直剛がボランチの位置で組み立てに参加し、右の石川直宏が高い位置へ張り出して突破口となり出してから、波状攻撃が仙台の守備陣を襲うようになった。立て続けに危険なボールが仙台ゴール前へ。しかし34分、右サイドで平山相太、石川、羽生とボールが渡った後、最後はゴール正面完全フリーでボールを受けたはずの平山のシュートはゴール左上に逸れるなど、あと一歩最後の仕事をF東京は完遂できないまま、1−0仙台リードで後半へ。

後半も大きな流れは、前半をそのまま写したようなものだった。54分、平山のダイビングヘッドが枠を捉え、仙台としてはひやりとさせられたが、GK林卓人がキャッチして難を逃れると、仙台も返す刀で速攻。前半は前方の攻撃陣が少ない人数と手数でゴールに迫る感じだったが、後半はここまで力を貯めていたのかと思わされるばかりに、ボランチより後方の選手も積極的に攻撃参加。55分には左に流れた太田の完璧なクロスに対し、右のサイドバック田村直也がファーポストへ飛び込んでヘッド。権田の素晴らしい反応がなかったら、仙台にとって試合を決める2点目となっていただろう。
とはいえ、後半の内容が前半のコピーであるのだとしたら、F東京の時間ももちろんある。前半以上に仙台を押し込むと、63分にはF東京この日最大の決定機。右からのグラウンダーのセンタリングを、ペナルティーエリア内ゴール正面で、足元で受けた平山が巧みに反転、完全にDFを外した状態で枠を捉えた左足シュートを放つ。だがここでも林が立ちはだかり、ワンハンドでこのシュートを掻き出した。

F東京の攻勢はさらに加速する。63分からピッチに投入された大竹洋平がトップ下に入ると、疲れの見えていた仙台のボランチ陣とセンターバックの間のスペースで躍動。小さなレフティーがペナルティーアーク付近からの積極的なミドルや、守備陣の肝を冷やすドリブルでの侵入で、仙台守備陣にとって明らかな脅威となりだした。スコアは最少得点差。公式戦8試合勝ちがない中、試合終盤に失点し、勝点3、もしくは1を失ってきた仙台としては、ここを耐えられるのかがゲームの大きな山である。
この場面で、仙台が採った策は、さまざまな意味で的確だった。永井篤志を下げて、リーグ戦序盤でスタメンを務め、開幕からの快進撃を支えながらも、最近は出番を失っていた若いボランチ、富田晋伍を投入。本人も認めるとおり、ボールを奪ってからの判断が課題だが、ボール奪取と相手が嫌がる獰猛なボールハントに関しては申し分のない彼にとって「大竹を消す」という役割は文字どおり「適職」と呼べるもの。これによって最後の危機を凌いだ仙台は、前がかりになるものの攻撃を機能させることができなかったF東京に対しカウンターも再び効き始め、最後には内容も五分以上まで押し返しての勝利を果たした。

1試合消化が少ない中、この勝利で勝点を5とした仙台は、Aグループ全体の混戦にも助けられ、予選突破を狙える位置に歩みを進めたと評しても良いだろう。勝点7でグループ2位となったF東京、そして首位の京都(勝点8)はすでに4試合を終えている。大黒柱の梁勇基を北朝鮮代表合宿で欠く中で、公式戦9試合ぶりの勝利を手にした仙台は、このまま勢いに乗って、決勝トーナメントまで駆け抜けることができるだろうか。

以上
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