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【ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 山形】レポート:浦和がボールを圧倒的に支配するも、山形の術中にはまる(10.05.27)

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5月26日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
浦和 0 - 2 山形 (19:03/駒場/13,371人)
得点者:38' 田代有三(山形)、63' 田代有三(山形)
ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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山形はしたたかだった。浦和に一方的にボールを支配され、ほとんどの時間帯で我慢を強いられたが、それは想定の範囲内だった。そして狙い通りの形から2得点を奪って2−0と勝利。それは、選手、監督、スタッフ、全員の努力でもぎ取った白星だった。

「最初の20分は守備的にならざるを得ないと思っていたので、守備から入ってしっかり対応するということだった。たぶん、少しずつボールを持てる空間が出てくるだろうから、そこから勝負しようと話していました」
まさに小林伸二監督の読み通りの展開となった。浦和が立ち上がりから猛攻を仕掛け、山形は防戦一方というスタートになった。ホームチームはポゼッションで圧倒的優位に立ち、サイドからクロスを連発。だが、山形の守備陣は慌てなかった。「クロスについてはチームで決めごとがあるので、それをきっちりとやれたと思います」と指揮官が胸を張ったように、統制の取れたポジショニングで危ないエリアをカバーし、次々と入ってくるクロスをことごとく跳ね返した。

38分の先制点もプラン通りの形から奪った。前後のボールの出し入れから左サイドで2対1の数的優位を作り、石川竜也がフリーでセンタリングを上げると、クロスオーバーの動きでフリーになっていた田代有三が落ち着いて頭で押し込んだ。局面での数的優位の作り方、ファーからニアへ飛び込んでマークを集中させたおとり役の動き、「ちょっとファーの方に行こう」と絶妙な動き出しを見せた田代、そして持ち味のピンポイントクロスでお膳立てした石川。全ての歯車ががっちりと噛み合った完璧なゴールだった。「スカウティングを見て、どういうところがチャンスになるというのを言われていた」(石川)。そしてそれは、裏方を含めたチーム全体でもぎ取ったゴールでもあった。

63分の追加点も、センタリングから決めた。スローインの流れからボールを持った増田誓志がクロスを入れると、この場面でもフリーだった田代が再びヘッドでゴールネットを揺らす。「誓志がああいうところにボールを出すというイメージがいつもある。鹿島のときからサテライトでも一緒にやってきているし、あいつがボールを持ったらどういうプレーをするのか僕が一番わかっている」。長年、鹿島で苦楽の時をともにしてきた2人だからこそ生まれたゴールだった。

統率の取れた守備も最後まで破綻することはなかった。「ボールを持った選手にアプローチをかけること、チャレンジ&カバーと逆サイドのカバーリングをしっかりすること」と石川が振り返ったように、カバーリングと逆サイドのケアに対して集中を切らさなかったことで、浦和の攻撃から少しずつダイナミズムを奪っていった。

猛攻を跳ね返すことができたのはチーム全員の奮闘によるものだったが、なかでも一際異彩を放っていたのが西河翔吾だ。この日はエジミウソンとマッチアップすることが多かったが、空中戦でも地上戦でもほぼ完璧に封じ込めた。これには小林監督も「今日、西河にしたのがうまく当たったと思います。西河がすごくタイトにやってくれた」とニンマリ。中盤が流動的に動いて仕掛ける浦和の攻撃はエジミウソンのポストプレーが起点となることが多いだけに、西河の果たした役割は大きかった。エジミウソンがあれほど抑え込まれる試合はそう多くない。この試合ではシュートゼロと何もさせてもらえなかった。

浦和はこの敗戦をしっかりと受け止めなければならない。クロスへの対応に難があることは、これまでの試合でも度々見られたが、その弱点を的確に突かれて負けた。山形は劣勢でチャンスをあまり作れないなかでも、はっきりと浦和の欠点を狙っていた。先制点をアシストした石川は「センタリングはチャンスになるんじゃないかと言われていた」と語る。今後は明確にそのウィークポイントを狙ってくるチームが増えるだろう。細貝萌も「ああも簡単にクロスから点を取られてしまうと厳しい。守備の課題になると思う」と険しい表情で振り返っていた。

坪井慶介をはじめ、守備陣は悔しさを押し殺した表情でスタジアムをあとにした。課題は全員理解している。この黒星をきっかけに欠点を克服できれば、この日の敗戦も無駄にはならないだろう。「あの山形戦がきっかけになった」。そう言える日が来ることを期待したい。

以上


2010.05.27 Reported by 神谷正明
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